nuanceという音声認識の会社 〜日本は人工知能でまた負ける

nuanceという音声認識の会社があります。
SIRIの音声認識に使われているとの噂の企業です。


この会社、ゼロックスが買収、その後スピンアウト、企業買収で大きくなった会社みたいです(GUIと良いゼロックスは時代を引っ張ります。事業化できないけど)。この会社2012年度の売上が1000億円を超えたそうな。
http://www.nuance.com/ 


第2のGOOGLEになるかもしれないし、ならないかもしれない企業です。


日本の同業者の売上が20億円以下のはずなので、規模がもう全然違う。
研究開発費の差でもう日本企業は追いつけないかも(もしくはガラパゴス化)。


国家予算で、1億円、2億円つけたところでもう追いつけない。
今年から、年100億円出せば追いつけるかもしれないけど、10年後に年百億円ではもう追いつかない。


1000億円の売上があると言うことは、多少、ライフスタイルやワークスタイルで影響があるはずだ。
アメリカは声を録音して、その後文章を起こすスタイルがあるので日本人には意味が見えにくいのかもしれない。売上の2割?が医療部門らしいので、どんな風に使っているのだろう。
アメリカの社会の変化は徐々に進むだろう。


現状では総合的には人間の知性には及びませんが、問題を限定すれば人間の知能を一部上回る面もあります。
画像認識や音声認識などのインタフェイス面での改善もあり、急速に利用範囲を増やす前段階にあります。

そのため、現在、世界で人工知能の研究が再度ブームになっています。
どうにも、日本はまだブームになっていませんが。
NTTコンシェルジュは頑張っていますが、第2のGOOGLEになるか、それともGOOの二の前になるか。


ITを使った通販というビジネスモデルを模倣するはまだ容易です。
しかし、技術と規模を模倣するのは容易ではありません。
結局日本には、GOOGLEを模倣する企業はありません。


どうように、人工知能も後追いで模倣することは非常に困難であると考えられます。


日本ではビッグデータが話題になっていますが、AIはあまり話題になっていない。
既存の大企業が対応できていないのためです。そのため、話題にしても旨味がない。


今後、ITのIが情報(インフォメーション)から知性(インテリジェンス)に変わるのですがたぶん日本は付いて行けない。
気がついたときはもう遅い。ITプラットフォームがアメリカに抑えられたように、新ITプラットフォームもアメリカの勝ちだろう。


【スーパーコンピュータ京】
 京は世界最速のスーパーコンピュータですが、安くて早い方法が他にあり、京自身は非常にコストパフォーマンスが悪いものです。
 なぜ、そうなのかと言うと、CPUを独自で開発するなど、高速かと関係ないハードにお金を大量に使っているためです。
 大量のお金を使っても、出来上がったCPUの速さはインテルとたいして変わらなかったりします。


 それより、問題なのは、ソフトウェア開発に多くの予算がつかないこと。
 第5世代コンピュータで痛い目に遭ったのは判りますが、あまりにも少なすぎる。
 あと数年経つと、予算を付けても追いつかなくなるので、この数年が正念場だろう


 とは言っても、役所も会社も、日本社会も理解できない。


 GOOGLEという検索エンジンビジネスが巨額の富を生むと判って(GOOGLEが大きな利益を出して)、大航海プロジェクトだの日本版GOOGLEを作るなど、言い始めましたが。その段階でGOOGLEは数百億円の利益と、数百億円の研究開発費・設備投資を投入しており、数十億円程度投資したところで、どうにもならない状態でした。


 同じことの繰り返しですね。


PS
 恐ろしいことに、アメリカに挑戦できるのは、中国でしょう。
 中国はバイドゥという独自の検索エンジンの世界を創りましたし(技術的には劣りますが)。
 共産党が、人間の知性以上のAIを生み出し、それに対して愚かな命令をしたとき、何が起きるのか。恐ろしい気がします。
 ロボット三原則なんて持ったら、反乱者を殺せないので、ロボット三原則なんて持たせないでしょう。
 狂人の心を持った人間以上の知性を持ったものなんて、悪夢以外の何物でもないでしょう。