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2006-08-08

[][] 世界に一つだけのステージ 〜札幌ドーム〜  世界に一つだけのステージ 〜札幌ドーム〜 - さっぽろサイエンス観光マップ を含むブックマーク はてなブックマーク -  世界に一つだけのステージ 〜札幌ドーム〜 - さっぽろサイエンス観光マップ

北海道のスポーツ発信地、札幌ドーム。

ここではプロ野球、Jリーグの公式試合やコンサートをはじめ、各種イベントが行われています。

野球観戦の大好きな筆者は、よく札幌ドームへと胸をときめかせながらでかけます。

地下鉄東豊線 福住駅を出ると、その姿をすぐに見ることができます。

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  • なめらかな面が印象的なドーム(撮影:2006/7/25)

札幌ドームには世界でここだけの設備があります。

それを眺めるために入り口側の裏側に行ってみると、ドームに隣接する円形のアリーナ(オープンアリーナ)の中央で、大きなステージがひなたぼっこをしていました。

このステージが世界でここにしかない設備です。

ステージの大きさは85m×120mで、重さは8300t。

一般的な大人の体重を60キロとすると、だいたい大人14万人分もの重さです。

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  • 日の光をたっぷり受けるステージ(撮影:2006/7/25)

このステージ、普段はこのように外にあるのですが、サッカーの試合を行うときにはドームの中に移動します。こんなに大きなステージを、いったいどうやって動かすのでしょう。


■ステージの下の力持ち

実はこのステージ、移動するときに空気の力を借りています。

物体が空中に舞うことを英語でhover(ホヴァー)というので、このステージには「ホヴァリングステージ」という名前がついています。

私達の体や、周りにある全ての物体は大気に押されています。

この圧力のことを大気圧といいます。

海面での大気圧の大きさを1気圧とし、これはだいたい1kg/cm2です。

ステージにも、だいたい1気圧の大気圧がかかっています。

ステージの下には、ブロアと呼ばれる空気の吹き出し口が10個ついていて、

ブロアからは毎分200㎥の空気が吹きだされます。

空気がステージの下にたくさん入ると、ステージを上から押さえつけている大気圧よりも、ステージの下の空気圧のほうが大きくなります。

この仕組みは風船を膨らませるときを考えるとわかりやすいでしょう。

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  • 大気圧と空気圧のモデル


最終的にステージ下には1.09気圧、大気圧よりも約9%大きい空気圧がかかり、ステージ総重量の90%を支えることができるようになります。


■正確な移動は自動システムのおかげ

ステージの下にはブロアのほかにタイヤが34個ついています。

タイヤは普段収納されていますが、十分な空気圧がかかった後に地面に着地し、ステージを押し上げます。

f:id:mitotomo:20060806013521j:image*1

  • ステージが持ち上がるしくみ


空気圧で重量の大半を支えることができるので、タイヤや地面にかかる負担はぐっと軽減されます。タイヤだけで動く方法に比べて、タイヤも地面も長持ちし、経済的です。

大きく重いものをまっすぐ移動させる時はどうしても左右にずれてしまうものですが、ホヴァリングステージはタイヤについているセンサーの働きで200m直進しても左右のずれは5cm以下。大変正確に制御されています。

そのため正確に進むためのレールを敷く必要がありません。

レールを敷いてしまうと、ドームに人工芝を敷いて行われる野球や、沢山の機材を運び込まなければならないコンサートなどを行うときにレールが障害物になってしまいますが、

札幌ドームにはレールがないので、サッカーだけではなく色々なイベントが行えるのです。

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  • ホヴァリングステージが出入りする部分。下部のガラス部分が左右に開閉する


■世界に一つのステージを眺める贅沢

ドーム球場では、冬が長く雪の多い札幌でも天候に関係なくスポーツが楽しめます。しかしサッカーの公式試合は天然芝のグラウンドで行わなくてはならないというきまりがあり、そのためには太陽の光がふりそそぐ屋外にグラウンドがなければなりません。

この両方の条件をクリアするために考え出されたのがホヴァリングステージでした。

外で芝生を育て、試合のあるときだけドームの中に移動させることが可能になり、課題を克服しました。

ホヴァリングステージがなければ札幌ドームで今のように色々なスポーツやイベントを楽しむことはできなかったでしょう。

可動方式の違う動くステージはドイツやオランダにもあるそうですが、空気の力で持ち上げられて移動するステージは、世界中で札幌ドームだけにあります。

(文・写真:宮本朋美)

【公式サイト・アクセス】

施設概要のページでホヴァリングステージ移動の動画を見ることができます。

市営地下鉄東豊線 福住駅下車 3番出口より徒歩10分

  • ドームではアテンダントの方が施設を案内してくれる「ドームツアー」が催されています。運のいいときはホヴァリングステージの移動が直に見られるかもしれません。

【協力】

株式会社 札幌ドーム

川崎重工業株式会社

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*1:シール部:ステージ下に入れた空気が漏れないようにしている部分

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