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2007-10-30
本のテキストデータの提供
書店で見つけて買ったこの本。
- 作者: 小山昌宏
- 出版社/メーカー: 現代書館
- 発売日: 2007/10
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 3回
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奥付を見て驚いた。
以下の記述があったからだ。
本書の一部あるいは全部を無断で利用(コピー等)することは、著作権法上の例外を除き禁じられています。但し、視聴覚障害その他の理由で活字のままでこの本を利用できない人のために、営利を目的とする場合を除き、「録音図書」「点字図書」「拡大写本」の製作を認めます。その際は事前に当社までご連絡ください。また、テキストデータをご希望の方は左下の請求券をお送りください。
(強調:引用者)
そして、そのページの左下隅が請求券になっている。
これはすばらしい。
視覚障害者のための録音図書を推進している「EYEアイマーク・音声訳推進協議会」という団体があって、録音図書の作成の許諾の意思表示としてEYEマークを本につけることを提唱しているが、現実的にはあまり普及していないと言っていいだろう。
本書にはEYEマークはついていないが、同様の意志を示しているだけでなく、さらにテキストデータまで提供すると言うのだから、本当にすごい。賞賛すべきことだと思う。
このような形で、テキストデータを提供する本が増えて欲しいと思う。
図書館が購入すべき本は何か
Google Newsで図書館のニュースをチェックしていると、資料費削減の記事がちょくちょく出てきて、公共図書館の現場は厳しい状況にあることが分かるが、次の記事を読んで、「ちょっと待て」と言いたくなった。
広がる資料費削減 県内公立図書館 情報機能低下を危ぐ - 山陽新聞ニュース
http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2007/10/30/2007103009010466007.html
私は、公共図書館でベストセラーを貸し出して何が悪い、複本を購入するのは当然だ、と言うことをこれまで主張してきたし、今もその思いには変わりはない。しかし、次の記述を読むと、ちょっと考えてしまう。
本年度、資料費が前年度比39・4%減の408万円と県内最大の削減幅となった美作市では、2005年の新市発足以降、1冊の本を複数の市立図書館で使い合ったり、利用頻度の高いベストセラーや新書を中心に購入するなど“節約”に四苦八苦。写真集や辞典など高くつくものは、同市を含めた多くの自治体が購入を控えているという。
(強調:引用者)
再度言うが、私は公共図書館がベストセラーを貸し出すことを否定しない。
しかし、蔵書構成として、ベストセラーの購入の最優先すべきだとは思わない。
各図書館にとってなにを優先すべきかは、その図書館の置かれている状況によって変わってくると思うが、ベストセラーや新書を中心に購入するのが「節約」と書かれてしまうと、それは違うんじゃないかと思う。
そして「辞書」の購入を控えている、というのはマズイとおもう。
これは自分が元々企業内専門図書館の業務を長く担当していたことからそう思うのだけど、図書館は何かを調べるためにある、と自分は思っている。
もちろん、小説を貸し出すことも重要な役割だし、自分が高校生の時は図書館からたくさんの本を借りて読んでいた。だから、ベストセラーを購入するなとは言わないが、でも「辞書」がそろっていない図書館では、調べ物はできないだろう。
「辞書」といっても、広辞苑などの国語辞典や、漢和辞典、英和辞典、和英辞典だけが「辞典」ではない。
経済学や医学、化学などの各分野には基本的な辞典があるし、環境問題やナノテクといった最近になって出てきた分野の辞書も各種ある。それら、何かを知りたいと思ったときにとても役に立つ。
そして、それらの辞書類は個人で買うには高額である場合が多い。個人で各分野の辞典を1冊購入することですら大変なのだから、個人で必要な辞書を全部揃えられる人と言ったら、ごくわずかな人しかいないだろう。
だからこそ、図書館がそれらの辞書類を揃えておく必要があると思う。
ただ、図書館では基本的に辞書は貸し出さない。貸出実績としてカウントできないので、どれだけ利用されていても、数字としてその実績をアピールすることは難しいと思う。でも、だから購入しないというふうになってしまうのは、図書館として本末転倒ではないだろうか。



