ブログトップ 記事一覧 ログイン 無料ブログ開設

Copy & Copyright Diary このページをアンテナに追加 RSSフィード

著作権保護期間の70年延長に反対
2003 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2004 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2005 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2006 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2007 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2008 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2009 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2010 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2011 | 01 | 02 | 04 | 06 | 07 | 10 | 11 |
2012 | 01 | 02 | 03 | 05 | 06 | 07 | 10 | 11 | 12 |
2013 | 01 | 02 | 03 | 05 | 06 | 07 | 09 | 12 |
2014 | 02 | 06 | 08 | 11 |
2015 | 02 | 07 | 08 | 09 |
2016 | 04 | 06 | 07 | 08 |
2018 | 02 |

2005-05-31

推理作家協会理事長

MSN-Mainichi INTERACTIVE 話題

ひと:大沢在昌さん 日本推理作家協会新理事長に就任する

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20050531k0000m070143000c.html

日本推理作家協会の理事長に就任する大沢在昌氏についての記事。

大沢氏と言えば、新宿鮫シリーズだが、私も読んでいます。

大沢氏が新理事長に就任することについては、特に何の意見もありませんが、この記事のこの部分に反応したいと思います。

図書館貸与権問題。同協会編のアンソロジーの売り上げも伸び悩んでおり、問題はむしろ山積している。

図書館について大沢氏が発言したのかどうか、この記事だけではわかりませんが、なぜここで図書館を持ち出してきたのか私には理解できません。

図書館のせいで推理小説が売れなくなったという推理作家は何人かいますが、それは推理作家協会の公式見解なのだろうか?

もう一つ、貸与権問題は確かに問題だ。

昨年の法改正で書籍・雑誌にも貸与権が適用されるようになったが、法施行後5ヶ月が過ぎながら、未だに貸与権の許諾体制が構築されていないからだ。

何度も指摘しているが、法改正の際の附帯決議に

貸与権を管理する新たな機関が、権利者の保護と書籍等の円滑な利用の促進という要請にこたえることができるよう体制を整備すること。

書籍・雑誌の貸与権を管理する新たな機関の適切な運営及び環境の整備に努めること。

とあるのだから、許諾体制の構築は国民に対する責務であると言えるだろう。

推理作家協会も書籍・雑誌への貸与権適用を要望したのだから、その責務を負っているのだ。

その責務を一日も早くはたすよう、大沢氏には尽力してもらいたい。

2005-05-25

文化庁がまたやった

昨日取り上げた、文化庁著作権契約書作成システム(id:copyright:20050524:p1)が問題になっています。

Where is a limit?: 文化庁著作権契約書作成支援システムのアイコンMac OS Xのテキストエディットのアイコンとクリソツ・・・と言うかパクリ?

http://tontonsblog.seesaa.net/article/3891100.html

ITmediaニュース:文化庁サイトにMac OS Xアイコンが?

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0505/25/news087.html

まぁ、文化庁のサイトは著作権でおかしいことを書いていたりやったりしているので、またか、と言うところです。

文化庁ホームページ著作権についての質問

http://members.at.infoseek.co.jp/copy_and_copyright/opinions/question.html

文化庁サイト

id:copyright:20041203:p2

文化遺産Online

id:copyright:20040427:p1

文化庁著作権行政としてまずすべき事は、庁内に対して著作権教育をすることだと思います。

2005-05-24

著作権契約書作成支援システム

文化庁のサイトにこんなのができていた。

著作権契約書作成支援システム

http://www.bunka.go.jp/1tyosaku/c-system/

中身はちゃんと見ていません。

自分へのメモ代わりに、ここに書き留めておきます。

2005-05-23

書店数減少、売り場面積拡大

本日届いた文化通信の記事より。

書店調査会社のアルメディアのの調査によると、今年5月1日現在での書店数は1万7839店となり、昨年同時点に比べて317店減少した。しかし大型店の増加によって、全体の売り場面積は3万坪以上拡大し、総面積は131万545坪と99年の調査開始以来最大になった。

先日のエントリ(id:copyright:20050520:p1)と関連すると思うが、年間7万点という出版点数が、書店の大型化を加速させている原因の一つだと思います。

日本出版学会賞

同じく文化通信の記事より。

総会後、第26回日本出版学会賞の表彰式が行われ、出版学会賞が近世近代出版史に関する研究書および論文と書籍研究文献目録の鈴木俊幸氏に、同奨励賞が「マンガ産業論」(筑摩書房)の中野晴行氏に贈られた。

5月10日付けのMSN-Mainichi INTERACTIVEにも記事が載っていました。

MSN-Mainichi INTERACTIVE 学芸

日本出版学会賞:受賞者決まる

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/news/20050510dde014040073000c.html

多くの出版論がマンガをちゃんと取り上げていないが、マンガが国内の出版点数の1/3を、売り上げが1/4を占めている現状を考えれば、出版界におけるマンガの位置づけをもっとちゃんと考える必要があると思う。

昨年はマンガ論の収穫の年だったが、その中から出版学会賞受賞が出てきたのは、非常に大きいと思う。

マンガ産業論

マンガ産業論

なお、過去の出版学会賞の受賞一覧は下記ページで見ることができる。

日本出版学会

http://www.shuppan.jp/show/show.html

2005-05-22

小田嶋隆氏の著作権コラム

コラムニスト小田嶋隆氏が、様々な雑誌に書いた著作権についてのコラムをご自身のブログに掲載しています。

偉愚庵亭憮録: 著作権

http://takoashi.air-nifty.com/diary/2005/05/post_f83e.html

鋭い指摘もあるので、是非ともご一読下さい。

MASTERキートン

人気マンガ「MASTERキートン」が絶版に至った理由。 Narinari.com

http://www.narinari.com/Nd/2005054455.html

いろんなところで話題になっていますが、週刊文春に「超人気マンガ「マスターキートン」突如消えた不可解な理由」という記事が載っている。

コンビニで立ち読みしたけど、詳しい経緯は、上記サイトを見て頂きたい。

いずれにしろ権利関係のゴタゴタで、多くの読者が望んでいる作品が読めなくなるのは残念だ。

ところで、MASTERキートンアニメが現在チャンネルnecoで再放送されているが、こちらの方の権利関係はどうなっているのだろう?

マンガの増刷はダメで再放送がOKということで許諾を出したのだろうか?

マンガよりアニメの方が権利関係は複雑だと思うのだけど。

2005-05-20

7万点は多すぎるか、多すぎないか

版元ドットコム 版元日誌〈(その2)自由な社会への道と版元ドットコムとの関係を考えてみた〉

http://www.hanmoto.com/diary/diary050518-1.html?top

ポット出版の沢辺氏は、年間7万点という出版点数について、

一年間の新刊点数が7万点をこえています。一日に250点ほどになるようです。

この「7万点」という数字をめぐっては、作りすぎだとか、粗製乱造などというように言われています。

でも、ぼくはどうもその「粗製乱造」論に納得がいきません。

実際7万点が「正しい」新刊点数かはよくわからないし、正しい新刊点数を考えたり決めようとしてもあまり意味があるとは思えません。

しかし、7万点という数はともかくとして、たくさんの本を出すことができる状態はとてもいい状態だと思います。

この、出せる自由、がぼくらの自由の度合いを表す指標となると思うからです。

と述べています。

私も「出せる自由」は大きい方が良いと思います。

しかし、7万点という出版点数は、やはり多すぎると思います。

毎日250点の新刊が出版される状況では、どんな本が出版されたのかをチェックするだけでも大きな手間です。

オンライン書店の新着情報をチェックすればいいじゃないか、メールサービスを利用すれば良いではないか、と言われるかもしれないが、やはり私にとっては、少々手間が大きいです。

また、本との偶然の出会いも減るのではないでしょうか。

全国の書店で、毎日250点の新刊をすべて揃えられる書店は数が限られます。

私の場合、横浜駅周辺の書店をよく利用していますが、それでも見逃してしまう本も多いです。

また、1冊の本が店頭に置かれる期間も短くなるのではないでしょうか。

図書館に否定的な作家達はよく、店頭には3ヶ月しか置かれないのだから、その間は図書館で貸出するな、と言うことを言いますが、私の実感では3ヶ月置かれれば長い方ではないかと思います。

今の出版点数では、1冊1冊の本を長期にわたって売っていこう、というようなことは難しいでしょう。

沢辺氏は

さて、版元ドットコムです。

版元ドットコムは主に小規模の版元(出版社)が結果的にあつまった団体です。

たぶん、出版傾向は、売れるだろうモノよりも出したいモノに傾いているんだと思います。

と述べます。

私もその姿勢には賛同します。

しかし同時に

もし、ある本が本当に必要ないなら、買われなかった、という事実で退場させられればいいのだと思います。

この覚悟を、多くの出版社に共有してもらいたいと思います。

図書館のせいで売れない、新古書店のせいで売れない、と言うような他者に責任を転嫁するのではなく、その本が必要とされなかったのだ、と捉えてもらいたいです。

著作権なるほど質問箱

文化庁のサイトに「著作権なるほど質問箱」というのができていた。

著作権なるほど質問箱

http://www.bunka.go.jp/c-edu/index.html

こういうサイトはきちんと検証しておきたいので、後日改めて取り上げます。

著作権テキスト

もう一つ、文化庁のサイトから。

新着情報にはありませんでしたが、平成17年著作権テキストが掲載されていました。

平成17年著作権テキスト(PDF

http://www.bunka.go.jp/1tyosaku/pdf/chosaku_text_17.pdf

これについても、読んだ後で改めて取り上げたいと思います。

2005-05-18

お勧めの入門書

著作権とは何か ―文化と創造のゆくえ (集英社新書)

著作権とは何か ―文化と創造のゆくえ (集英社新書)

集英社新書で著作権の本が出た。

新書と言うことなので、どうせたいしたこと無いだろうと思って読みはじめたのですが、侮っていました。

これはとても良い本です。

「はじめに」で著作権についての著者のスタンスを提示したあとで、著作権について考えるための題材を提示して、読んでいる人に「あなたはどう考えますか?」と問いかけています。

取り上げられる題材も、実際に裁判で争われた「記念樹」や「パロディ・モンタージュ写真」、「脱・ゴーマニズム宣言」、裁判にはならなかったけど一部で話題になった「ライオン・キング」などなど、親しみやすい題材が多いので、読む人の著作権についての問題意識を喚起すると思います。

著作権の条文についての解説は少ないですが、著作権について問題意識を持っている人、著作権について色々と考えていきたいと思っている人には是非とも読んでもらいたいです。

著作権の条文について勉強したい人も、本書を読んでから他の解説書を読むと、条文についての理解が深まるのではないでしょうか。

本書のように、問題意識を喚起する本が、新書という多くの人に読まれやすい形で出版されたことは、とても意義があると思います。

是非とも本書を読んでください。

そして皆で著作権について考えていきましょう。

Open Access Japan

国立国会図書館発行のメルマガ「カレントアウェアネス-E」で紹介されていました。

Open Access Japan

http://www.openaccessjapan.com/

Open AccessについてはOpen Access Newsをチェックしていますが、なにぶん英語なので、読むのに苦労しています。

Open Accessについての日本語の情報源ができていたのは嬉しいです。

図書館に関する調査・研究

同じく「カレントアウェアネス-E」で紹介されていましたが、国立国会図書館のサイトの「図書館に関する調査・研究」のページがリニューアルされました。

RSSを配信しているのが便利です。

国立国会図書館図書館員のページ:図書館に関する調査・研究

http://www.ndl.go.jp/jp/library/lib_research.html

NPO

『NPO』『ボランティア』角川の商標登録取り消し

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20050518/mng_____sya_____015.shtml

当然と言えば、当然。

2年前にこの件について、MLに次のことを投稿しました。

角川書店は「NPOやボランティア団体が出版するものにまで、商標権がどうのこうのと言うつもりはない」と言っていますが、角川書店NPOボランティア団体に対して商標権を行使する意志があるかどうかが問題ではなく、角川書店がその気になればNPOボランティア団体の使用を差し止めることができる、とういうことが問題なのだと思います。

今でもそう考えています。

2005-05-16

分配されない著作権料

ITmedia ライフスタイル:私的録音・録画補償金制度では誰も幸せになれない

http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0505/16/news020.html

ITmedia小寺信良氏のコラムがいい。

私的録音・録画補償金制度の問題点を誰にでも分かり易く解説している。

特に、補償金を

分配するだけで赤字になってしてしまう

との、私的録音補償金管理協会の発言を紹介し、その状況に対する疑問点の提示などは、とても興味深い。

これを読むと、何のための補償金制度なのか、疑問を感じざるを得ない。

しかし、私的録音・録画補償金の他にも、実際に利用者が支払った著作権使用料が分配されていないケースは他にもある。

文献のコピーについての著作権管理事業を行っている日本複写権センター(JRRC)がそうだ。

平成15年度収支計算書によると、約1億6千万の複写使用料を徴収し、約1億2千万円を分配している。

分配先は、著作権団体連合、学術著作権協会、出版者著作権協議会、新聞著作権協議会の4団体。

この4団体には、JRRCは複写使用料を分配しているが、その先が問題だ。

新聞著作権協会についてはわからないが、学著協は学協会に対して複写使用料を分配しているのは確かだ。私がとある学会の事務局長をしている時に、分配を受けたことがあるので、それは間違いない。

著団連と出著協については、個々の著作権者には分配していない、という話を聞いたことがある。著団連の関係者と出版社の人から直接聞いた話なので、まず間違いは無いだろう。

学著協の場合は、著作権者が個々の著者ではなく学協会に著作権を譲渡しているケースしか取り扱っていないので、分配先が数百と限られている。そのため、複写使用料を分配できるが、著団連の場合は、個々の著作者が著作権者であり、著作権者の数が非常に多いため、それこそ振り込み料で消えてしまうらしい。

こういった状況を考えると、何のために複写使用料を徴収しているのか、疑問に感じる。*1

書籍の貸与権につても、貸与権管理センターが設立されているが、個々の著作権者にきちんと分配されるのか、管理センターの手数料は妥当なものになるのか、まだまだ見えてこない。

著作権使用料を集めても、個々の著作権者にきちんと分配されなければ意味はない。

管理事業者などについても、きちんと監視の目を光らせていく必要があるだろう。

ブックポータルのサービス中止

TRCが提供しているブックポータルが8月半ばをめどに中止されるそうです。

「ブック・ポータル」サービス中止のお知らせ

http://www.trc.co.jp/trc-japa/pr/data/0183.htm

4月から仕事が変わったので、最近は余り利用していませんでしたが、3月まではほとんど毎日のように利用していました。

なじみのサービスが中止されるのは残念です。

*1:JRRCの場合は、複写使用料が2円/1頁と、非常に安価に押さえられていることが、この状況を生み出している面もあるが。

2005-05-15

輸入権の施行状況について便乗して知りたいこと

小倉弁護士レコード輸入権のその後というエントリに対して、暇人#9さんが“レコード輸入権”施行後の状況をまとめています。

レコード輸入権の動向については、きちんとフォローしていませんでしたが、とても参考になりました。

でも、一つ便乗して知りたいことがあります。

どなたかご存じの方がいらっしゃいましたら教えて頂きたいのですが、著作権法改正が成功された2005年1月以降、日本のレコード会社アジアにどれだけ積極的に進出しているのか、ということです。

レコード協会のサイトの音楽レコードの還流防止措置のページにあるように、「レコード輸入権」は

この改正法は、近年、台湾中国韓国及び香港等の地域における日本音楽に対する需要の高まりを受け、レコード会社各社がアジア地域のレコード会社に対し積極的に原盤のライセンスをするにあたり、当該地域の物価水準に応じて製造、販売されるライセンスレコード日本国内に還流し、国内で販売されている同一のレコードの販売を阻害することによって著作権者及び著作隣接権者が経済的な不利益を受けることを防止し、我が国音楽文化の海外への積極的な普及促進を図る

ために導入されたものです。

レコード輸入権」が導入された以上、日本のレコード会社アジアに積極的に進出しなければなりません。それは義務と言ってもいいでしょう。アジアに進出するために「レコード輸入権」が必要だと主張していたのだから、「レコード輸入権」が導入されたからには、積極的にアジアに進出していなければならないわけです。

レコード輸入権」が導入されてから、日本のレコード会社アジア進出が加速されているかどうか、とても知りたいところです。

ご存じの方がいらっしゃいましたら、教えてください。

2005-05-11

文字・活字文化振興法案提出へ

asahi.com: 「言語力」育成目指し法案提出へ 超党派の活字文化議連 - 文化・芸能

http://www.asahi.com/culture/update/0510/012.html

10月27日を「活字文化の日」に…法案提出へ : ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20050511ur01.htm

記事中では、版面権の創出や再販制度維持については全く触れられていません。

なぜ取り上げないのでしょうか。

版面権の創出や再販制度維持が本当に「文字・活字文化」の振興に繋がるのなら、両新聞社とも正々堂々と主張すべきでしょう。

国会図書館法改正

市民メディア・インターネット新聞JANJANに掲載された次の2つの記事が良い。

国会ウオッチ!・国会NOW:憲法の弟分を改正 国立国会図書館

http://www.janjan.jp/kokkai_watch/0505/0505036575/1.php

政治・自らの「権利」を葬り去った国会――国会図書館法の改正

http://www.janjan.jp/government/0505/0505066712/1.php

私には、国会図書館長の給与が高いか妥当かは判断できないが、高いと思うのならもっともっと国会図書館を活用して欲しい。

特に国会議員は。

何度も紹介しているので、食傷気味に思われるかもしれないが、昨年の著作権法改正案の審議において、民主党議員が参考にした一つの調査報告がある。

音楽レコード還流防止措置について

国立国会図書館 ISSUE BRIEF NUMBER 451 (May.27.2004)

http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/issue/0451.pdf

このレポートは政府側が法改正の根拠としたデータをすべて覆したもので、このレポートがあったからこそ、法改正の問題点がすべて浮き彫りにされた。

民主党の依頼に基づいて作成されたレポートではなく、国会図書館が独自に作成したものだ。

国会図書館にはこれだけの調査能力があるのだ。

国会図書館長の給与が高いと思う議員は、どんどん国会図書館を活用して欲しい。

それは国会議員に与えれらた特権でもある。

その特権が何故与えられているのか、それを考えて欲しい。

国会図書館関連本

国会図書館について考える前に、読んでおきたいのが次の2冊。

国立国会図書館入門 (三一新書)

国立国会図書館入門 (三一新書)

国立国会図書館のしごと」は「国立国会図書館月報」に連載されたコラムを中心にまとめたもので、読みやすく、仕事の実際の様子がうかがえる。

国立国会図書館入門」は国会図書館の仕組みが体系的にまとめられている。

また、館長の問題について考える際には次の本が参考になる。

アメリカ議会図書館―世界最大の情報センター (中公新書)

アメリカ議会図書館―世界最大の情報センター (中公新書)

米国議会図書館について、歴代館長が何をやってきたかを中心にまとめられていて、館長職の重要さがとてもよくわかる。

本書を読むと、果たして日本の国会図書館の館長はどうだろうか、と考えたくなる。

2005-05-09

日刊知財1000号

パテントサロンメールマガジン「日刊知財」の本日配信分で1000号になりました。

私は114号から購読していますが、前日の知財関係のニュースがまとまっているので、とても役に立っています。

これからも期待しています。

31条図書館指定の告示

Library&Copyrightより。

4/7に31条図書館指定の告示(平成17年文化庁告示第15号)が出されましたが・・・

http://gomame.cocolog-nifty.com/library_copyright/2005/05/47311715_99b6.html

5月2日付けのエントリ(id:copyright:20050502:p2)と関連すると思いますので、、紹介だけでも。

2005-05-03

JCLS社長交代

文献複写についての著作権の集中処理機構である(株)日本著作出版権管理システム(JCLS)の社長に、元文藝春秋社の早川義英氏が就任した。

JCLSの会社概要が4月22日付けで更新されていて、また文化通信速報版の4月22日付けでも報道されています。

また、文化通信第3595号(2005年5月1日)にも記事が掲載されています。

JCLS 委託社、契約者拡大目指す 新社長に元文春の早川氏

文化通信. 第3595号(2005年5月1日)6面

JCLSは医学・理工学系の出版社が中心となって(社)日本複写権センター(JRRC)から分裂して設立された集中処理機構で、早川氏の前は医学書院社長で文化審議会著作権分科会委員でもある金原優氏が社長を務めていた。

金原氏についてはここで何度か批判してきたが、著作権法を曲解した発言や、それに基づいた主張をすることが多かった。

また、使用料金は各権利者がそれぞれ設定する方式をとっているが、全体的にJRRC等に比べて高めに設定されており、Elsevierに至っては1論文2400円(+消費税)という設定になっている。

これまで、文献複写業者との契約は進んでいるが、一般企業との契約はほとんど進んでいなかった。

文化通信の記事には

権利者の権利を守るとともに、利用者がスムーズに利用できるよう簡単なシステムで許諾をする必要がある。委託出版者の拡大と利用者との契約を増やすことが私の使命

との早川氏の発言が紹介されているが、何故利用者との契約が進まなかったのか、利用者との契約を増やすためにはどうすればいいのかを、真剣に考えてもらいたい。

この社長交代によって、JCLSが良い方向に変わってくれることを期待します。

国会での論議は何だったのか? その2

文化通信5月1日号は「「文化通信」60周年記念特集号」でもあって、マスコミを代表する人たちからのコメントやインタビュー記事などが掲載されている。

その中に、小学館社長の相賀昌宏氏のインタビュー記事も掲載されていて、貸与権についての言及もあった。相賀氏は出版物貸与権管理センターの理事でもあります。

出版業界で貸与権を獲得しましたが、利用者との使用料交渉が難航していますね

との質問に対して相賀氏は次のように答えている。

権利というのはお金を取ることが絶対条件です。無料だったら権利はないのと同じです。ただ、何も最初から理想のレベルじゃなくても、少しでも進めることが大切です。

最初から100%行使できる権利などありません。しかし、少しずつでも進めていけば、お金を払う利用者にも、使用料を払っていない業者を押さえる防波堤としてのメリットを感じてもらえるはずです。

その時になってから、使用料を見直せば良いのです。いろんなアイデアを使って、あとは忍耐です。理想に到達するまで事務局がコスト的に大変なら我々出版社で応援することにしています。

「お金を取るのが絶対条件」というのなら、禁止権ではなくて報酬請求権でも良かったのではないかとつっこみたくなるが、それはおいておこう。

「少しでも進めることが大切」というのはどうだろうか。

確かに、拙速できちんと機能しないシステムを作り上げても意味はない。

しかし、法改正が施行されて4ヶ月が過ぎていながら、使用料交渉がまとまるめどが立っていないという状況を、もっと深刻に受け止めて欲しい。

昨年の12月18日付けのエントリ(id:copyright:20041218)でも触れたが、国会審議の際には「準備は着々と進んでいる」と弘兼氏や文化庁元川次長らは発言しているし、両院の附帯決議において体制整備が義務づけられている。

そのことをもっと重く受け止めてもらいたい。

再販制度維持で「活字文化」は振興されるのか

「文字・活字文化振興法」については、これまでは余力が無かったのでほとんど取り上げて来なかったですが、GWという機会に少し取り上げてみたいと思います。

いくつかのブログで取り上げられていますが、肥田美代子議員のサイトに「文字・活字文化振興法の施行に伴う施策の展開」が掲載されており、その中に「著作物再販制度の維持」が上げられている。

果たして、「著作物再販制度の維持」が文字・活字文化*1の振興に結びつくのだろうか?

その疑問を正面から取り上げている文献があった。

利根川樹美子. 日本出版市場の動向とデジタル化の影響.

出版ニュース. 2005年4月中旬号, 6-12p.

利根川氏は、再販制度維持派の存続させるべき理由

  1. 書籍などは文化を担っており、経済効率性だけで判断するのは不適当
  2. 価格競争になると地域小売店などが淘汰され地方の消費者が不利益を受ける
  3. 新聞は価格競争により戸別配達が難しくなったり質が落ちたりして民主主義の基盤が維持できない

に対して

  1. 画一配本という文化の問題
  2. 振興する地域小売店の「淘汰」-小規模書店の廃業と新規書店の大型書店化
  3. 新聞紙上の寡占体制が民主主義の基盤に及ぼす文化的影響

の反論を述べている。

詳細はこの文献を読んで頂きたいが、特に2点目について

現行の制度のもとで、既に10年以上にわたって、地域小売店が大量に「淘汰」されてきた。

との指摘は、再販制度維持の主張に対する大きなカウンターパンチになっていると思う。

「再販制度維持」を主張してきても、すでに小規模書店が淘汰され続けている以上、「再販制度維持」は「活字文化振興」には効果が無いと言えるのではないだろうか。

*1:「文字・活字文化」という言葉自体が曖昧なので、それが何を指し示すのかについて検証していく必要はあるが、今回はそれは問わないことにします

謎工謎工 2005/05/03 23:08 (目的と手段を完全に取り違えた)再販制度護持を一つの理由にiTunes Music Store開始を妨害している音楽業界ほどでは無いにしても再販制度の功徳であるかのように喧伝され続けて来た「店頭に並べることによるカタログ効果」がネット(特にamazon)の登場で空文化しかかっているのは動かせない事実であると思います。ただ、再販制度そのものの是非と現行の半永久的に小売価格を拘束する形での運用(もはやこのような運用は日本が世界唯一である)の是非を分けて議論しないと堂々巡りになってしまう点には注意が必要でしょう。ただ、
> 現行の制度のもとで、既に10年以上にわたって、地域小売店が大量に「淘汰」されてきた。
に対して再販護持派は「図書館や古本屋、漫画喫茶が野放しにされ続けているからだ」と逆ギレするのが確実なので、それに対する有効な反論(例えば「どうして半永久的に定価で売らせ続けなければならないのか」)を考えて行く必要が有るでしょう。元々、再販制度は「ある店で売れなくても別の店に持って行けば売れる可能性があり、その輸送費用を国民が均等に負担する為の制度」と説明されて来たにも関わらず、現状では「別の店に持って行けば」どころか返本の4割が裁断されると言うどうしようも無い資源の無駄遣いになってしまっていることを解決する方法が著作権強化だとは到底、考えられません。

謎工謎工 2005/05/03 23:14 訂正。「返本の4割が裁断」→「総刷数の4割が返本・裁断」

copyrightcopyright 2005/05/03 23:35 謎工さん、ご無沙汰しています。
さて、ご指摘の通り再販維持派が逆ギレする可能性は大いにあると思いますが、それはおっしゃるように逆ギレにすぎず、根拠を示しすことで、反証可能だと思います。
利根川氏も上記文献で「日本書店商業組合連合会参加点数」を用いて、そのピークが1986年で、2003年はその61%にまで現象していることを指摘しています。1986年以降10年間にわたって出版市場が拡大しているにもかかわらず、「地方」の「小規模店」が淘汰されていた、ということを利根川氏は指摘しています。これは、非常に有効な反論だと思います。
私も、このような検証をやっていきたいと思います。

2005-05-02

国会での議論は何だったのか?

遅まきながら、著作権情報センター発行の「コピライト」2005年3月号を読んだが、次のエッセイが掲載されていた。

環流防止措置の導入を受けて

社団法人日本レコード協会 会長 佐藤修

コピライト 2005.3 1ページ

これを読んで、去年の国会での議論は一体何だったのだろうか、と絶望的な気持ちになった。

佐藤氏は、環流防止措置についての反対意見の

我が国は世界に例のない音楽CD等の再販制度を有しており、環流防止措置の導入により海外から安い音楽CDが入らなくなり、国内の音楽CDの価格がさらに高止まりするのではないか。

について

再販制度と環流防止措置とでは法律の趣旨が異なり、別次元の問題である。すなわち、文化の多様性及びユーザーのアクセス機会の確保を趣旨とする再販制度と、日本の音楽文化の海外への積極的な展開を可能とすることを趣旨とする環流防止措置を同一の座標で議論するのは適当ではないと考える。

と、している。

もちろん、これは昨年の国会審議において、当時レコード協会会長だった依田氏が述べていた意見と同じである。

しかし、著作権法改正が可決された時の附帯決議をどう考えるのだろうか。

参議院においては、

 五、還流防止措置の導入により、再販制度とあいまって、商業用レコードの価格が二重に保護されることになるとの指摘等も踏まえ、販売価格の引下げ等消費者への利益の還元に更に努めるとともに、再販制度については、消費者保護の観点から、一層の弾力的運用に努めること。

との附帯決議がなされており、衆議院においては

 七 還流防止措置の運用状況、商業用レコードの国内価格の変動、海外での邦楽レコードの販売状況、商業用レコードの再販制度をめぐる議論その他還流防止措置の必要性並びに消費者及びレコード流通業者の権利利益の保護をめぐる状況について把握するとともに、広く消費者への周知に努めること。

(中略)

 九 還流防止措置の導入により、再販制度とあいまって商業用レコードの価格が二重に保護されることになるとの指摘等も踏まえ、販売価格の引下げ等消費者への利益の還元に更に努めるとともに、再販制度については、消費者保護の観点から、再販期間の短縮等一層の弾力的運用に努めること。

との附帯決議がなされている。

著作権法改正案可決の際には、環流防止措置と再販制度が同一の座標で語られているではないか。

日本レコード協会はこの附帯決議をも否定するのだろうか。

著作権法改正案が可決された後に、前会長の依田氏名義で「著作権法改正法の成立にあたって」というコメントを発表しているが、その中に次のようにある。

また、法案可決に際し衆参両院で付された決議を真摯に受け止め、欧米諸国からの洋楽の並行輸入個人輸入等を阻害するなど消費者の利益が損なわれることのないよう、立法趣旨に則り、制度の適切な運用を図るとともに、音楽ファンへの利益の還元に更に努めてまいる所存であります。

このように、前会長は附帯決議を尊重するとのコメントを発表している。

会長が変わると、そのコメント自体が無かったことになってしまうのだろうか。

いいかげんにしてほしい。

著作権法31条と私立図書館

藤田節子. 公益法人の専門図書館における複写サービス-著作権法施行令第1条第1項第6号指定図書館をめぐって-. 専門図書館. No.210, 31-38, (2004)

著作権法第31条は「図書館等における複写」についての権利制限規定だが、その「図書館等」に該当する図書館について、文化庁の見解を質している文献。

文化庁著作権課の担当者から

著作権課としては、民法第34条の公益法人が設置し、一般公衆の利用に供している公立図書館と同等の機能を持つ施設は、図書館法第2条第1項の図書館で、文化庁長官が指定する第6号の図書館には該当しない

との回答を引き出したことは、とても重要だと思う。

この見解をどう活用していくか、これからの専門図書館界にとっては重要だと思う。

marinesmarines 2005/05/02 21:16 うーむ、これはヒドイですね。
あ、ども。お久しぶりのまりんずです。
このへんは他の還流防止装置反対論者とは意見が分かれるところかもしれませんが、私は「再販制度と還流防止措置は別物」という考えはある意味で正しいと思っています。ただ、こういうへそ曲がりは少数意見で、昨年の国会では「CDの価格を下げますので還流防止措置の導入を認めてください」ということで、政治決着をして、それでも反対がありながらも形式的には可決をしたわけなので、これは一人の人間(組織)としての、主張の一貫性=信用の問題と思います。新規エントリ入れたいところですが、そういう環境ではないので、このへんで。