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著作権保護期間の70年延長に反対
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2018-02-22

著作権法の罰則は、誤った情報に基づいて強化された

裁量労働について誤ったデータに基づいた法案が出され用としていることが問題になっているが、そのことで思い出したことがあるので、ここに記しておく。

著作権法の罰則は日本が世界で一番厳しいと言われているが、その世界で一番厳しい罰則を定めることの検討を行う際に用いられた事実に誤りがあった。

そして、その誤りが判明したにもかかわらず、世界で一番厳しい罰則をさだめることについて、再検討もせずに法案が提出され、法改正がなされたのだ、

何でそのことを覚えているかというと、自分が初めて文化審議会著作権分科会法制問題小委員会の傍聴をしたときに、文化庁の側からその誤りの訂正の発言があったにもかかわらず、委員の誰からも異論が唱えられなかったことに違和感を覚えたからだ。

ただし、当時の自分にとっては、罰則規定の強化については、関心を持っていなかったので、とりわけブログ等で言及はしなかったのだけど、今になって思えば、謝った事実に基づいてなされた判断は、徹底的に検証し直す必要があったのでなあいかと重い、遅まきながらもここに記しておきたいと思う。

自分が傍聴したのは2006年8月16日に開催された文化審議会著作権分科会法制問題小委員会

文化審議会 著作権分科会 法制問題小委員会(第7回)議事録−文部科学省

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/06082111.htm

この年の法制問題小委員会では主にIPマルチキャスト放送の著作権法上の取り扱いと罰則の強化についての審議がなされていた。

当時の自分にとっては、どちらの議題も自分の関心とは違う所のものだったが、夏休みに開催されていたので、傍聴した。ちなみに、これが初めての傍聴だった。

議題的に自分の関心と直結していなかったので、淡々と聴いていたのだが、一つ引っかかった発言があった。

それは甲野著課長(当時)の次の発言。

それから刑罰の強化のところにつきましては、外国の情勢につきまして、一部誤りがございましたので、修正をいたしました。43ページのところでございますが、イギリスのところで、自由刑で「最高が10年以下の禁固」となっておりましたけれども、これは誤りでございまして、これを「最高2年以下の禁固」という形に修正をしております。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/06082111.htm

傍聴していた当時は、何かおかしくないか、と直感的に感じたけど、当時の審議の経過をしっかりとフォローしていたわけでは無かったので、違和感を感じたが、何がおかしいとすぐに言えることはできなかった。

その後確認したところ、当時、著作権法の罰則が最高5年以下の懲役だったところを10年以下の懲役にすることを検討していた。そして、甲野著作権課長(当時)が修正したのは、イギリスで既に10年以下の罰則があるとしていたことが誤りであって、イギリスは2年以下の罰則だったというものだ。

そして、参照されていた他国において、10年以下の罰則をさだめていた国は他には無かったのだ。

参照されていた他の国を挙げると、米国が5年以下、フランスが2年以下、ドイツが3年以下、イタリアが3年以下、中国が3年以下、韓国が5年以下である。10年以下の国は無いのだ。

その中で、イギリスが10年以下だという間違ったデータが提供されていて、それに基づいて審議がされ、パブリックコメントさえ行われていた。

そして、その結果を踏まえて、法改正の提言を行う時点になって、イギリスも2年以下でした、と訂正がされたのだ。

さらに、その法制問題小委員会でも、その訂正について誰もとがめることは無く、最高10年以下の罰則を求める報告書が認められ、結局そのような法改正がなされてしまった。

結果として、日本は世界で一番著作権の罰則が厳しい国となってしまった。

当時は、権利範囲の拡大や、権利制限の縮小に対しては、とても危機感を覚えていたけど、罰則の強化についてはあまり意識が無かったので、大きな声で訴えることはしなかったのだが、今にして思えば、当時もっとこのことを強く訴えておくべきだったと後悔している。

10年以上前のことではあるが、裁量労働適用拡大で謝ったデータが問題になっている今こそ、改めて言及すべきでは無いかと思って、遅まきながら書いた次第である。

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