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Copy & Copyright Diary このページをアンテナに追加 RSSフィード

著作権保護期間の70年延長に反対
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2004-06-21

著作権テキスト

文化庁のサイトに、著作権テキストが掲載されました。

著作権テキスト〜初めて学ぶ人のために〜平成16年度版(PDF

http://www.bunka.go.jp/1tyosaku/pdf/chosakutext.pdf

著作権〜新たな文化のパスワード〜の一番上の「平成16年度著作権テキスト(PDF)」がそれです。

とりあえずざーっと読んでみましたが、結構分かり易く解説してありました。

このテキストでは、ここで取り上げてきた話題についても、きちんと解説されているものがいくつかありましたので、取り上げます。


許諾権(禁止権)と報酬請求権について

私は、貸与権は報酬請求権ではない、と言い続けてきましたが、どう違うのかが説明されています。

まず、4ページに「財産権における「○○権」の意味」として次のように書かれています。

他人が「無断で○○すること」を止めることができる(使用料などの条件を付けて,他人が○○することを認める)権利(許諾権)

貸与権もこれに該当します。(なお、本テキストでは「許諾権」とありますが、「止めることができる」権利でもあるので「禁止権」と捉えることもできます)

続いて、著作隣接権の解説の中で、「許諾権」と「報酬請求権」の違いについて、次のように説明しています。(32ページ)

「許諾権」は,他人が無断で利用(録音・録画やインターネット送信など)することを止めることができる権利です。

(中略)

これに対して,「報酬請求権」は,他人が利用することを止めることはできませんが,利用(放送・有線放送,レンタル)した際に使用料(報酬)を請求できる権利であり,つまり,「許諾権」よりも弱い権利です。

仮に貸与権が報酬請求権であるなら、貸与を行うこと自体は、権利者であっても禁止することはできません。しかし、貸与権は報酬請求権ではなくて、許諾権(禁止権)です。なので、権利者は貸与を禁止することができますし、貸与を行いたいと思う者は、権利者から許諾を得ないかぎり、貸与を行えないのです。

これは、大きな違いです。

私が貸与権についての新聞報道を批判し続けてきたのは、このためです。


出版社の権利について

日本書籍出版協会などが求めている「出版社の権利」について、7ページで次のように説明しています。

本の製作(「文章」や「写真」などの印刷)は,現行の条約や多くの国の著作権法では,権利の対象となる行為とはされておらず,出版社には,著作者の権利も著作隣接権も与えられていません。

現行の条約や多くの国の著作権法で認められていない権利を新たに創設使用とするのであれば、誰もが納得するだけのきちんとした根拠を提示する必要があると、私は思います。

先日可決された著作権法改正案のように、委員会の質疑できちんとした答弁を出せないようないいかげんな根拠では、誰も納得しないでしょう。少なくとも私は納得しないと思います。


デジタル化について

14ページに次のようにあります。

著作鉛の対象となるのは「行為」であって,原則として「方式」は問いませんので,以下のすべての「行為」について,「アナログ方式」の場合も「デジタル方式」の場合も,さらには将来開発されるかもしれない新たな方式の場合も,著作権法ではすべてカバーされています。

つまり「アナログ」であろうと「デジタル」であろうと、「複製」は「複製」であるということです。なので、著作権の切れている「文化財」をデジタル化しても、それは単なる「複製」に過ぎず、「デジタル化」によって新たな権利は発生しない、ということです。


他にも(つっこみたいところも含めて)いろいろとありますが、このような初心者向けのテキストを読むだけでも、新聞報道の間違いや、権利者の主張への疑問点などを指摘することができます。

本文が98ページ、目次・索引を入れて100ページを超えますので、気軽に読むにはちょっと大変かもしれませんが、著作権について声高に主張する前に、このようなテキストを読むことをお勧めします。