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著作権保護期間の70年延長に反対
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2010-10-31

電子書籍をデバイスを越えて読み続けたい

このエントリーについては、事実誤認がありました。

こちらもお読みください。

このような方法があったのか - Copy & Copyright Diary

http://d.hatena.ne.jp/copyright/20101101/p1

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自分は電子書籍を結構買っているし、結構読んでいる。

2000年代の前半はWINDOWS-CEベースのPDA電子書籍を読んでいたし、2000年代の後半はW-ZERO3シリーズで電子書籍を読んでいた。

昨年iPod Touchを買ってからは、理想書店電子文庫パブリなどがiPod Touchに対応したアプリを出したので、そのアプリで読むようになった。これまでのPDAW-ZERO3シリーズに比べて画面のサイズが大きいことや、操作性が良いことから、iPod Touch電子書籍をこれまで以上に読むようになった。


理想書店では、ポッド出版のタイトルが出たり、iPadにも対応しているので、既に20タイトルぐらい買っている。

操作性も良いし、結構満足している。


一方パブリでは、少々困ったことがある。

電子文庫パブリiPod TouchiPhone)向けアプリでは、その前にパブリで買った電子書籍ドットブック形式とXMDF形式)を読み込んで読むことができなかった。

自分はiPod Touchを買う前にパブリで数十冊分の電子書籍を買ったのだが、それをiPod Touchでは読むことができないのだ。

正直、がっかりした。

まぁ、それでもiPod Touchで読めることの利点はあるので、その後も数タイトルiPod Touchで読むためにパブリで数タイトル購入した。

やはり、iPod Touchで読む快適性はあるので、これからもiPod Touchで読むためにパブリで電子書籍を買うのも良い、と思っていた。


また、ウェブ書斎というサービスでは、パブリで読めないタイトルもあったので、そこでも数タイトル購入している。


iPod Touchは自分にとって電子書籍を読むためのデバイスとしては結構快適だし、通勤電車の中で読むには、iPadより良いかもと思っている。

タイトルさえiPod Touch対応の電子書籍サービスで出ていれば、それを優先して買いたいと思っていた。


しかし、ちょっと考え直したくなるようなことがあった。


新しいiPod Touchが出たので、先日新しいiPod Touchを買ったが、前のiPod Touchから、電子書籍を移すのが結構大変だった。

App Storeで購入した個別タイトルのアプリ*1iTunes経由で移すことができるから問題無いし、理想書店パブリのアプリも同様だ。

しかし、理想書店パブリ、ウェブ書斎アプリダウンロードした、ここの電子書籍のタイトルは、iTunes経由では移すことができなかった。それぞれのアプリから、それぞれのサイトにアクセスして再ダウンロードをしなければならなかった。


まだトータルで30タイトル程度だったので、全部再ダウンロードしたのだが、これは結構面倒だった。

しかも、パブリとウェブ書斎は、端末の設定が必要で、それを行うには、前のiPod Touchの登録を解除しないと、新しいiPod Touchを登録できないというしばりがあった。

正直、なんでこんな面倒なことをするんだろうと思った。


しかし、再ダウンロードできたのだからまだ良い。

この再ダウンロードをやって気づいたのだが、パブリやウェブ書斎は、iPod Touchで再ダウンロードできるのは、購入してから1年間だけだなのだ。


1年経ったらiPod Touchでは再ダウンロードはできなくなる。

次に新しいiPod Touchを買ったときには、今回再ダウンロードできたタイトルは再ダウンロードできなくなるのだ。

つまり、パブリやウェブ書斎で買った電子書籍は、次にiPod Touchを買い換えると、もう読めなくなってしまうのだ。


このような状況では、正直パブリやウェブ書斎では、電子書籍を買うのをためらってしまう。


理想書店では、iPod TouchiPadでの再ダウンロードは(少なくとも自分が購入したタイトルは)無期限なので、手間さえかければデバイスを買い換えても引き継ぐことはできるが。


デバイスを買い換えた場合に自分が購入した電子書籍を引き継げるのかどうか、それは大きな問題だと思う。是非、引き継げるようにして欲しいし、再ダウンロードとかではなく、もっと簡単に引き継げるようにしてもらわないと困る。

電子文庫パブリ

http://www.paburi.com/paburi/Default.asp

ウェブ書斎

http://download.shosai.jp/StaticPage.do?html=index

理想書店

http://www.dotbook.jp/store/

*1:例えば、「Twitter社会論」など

2010-10-26

メモの著作権2題

最近メモの著作権がらみでよく分からないニュースが2件あった。

カラオケの発明メモ

この件については、文化庁のサイトにも注意喚起の掲載がされているが、朝日新聞の記事と時事通信の記事がわかりやすいと思う。

asahi.com朝日新聞社):カラオケ発明者、著作権トラブル メモ権利分割・販売 - 社会

http://www.asahi.com/national/update/1013/TKY201010130399.html

時事ドットコム:「カラオケ特許」でトラブル多発=1300万円支払いも−消費者庁など注意呼び掛け

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010102500020

一時期、著作権登録を行うことで、特許を取得するより手軽に安価で発明を保護することができる、という様なことを掲げて、著作権登録代行を行うビジネスが行われていることがあったが、もちろん、著作権登録は特許の登録とは全く別物であって、発明を保護するものでは無い。

著作権の登録制度については、文化庁のサイトの解説にもあるように、

著作権関係の法律事実を公示するとか,あるいは著作権が移転した場合の取引の安全を確保するなどのため

404 Not Found | 文化庁

のものであって、発明やアイデアの登録とは違います。

文化庁のこの解説がわかりやすいと思います。

特許権実用新案権は時間と費用がかかるため,比較的簡単で安価著作権登録をしたいとの相談が多く寄せられます。著作権で保護されるのは表現されたもの,特許権実用新案権で保護するのは発明やアイディアそのものという違いがあります。発明やアイディアの内容・解説を文書や図面などに表現したものであれば,それらは言語の著作物や図形の著作物となり,著作権法上の保護を受けます。 

 しかし,それは発明やアイディアそのものを保護するものではありませんので,発明やアイディアそのものの保護を望まれるならば,特許実用新案の出願など,適切な方法を選択してください。

404 Not Found | 文化庁

今回の件については、詐欺と言えるかどうかは分かりませんが、錯覚ビジネスに近いものなのではないかと思います。

著作権は表現を保護するものであって、アイデアは著作権では保護されない。

その基本を改めて思い知らされたニュースでした。


文化庁国民生活センターによる注意喚起の案内。

文化庁 | 著作権 | 著作権に関する登録制度 | 緊急のお知らせ

http://www.bunka.go.jp/chosakuken/touroku_seido/warning.html

カラオケ著作権」の譲渡に関するトラブルにご注意!(発表情報)_国民生活センター

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20101021_3.html

チリ落盤事故の生存メモ

こっちのニュースはあまり報道されていないし、海外のニュースでもあるので、正直よく分からない。

>>http://d.hatena.ne.jp/copyright/edit#

時事ドットコム:生存伝えたメモに著作権=「避難所で33人無事」−チリ救出劇

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&rel=j7&k=2010102300069

チリの著作権制度がどのようか分からないが、チリはベルヌ条約に加盟しているようなので、ベースはそう変わらないのではないかと思う。

それを前提に考えてみた上で、疑問点がいくつかあるので列挙してみる。

  • そのメモにどれだけ著作物性があるのか。ありふれた表現ではないのか。
  • ベルヌ条約に加盟しているのであるなら、著作権の発生に登録は不要ではないのか。
  • 申請したのが作家とのことだが、著作者でない人の申請にどれだけ正当性があるのだろうか。
  • 現在大統領によって行われている行為は、複製権を中心として著作権で制限できるものなのだろうか。
  • 著作権が認められたというが、どのような審査を行ったのだろうか。

正直、分からないことだらけだ。

結局メモの著作権って何?

両方のニュースとも、著作権って何? 何を保護するものなのか? その及ぶ範囲はどこまで? といった、著作権の根本を問うているように思う。

著作権」というのはマジックワードでもなければ、魔法の杖でも無い。

この2件のニュースは、そのことを考える上での素材となるものだと思う。

2010-10-01

ワーキングチームという密室

いわゆる「マジコン」への規制を検討する為に設立された文化審議会著作権分科会法制問題小委員会技術的保護手段ワーキングチームの第1回議事要旨が公開された。

文化庁 | 著作権 | 著作権制度に関する情報 | 文化審議会著作権分科会 | 技術的保護手段ワーキングチーム(議事要旨) | 平成22年第1回

http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/housei/h22_gijutsu_01/gijiyoshi.html

このワーキングチームは9月14日に開催されたものだ。

ワーキングチームの議事要旨は本日公開されたようだ。

ワーキングチーム設置を決めた際の法制問題小委員会の議事録は現時点では公開されていない。

文化庁 | 著作権 | 著作権制度に関する情報 | 文化審議会著作権分科会 | 法制問題小委員会 | 文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(第9回)議事録

http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/housei/h22_shiho_09/gijiyoshi.html

この法制問題小委員会については、次の報道がされている。

マジコン」の規制強化目指し著作権法改正へ――文化審:ニュース

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/news/20100907/1027355/

しかし、議事録が公開されていないので、きちんとした検証を行うことは現時点ではできない。*1


そして、ワーキングチームの議事要旨として記載されているのは以下のことで全てである。

  • 本ワーキングチームのチーム員及び事務局の紹介が行われた。
  • 被害実態及び技術的保護手段とその回避の実態について,中川チーム員及び酒井チーム員より発表があり,質疑応答と意見交換が行われた。
  • アクセスコントロールの回避規制を導入するとした場合の基本的な考え方などについて議論が行われた。

これだけの議事要旨では、どのような議論が行われたのかが全く分からない。


いわゆる日本版フェアユース、権利制限の一般規定についての検討の際にも、権利制限の一般規定ワーキングチームが設置され、ワーキングチームで集中検討が行われたが、ワーキングチームでの検討内容は、今回と同様程度しか公開されなかった。

法制問題小委員会に提出された報告書によって、その後の方向性が決定されてしまったが、その検討の経緯はブラックボックスのままである。


密室で方向性が決められてしまい、それがオープンになった時点では既定路線になっていて、それを覆すことは難しいことになっている、というのは、著作権法の改訂を決める手段として妥当なものだとは私には思えない。

文化庁が行っていることは密室での政策決定だ。


ワーキングチームの会合を公開にすべきだと思うし、議事要旨ではなく、ちゃんとした議事録を公開すべきである。

それができないのであるなら、ワーキングチームという手法はとるべきではない。


文化庁は、密室でしか物事を決めることができないのだろうか。

今の状況ではそう判断せざるを得ない。

*1:先のエントリー(http://d.hatena.ne.jp/copyright/20100928/p1)では法制問題小委員会の開催から議事録の公開まで4ヶ月かかっていることを指摘している。