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Copy & Copyright Diary このページをアンテナに追加 RSSフィード

著作権保護期間の70年延長に反対
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2007-08-29

「学術情報流通とオープンアクセス」

倉田先生の新刊「学術情報流通とオープンアクセス」を読んだ。

学術情報流通とオープンアクセス

学術情報流通とオープンアクセス

非常に良い本。

学術情報流通*1の歴史と現状について、印刷媒体から電子ジャーナル、そしてオープンアクセスまで、体系的にまとめられている。現状を概観したレビューは、雑誌論文などでよく見られるが、論文では特定の分野に限定したり、ある特定の部分についての紹介にとどまる場合が多いが、一冊の本にまとめられたことで、学術情報流通の全体像をつかむことができる。

今後10年間は学術情報流通研究の基本書となると思う。


本書で扱う「学術情報」は主に自然科学・技術・医学系(Scienc, Teechnology, Medicalの頭文字を取ってSTMと言う)に限られているが、自分が企業内専門図書館で扱ってきた分野と重なるので、とても理解しやすかった。

自分が著作権について取り組むようになったのベースには、STM分野の「学術情報流通」の考えが基礎にあるのだと再認識できた。


しかし、不満が無いわけではない。

一つは、シリアルズ・クライシスについてふれている辺りで、為替レートや景気動向といった外部の経済的状況がふれられていないこと。

学術雑誌の価格や図書館の予算は、外部の経済状況に左右される部分が大きい。1980年代後半から1990年代前半の円高・バブル経済による予算増などのころは、日本ではシリアルズ・クライシスが言われることはなく、90年代半ばの円高から円安への転換とバブル崩壊による予算減のダブルパンチによってシリアルズ・クライシスが言われるようになったというのが、当時企業内専門図書館で外国雑誌の契約を担当していた者としての実感である。

また、国立大学で電子ジャーナルの契約が進んだ背景にも予算の裏付けがあったと思う。

本書には外部の学術情報流通は外部の経済的要因によって大きく左右されるという視点があまりないように感じた。


もう一点は、現状までについてはよくまとめられているが、今後についての記述がほとんど無いと言うこと。

倉田先生編の7年前の本電子メディアは研究を変えるのかを読んだときにも強く不満に思ったが、学術情報流通は今後どうなっていくのか、もしくはどのような方向に進むべきか、学術情報流通の有るべき姿、といった展望・考察・提言などは本書にはほとんど書かれていない。*2

本書に書かれていない部分が私の一番読みたいところである。

その辺りについては、倉田先生が答えを出すというよりも、本書をベースに図書館情報学研究者や、図書館の現場で学術情報流通に携わる人たちが考えていくべきことかもしれない。


いずれにせよ、本書が学術情報流通研究の集大成であり、基本書であることには変わりはない。

図書館情報学の本を読んで、久しぶりに興奮を覚えた。

*1:本書の中では「学術コミュニケーション」という言葉を使っているが、自分は「学術情報流通」の方がしっくりくる

*2電子メディアは研究を変えるのかはタイトルの「研究を変えるのか」に対して何の回答も提示していなかった。その点が非常に不満だった。

2007-08-25

アンケートを行っています。

一昨日開催された著作権保護期間延長問題を考えるフォーラム第4回公開トークイベントについてのアンケートを行っています。

是非ともご協力下さい。

著作権保護期間延長問題を考えるフォーラム 公開トークイベント vol.4 日本は「世界」とどう向き合うべきか? ?アメリカ年次改革要望書、保護期間延長論、非親告罪化を手がかりに?が開催されました。 http://thinkcopyright.org/resume_talk04.html 参加された方、ストリーミング中継をご覧になったかた、MarkeZine、ITmedia、INTERNET Watch、CNET Japanの記事を読まれた方に質問します。 MarkeZine:◎延長には慎重論が優勢「著作権保護期間延長問題を考えるフォーラム」レポート http://markezine.jp/a/article/aid/1655.aspx 著作権の“日本モデル”は可能か――保護期間延長問題 - ITmedia News http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0708/24/news037.html 著作権問題、外圧ではなく「日本モデル」の模索を http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2007/08/24/16689.html 著作権保護問題は欧米に迎合せず、日本モデルを策定すべき:ニュース - CNET Japan http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20355147,00.htm

著作権保護期間を著昨者の没後50年から没後70年に延長することに賛成ですか? 反対ですか?
保護期間延長に賛成 218
保護期間延長に反対 539
態度保留 218
欧米諸国が著作権保護期間が著作者の没後70年なのに、日本語没後50年であることは、「恥ずかしいこと」だと思いますか?
恥ずかしい 94
恥ずかしくない 699
態度保留 182
著作権侵害を非親告罪化することに賛成ですか? 反対ですか?
非親告罪化に賛成 148
非親告罪化に反対 510
態度保留 317

Q1の質問文の「著昨者」は「著作者」の誤りです。Q2の質問文「日本語没後50年であることは」は「日本が没後50年であることは」の誤りですので訂正させていただきます。

公開トークイベントについての記事。

MarkeZine:◎延長には慎重論が優勢「著作権保護期間延長問題を考えるフォーラム」レポート

http://markezine.jp/a/article/aid/1655.aspx

著作権の“日本モデル”は可能か――保護期間延長問題 - ITmedia News

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0708/24/news037.html

著作権問題、外圧ではなく「日本モデル」の模索を

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2007/08/24/16689.html

著作権保護問題は欧米に迎合せず、日本モデルを策定すべき:ニュース - CNET Japan

http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20355147,00.htm

2007-08-14

ITmediaの記事が出版ニュースに転載

図書館に行って、知ったのだが、ITmediaに掲載されたTink C第3回公開トークイベントの記事が「出版ニュース」の8月上旬号に転載されていた。

出版ニュース2007年8月上旬号インデックス

http://www.snews.net/news/0708a.html

転載されていたのは、岡田有花記者によるこの記事。

ITmedia News:著作権問題はカネ次第? YouTubeや2次創作を考える (1/2)

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0706/18/news057.html

「出版ニュース」の読者でITmediaの記事をチェックしている人は少ないと思うので、この記事がどのような反響を呼ぶのか、とても楽しみです。

ネットで人生、変わりましたか?

ネットで人生、変わりましたか?

延長問題を考える上で必読の文献

本日の図書館での最大の収穫が次の文献。

阿部浩二. 講演録 著作権著作隣接権)の保護期間について.

月刊コピライト. 2007年7月号, p.2-26,

いかに自分が著作権の保護期間の事について無知だったかを思い知らされた。

諸外国の制度や制度の歴史など、そうだったのか、と思うことばかり。

著作権保護期間の延長問題を考える上で、この文献は必読です。

この文献を読まずして、延長問題は語れません。

是非とも読んでください。

戦時加算が課せられたのは日本だけじゃない

阿部浩二. 講演録 著作権著作隣接権)の保護期間について.

月刊コピライト. 2007年7月号, p.2-26,

この文献を読んで一番驚いたのは、戦時加算が課せられたのは日本だけじゃない、と言うことだ。

著作権保護期間の延長派の人たちの中に、「戦時加算が課せられているのは日本だけ」という人がいる。

2006年度の音楽著作権使用料は1,110億円、CD低迷で減少〜JASRAC

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/05/16/15724.html

しかし阿部氏によると、フランスイタリアオーストリアブルガリアフィンランドルーマニアハンガリーでも戦時加算があるとのことです。

そして

ただ、現実に「日本だけだ」といういうようなことを外国の人たちに言いますと、「日本だけではない、われわれもあるのだ。少し勉強しろ」と言われたら、困るなというわけでございます。

と述べています。この点については全く同感です。


また、1975年に旧法から現行の著作権法に改定される際にも、審議会において戦時加算を解消すべきとの答申をしたが、現行法でも戦時加算が据え置かれたとの指摘もしています。

この点は盲点でした。

現行法になったときに保護期間は20年延長されましたが、その際に戦時加算をなくすことはできなかったのです。

それなら、仮に保護期間を70年に延長したとしても、戦時加算を解消できない可能性の方が大きいのではないでしょうか。

保護期間の延長を主張する人たちは、この点についてどう考えているのでしょうか。