荒川アンダーザブリッジ 第8話

 高井がホモじゃなくて、本当によかった。
 えーっと、リクの会社の部下がやってきてドタバタする話。シスターは今一だが、マリアやシロの顔見せがなかなかツボに入った。マリアとか誰に対してもあぁなんだな。で、村長や星、ニノがこれまた自分を飾らないんだよ。むしろなんでシロはリクに合わせて会社員のフリをしたんだろう?。性格自体は変えてないのではあるが。
 うーん、結構ネタが散らばってて困るな。高井の想いとかには泣かせて貰ったし、リクの舞い上がる姿に微笑ましさを感じたり、星の振り回されっぷりがあまりに嵌っていたことに感心したりと、楽しませて貰った。ニノが今まで笑顔を見せなかったってシスターの台詞から、ニノの過去に興味が向くんだよな。なんでリクを恋人指定したのか、ニノからチューを仕掛けるってのはストーリーの流れから予想はできたんだけど、なんで抵抗無く行為に及べた*1のか?、ニノはリクに対して恋愛感情があって無表情なのか、それとも恋愛感情がほとんど無いのにもかゝわらず、ほぼ好奇心でリクと恋人になっているという状態なのかとか、色々考えさせられる。P子とかマリアには少女漫画的な恋愛感情を持たせているワケだから、ニノのあり方は単なる天然以上の意味がもたされているとは思うんだが。

*1:リクはファーストキスというナレーションが入っていたが、ニノには無かった。無かったから絶対そうだというわけでもないんだが、たぶんニノにはキスの経験がありそう

隠れた人材価値 (Harvard Business School Press)、読了。

 藤原直哉インターネットラジオで以前紹介のあった本で、最近もまた言及があったので、思い立って購入してみた。うーん、こういう経営の仕方もあるのかと、どちらかと言えばこの本に書いてあることを実践してみているつもりの自分にとってはなんか感慨の深いものがあった。そういう意味ではあまり新奇さの感じられないものではあるのだが、大規模に実施して効果のあるものかどうかは気にはなっていたので、得るものはあったと思う。著者も日本語版の刊行によせてで、合衆国も以前は日本式経営に学ぶものがあるんじゃないかと思っていたが、今や日本は(この本に書いてあるような)経営手法を取り入れるべきなんじゃないかと諭している。日本式経営のよさが合衆国に輸出され、そのときの合衆国の悪い手本を今まさに日本は輸入してしまっており、なんか神のいたずらというか、いや、日本の経営者による人災であることには間違いないのだが、時代の皮肉ってものを痛切に感じる。とりあえずAmazonの紹介より引用。

Amazon.co.jp
アメリカの企業経営については、日本のなかに紋切り型の理解が多い。冷徹なM&Aとリストラ、徹底した個人主義MBA信仰などだ。しかし「人間重視」「現場重視」「平等主義」で継続的に高業績を上げている会社もある。本書は、そうした企業に光を当てて成功の秘密に迫ろうというものだ。事例8社の徹底した記述が、ミステリーを読むようでおもしろい。
成功事例として取り上げられているのは、米航空業界の熾烈な競争を勝ち抜いてきたサウスウエスト航空、ネットワークの覇者シスコシステムズ、紳士用衣料チェーン店のメンズウエアハウス、ソフトウェア企業の大手SASインスティチュート、医療サプライ(医療機器、医療用品)販売業のPSSワールドメディカル、独立系電力会社のAESコーポレーション、トヨタGM合弁会社NUMMIの7社である。さらに、これらの7社と多くの類似性を持ちながら、必ずしも十分な成果を上げられずにいる事例として、半導体のサイプレス・セミコンダクターが取り上げられている。

著者によれば、成功事例の特徴は、社員の中に秘められている価値を引き出し、才能をフル活用している点だ。7社は社員参加、ロイヤルティー、仕事を楽しむセンス、低い離職率、高水準の財務実績という点で共通している。社員中心主義の価値観がはっきりと会社の基盤にあり、日常の細かい経営慣行がその価値観と一致している。

優れた人材を確保しても、卓越した「戦略」を立てても、それだけでは十分ではない。連続的な高業績を支えているのは、基盤におかれた強固な価値観であり、またそれを支える日々の慣行である、という。紹介された成功事例には、日本の企業経営に共通する点が多い。

本書は、読んでおもしろいという点で、かつての『エクセレント・カンパニー』に通じる魅力を持った本だ。AESのように、日本であまり紹介されない事例も含まれている。(榊原清則)


内容(「BOOK」データベースより)
容赦なきリストラ、頻繁に繰り返されるM&A、厳しい実力主義、たゆまぬチャレンジ…熾烈な競争を繰り返していると思われている米国ビジネス界に、一見どこにでもいる平凡な人が働いているのに、驚異の高業績をあげ続けている企業がある。これらの企業は、なぜここまで成長を続けられるのか。サウスウエスト航空シスコシステムズが成し遂げられて、リーバイスができなかったことは何か。このミステリーを解く旅に出かけよう。




内容(「MARC」データベースより)
実力主義、リストラ、転職といったイメージの米国において、ごく平凡な人間を有効に使って驚異的な実績を上げて市場に基盤を作り、成長を続けている会社を分析。

 面白いのは、事例になっている7社が、いずれも時代の最先端を行く技術で食っているという企業ではない。初っ端のサウスウエスト航空は、航空会社であるので、別に最先端の技術や経営技法を取り入れているわけではない。いわば「枯れた技術」の運用方法の工夫で収益を上げているらしいのだ。まぁこの本の原著刊行がもう10年以上も前なので、なかには業績不振に陥った企業もあるとは思う。現にGMトヨタの合弁企業であるNUMMIは昨年撤退が決まり、今年には活動が停止している。でもそれはNUMMIの業績不振というよりはGMグループ全体が破綻し、整理対象になっただけのようにも見える。
 もう一つ、特筆すべき点は、引用文強調部にある通り、特別才能に優れた社員をかき集めて業績を上げたわけではなく、むしろフツーの人を上手く動かして成果を出したというところだろう。紳士用衣料チェーン店のメンズウエアハウスなんてのは、日本で言えば洋服の青山だとかはるやまチェーンだったりするのだろうが、ここで雇われるのはむしろ落伍者に近い人々だったりする。
 まぁ読了した今、こういう手法が実際の市場競争でそれなりの実績を上げるのは、合衆国の環境があってこそなんだろうなという感は拭えなかった。今日なんて、何の縁かわからないが、こういうのhttp://d.hatena.ne.jp/nokuno/20101026/1288105003まで目にしてしまって、日本の経営者の病理の深さに暗澹たる気持ちになった。そして、合衆国なんてサブプラショックで失業率も高く、底辺層の民度なんて日本より低い感じを受けるのだが、その中でも業績を上げることもできるんだ(繰り返すが、10年前の事例なんで今はどうなっているかはわからない)と思うと胸が熱くなる。
 というわけで、前フリだけ。明日よりうだうだ感想を書いてみたいのだが、明日になったら萎えているかも。