英FTが報じる「中国漁船衝突ビデオ流出」

Video leaked of Sino-Japanese boat incident


中国漁船と日本の海保巡視艇の衝突のビデオ映像がインターネットに流出したことによって、
東アジアをめぐる緊張がますます高まるだろう。


この映像は、日中間の政治的、文化的、経済的交流上の混乱を拡大させる、近年最悪の
事態である東シナ海の係争水域において9月に起こった事件の模様である。


2隻の海保巡視艇に船を衝突させて逮捕された中国漁船船長Zhan Qixiongを
日本の検察が釈放したにもかかわらず、日中関係は正常に戻っていない。


日本政府は信憑性に疑義を唱えているが、この映像は係争中の尖閣諸島
(中国名:釣魚群)海域での当初の日本の主張を裏付けるもののように見える。


YouTubeに投稿された映像では、日本海保が中国漁船に中国語で「日本領海内での活動は
許可されていない」と警告し、速やかに退去するよう命令している。


中国漁船は魚網を引き上げる間は位置を動かないが、網を引き上げると始動し、
自船よりもはるかに大きな巡視艇の後部に故意に衝突し逃走する。


別のセグメントでその漁船は、停船命令が繰り返されているにもかかわらず高速で航行し、
明らかに針路を転回して別の巡視艇の舷側に衝突している。


「おい! 停まれ! 来るぞ!」
「フタマルゴオロク(20時56分)*、該船は本船みずき右舷船尾部に衝突してきた!」
  (ヒトマルゴオロク=10時56分=の誤り)


ビデオ流出源を調査中であると政府が発表したのは、まさに政府がごく短く編集した衝突ビデオを
限られた国会議員に見せることを渋々承知した数日後のことだ。


日本政府はこれより前、衝突ビデオの公開は無人だが潜在資源の豊富な尖閣諸島を巡る
中国との摩擦を再燃させかねないとの懸念を非公式に表明していた。


尖閣諸島は古くから中国領であると主張する中国政府は、中国漁船船長の行動は
この係争上の事案であるとする申し出を当初からはねつけている。


「日本の巡視艇は中国漁船の操業を妨害し追い出し、周囲を取り囲んで拿捕した。
それは本来違法であって、中国の主権、正当な権利、中国漁民の利益を著しく犯している」
中国外交部のスポークスマンは今週、このように述べた。


「“衝突ビデオ”は事実を曲げることも日本の違法行為を隠蔽することもできはしない」


中国ではYouTubeはブロックされているため、中国のインターネットユーザーはしばしば、
動画コンテンツを国内のビデオサイトにアップロードする。


金曜朝、SinaとQQ Newsという主要な2つのニュースポータルサイトで衝突ビデオの一部が視聴された。


中国内のビデオサイトKu6ではYouTubeに投稿されたすべての映像を見ることができたが、
それはすぐに削除された。


その後も視聴できたのは、香港に拠点を置くPhoenix TVのニュースレポート番組での
短いバージョンだけだった。


Ku6には、中国漁船に肩入れする、あるいは漁船船長を賞賛する
中国インターネットユーザーのコメントが残されている。
「グッときた!」「よくやった!」


http://www.ft.com/cms/s/0/efedbc14-e8af-11df-a383-00144feab49a.html?ftcamp=rss#axzz14Qdc5cdv