2008年に“起こらない”10のあれこれ
“なんちゃって翻訳”、今回はBusinessWeekをオカズに、英語に挑戦です。
高校漢文のあやしい知識しかない中国語と違って、英語は中学高校と6年間
勉強している(大学では結局、数えるほどしか出席しなかったけど)……
ハズなのに、さっぱり分からん。
なにが書かれているか、ちゃんと知りたい方は元記事をご覧ください。
間違いはご指摘ください。
2008年に“起こらない”10のあれこれ
——専門家たちは早々と新年の予測を発表しているが…ちょっと違う観点から——
BusinessWeek/Dcember 26,2007 by Ronald Grover
さて、来年を予想する時期である。
予想屋たちは我勝ちに2008年に起こるあれこれを長ったらしいリストで出してきた。
曰く、ルパート・マードックの買いはコレだ、だれがトップの座から引きずり下ろされるか、
最高にホットな発明はなにか。
ここでは、それらとはちょっと違った観点から2008年を眺めてみよう。
そのことにたいした理由があるわけではないが、なに、これはわたしのコラム欄だ。好きにやるさ。
題して「2008年大予想の毒気にまだあてられていないひとのための2008年ハズレ予想」:
1-脚本家のストライキは敗北に終わる
わたしが脚本家だとしたら、わたしが真に望むのは、脚本家がその生み出したものによって
得るべきものを得ることであって、カネのありあまる新興メディアについてだれも聞いてくれも
しないような理屈を述べることではない(あ、いや、BusinessWeek編集者は聞いているかな?)。
しかし率直に言って、8週間におよぶ全米脚本家組合のストライキは、メディア上で本質から
ずれた問題として論じられることで、ひとびとには受け入れられないものとなってしまった。
このストライキは本来、インターネットや他のデジタルメディアで配信されるテレビ番組から
脚本家が合法的に利益を得られるかどうか、が争点だった。
しかし製作会社側はすでに2009年放映分の番組はストックしており、
再放送を従来のケーブルチャンネルからオンライン配信へとシフトすることで
脚本家に支払う報酬を節約しようとしている。
そしてディレクターが「親の総取り」を目論むことはよくある話で、
それが今回の騒動のそもそもである。
その結果は? 製作会社は脚本家組合よりも合意が容易なディレクター組合と
——おそらく新年1月中には——合意に達し、脚本家はパン屑にありつくのだ。
デジタル化の小さな恩恵として。
2-ドリームワークスは結局、パラマウントとは訣別しない
OK、わたしが、スティーブン・スピルバーグはパラマウント・ピクチャーズとの契約に
嫌気が差して飛び出すだろうと書いた最初の1人であることを認めよう。
そして実際、2008年末にはそれが可能だろう。
しかし、スピルバーグのビジネスパートナー、果てしない想像力の持ち主デビッド・ゲフィンが、
別のプランを温めているようにも思われる。
確かにスピルバーグは(ユニバーサル・ピクチャーズの親会社の)NBCと接触を持つだろう
——彼はすでに、NBCの親会社のゼネラル・エレクトリックCEOジェフ・イメルトと
ディナーを共にしたことが公になっている——。
しかし腹立たしいことにゲフィンは、2005年にドリームワークスSKGがパラマウントに買収された
ときにも売り渡さなかったアニメーションスタジオ(ドリームワークスアニメーションSKG)の買収を、
パラマウントの親会社であるバイアコムの会長サマー・レッドストーンに持ちかけているのだ。
3-アップルはテレビ番組をつくらない
スティーブ・ジョブズは、やってみないことはないだろう。
しかし最も大きな動きは、この秋、アップルTVがその弱点を改善して、
インターネットで配信されるコンテンツをテレビにダウンロードすることを、
よりエレガントにしてくれることだ。
ジョブズはアップルTVで映画を封切り公開する多くのハリウッド・スタジオをラインアップしている。
これまでは、メジャースタジオのうち、ウォルト・ディズニーだけがラインアップされていた。
もし、テレビとコンピューターの融合をどのようにすべきかを知るためにだれか1人に賭けるとすれば、
それは“ひげのある人物”だろう。
しかしジョブズは、ひとびとはインターネット上で無制限に映画やテレビ番組を見たいと
思っているわけではない、という事実を受け入れている。
だからこそ、ケーブルテレビが普及しているのだ。
4-「Juno」はアカデミー賞を獲れない
10代の妊娠を描いたこの低予算コメディを観たひとは皆、わたしがこの映画について
語っていることを知っている。
この映画はエレン・ペイジがスターとして大きく成長したのと同じくらい、
ひとのこころの温かさと、魂と心情を大きなものにしてくれる。
ジェイソン・ライトマンが2500万ドル足らずという、いかにも非ハリウッド的な制作費で
つくったこの映画には、あなたが映画に求めるもののすべてがある。
“月を越えるほどに”素晴らしい。
しかしアカデミー賞選考委員はしばしば、「ロード・オブ・ザ・リング」のような重厚さや、
出演スターのパワーを選ぶものだ。そのどちらも、この映画にはない。
昨年、愉快な小篇「ミス・リトル・サンシャイン」がノミネートされたこと、また
「ジュノー」もすでにゴールデン・グローブ賞にノミネートされていることからも、
わたしの予想ははずれるかもしれない。
でもやはり、だれもがこぞって観にいくのは、
ワーナー・ブラザーズ「アメリカン・ギャングスター」のような、
超ど級の娯楽大作なのだ。昨年の「ディパーテッド」のように。
5-Googleはメディア企業を買収しない
ここ数カ月の時代の趨勢は、メディア企業を買収するための超高値を呼ぶ株と
山ほどの現金を持つインターネットの巨人を生み出した。
おそらく、MGMのような映画製作会社や他の企業には、グーグルがその“新たなる力”を駆使して
現金化することのできるお宝が眠っている。
さて、ここで問題。なぜグーグルはそれらメディア企業を買収しないのか?
グーグルはすでに、望みのままにあらゆるコンテンツを抽出することができるではないか。
地球上の、どの企業よりも多くの“眼球”によって。
なぜ、それをだいなしにしてまで、テレビの新番組や映画をつくってカネを失うようなことを
するだろうか? グーグルは、そんなことをするには、あまりにスマートだ。
6-インディ・ジョーンズは2008年最大の作品とはならない
米映画のドル箱、スティーブン・スピルバーグとジョージ・ルーカスが19年の沈黙の後、
2008年に再び蘇らせる米映画の古典に賭けるには、ちょとキビシイ。
かなりの興行収入になることは認めよう。2億ドルはいくかもしれない。
しかし2008年は、ディズニー「ナルニア国物語」の続編、パラマウントからは
マーベル製作・パラマウント配給の第1作「Iron Man」など、潜在的超大作が目白押しだ。
スピルバーグ、ルーカス、そしてハリソン・フォードが戻ってくる。
5月22日、「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」のリリースには、
派手な宣伝が繰り広げられることだろう。
しかし、少々懐かしくなり始めたように見えるのは、一人ハリソン・フォードだけだろうか。
7-ケイティ・コーリックは辞めない
“やじり屋”はすでに去った。
NBCの朝のニュース番組「トゥデイ・ショー」の前キャスターが発する耳障りな「シュ」音は、
いまやさらにひどくなって、「CBSイブニングニュース」へと引き継がれた。
同番組のいくつかの問題点は、彼女のせいではない:
スタジオの新しいセットは、んー…まったく魅力がなく、堅苦しいフォーマットは、
陽気なテレビ人として持って生まれたケイティの才能にはそぐわない。
かてて加えてCBSのレスリー・ムーンベスCEOは、失うことを嫌い、
敗北を認めることをさらに嫌う。
彼の堪忍袋の緒が切れるまで、ケイティはそこらへんをうろついているだろう。
ま、2009年かな。
8-ディズニーとピクサーの内部分裂はない、その3
ディズニーCEOボブ・アイガーの批判者は、彼が2006年にスティーブ・ジョブズの
ピクサー・アニメーション・スタジオを70億ドルという高額で買収して以来、
その強力な関係を打ち崩すチャンスを待っていた。
「レミーのおいしいレストラン」公開時の、ピクサーらしからぬ出足によって、
昨年はまさにその年かと思われた。
しかしこの作品は当たった。客足が伸び、6カ月間の公開で全米では2億ドル、
全世界でさらに6億ドルの興行収入を上げた。
今年のピクサー作品は、ロボットを描いた「Wall-E」。
「ファインディング・ニモ」のディレクター、アンドリュー・スタントンの作品である。
内部分裂なんて、ありゃしないさ。
9-どっこい死なない、フォックス・ビジネス・ニュース
フォックス・ビジネス・ネットワーク(FBN)がスタートして3カ月、
ちゃんと動いてるじゃないか。
アナリスト間では、CNBCはFBNを過大評価しており、マードック・アンド・カンパニーは
予想以上に資金を失うことを怖れているのだ、と言われている。
カネを失うことを怖れるって? あのマードックが?
は! ニューズ帝国の住人はCNBCを買収するのに3億ドル以上かかると見ており、
加入者数はCNBCのせいぜい半分にすぎないが、マードックは大きな挑戦が大好きで、
いま目の前にそれがあるわけだ。
彼が今年よりも多くのケーブルテレビを傘下に引き入れ、そのうちの1つか2つが加入者数を
爆発的に増やし、強大な相手を手に入れるという野望を成し遂げると想像してみよう。
いまや加入者数でフォックスTVに抜き去られたCNNがかつてフォックスをみくびっていたことを、
思い出してごらん。
10-ハリウッドで最初に売りに出されるのは、MGMではない
MGMは、まだまな板の上には載っていない。いずれそうなるのだが。
MGMを所有するプライベート・エクイティ・ファンド(プロビデンス・エクイティ)は
MGMを立て直すために(そしてその後売るために)ハリー・スローンをCEOに就任させ、
売り先を探している。
有力候補はケーブルテレビ大手のコムキャストだ。
コムキャストはすでにMGM株の20%を所有しており、衛星放送や電話事業に頼らない
新しいビジネスを開拓しようとやっきになっている。
しかしスローンは、1年以内にMGMを売ってしまう準備ができていないようだ。
それまでマーケットにMGMがあることを祈って、独立系の映画製作会社大手である
ライオンズ・ゲート・エンターテインメントに期待しよう。
ライオンズ・ゲートの配給作品にはホラー映画「Saw」や、
俳優・プロデューサーのタイラー・ペリーがかかわった作品もあり、
8100本以上のタイトルを安く買えるのだ。
http://www.businessweek.com/bwdaily/dnflash/content/dec2007/db20071226_465312.htm