Re:ゼロから始める異世界生活 第1話 後編

 盗品窟の雰囲気はまぁまぁかな。
 とはいえ、何かあったら役人に踏み込まれるんだろうから、もうちょっとひっそりしていてもよさそうな。しかも中は酒場でもやれるぐらいの広さと調度があるし。
 この作品特有の死に戻りが早くも。といっても原作でも早々と出してたからこんなもんだろう。で、自分がとあるサイトさんでお勧めということでネット小説原作を読んで鼻についたのがやはりこれ。シュタゲと同様、うまくいかなかったらリセマラというのはあまりにゲーム的に過ぎ、人生は一度きりというのを裏手に取るというのは今一好きになれない。やり直しがきかないからこそ今を必死に生きるべきという主張を空しくさせる。ネタバレではあるが、シュタゲがそれをどう克服しようとしていたかというと、やりなおしを繰り返させて主人公が乗り越えたい困難さにアクセントをつけるといったもの。死を繰り返せば繰り返すほど一度っきりの「生」の価値がどんどん目減りしていくという解釈が一般的だが、作者としては死の価値が下がらないうちに集中運用して事態の重大さを読者に刻み付けるのが目的だろう。いろいろな判断があろうが、自分としては一時の盛り上がりのために死を消費するというのはテキストライターとして避けて欲しいとは思う。
 で、この作品は死に戻りを何度かさせて尚、そのシュタゲにもあった困難を乗り越えるために何度も死に戻りをさせて主人公を絶望の淵に追い込むという展開があって、これが先駆者ならともかく、死の取り扱いにおいてインフレーションが起こる。2期あるのでおそらくそのシーンは取り入れるだろうが、そのへんどう描写するかはいちおう期待しておきたい。
 で、これ自体は自分でも評価しづらいのだが、その死に戻りのシーンの一部にいかにもゲーム的演出が施されていて、それはさすがにアニメスタッフの判断だろうから、その意図を図りかねるといったところ。というか、文句を言うぐらいなら視聴すんなよというのはあるが、原作に対する自分の評価はともかくとして、映像化におけるスタッフの技量は結構なものという気はしてる。絵のクォリティは高いが、そういう意味ではなく、原作より場の濃密さは表現されているのではなかろうか。以前述べたような気はするが、原作のキモは物語の軸に当たる部分であって全体のバランスではなく、情景描写がある意味スッカスカなので、残念なことに情景とキャラの二つの部分があるとすれば、情景と情景とキャラの間に横たわるものが欠落する。それをアニメでどう補うか?というのが自分がこのアニメに期待していた部分であったのだけども、今のところそれは見事に埋められているように感じる。