トランプ大統領が連邦法人税を35%?から15%?に減税するそうです。
確かに、アメリカの法人税はヨーロッパなどに比べて高いですが、減税に夜財源不足が心配されています。
■法人税と消費税(付加価値税)
日本の場合、法人税と消費税(付加価値税)はリンクして議論されることは少ないですが、実際は結構リンクしています。
法人税が利益にかかる税金に対して、消費税(付加価値税)は企業の活動、付加価値にかかります。
赤字だろうと黒字だろうと、ビジネスをしていれば、税金を取られるわけです。
ヨーロッパでは、消費税率が10%〜25%と高税率な一方で、法人税は低くなっています。
一方、アメリカは連邦消費税がありません。
その結果、法人税が高くなっています。
が、トランプは一面しか見ず、ヨーロッパ並の税率にしようとしています。
消費税は、逆進性というか低所得者の税負担を重くします。ヨーロッパですと社会保障の整備でカバーします(大きい政府です)。
しかし、アメリカ人は大きい政府が嫌いですので、社会保障でカバーという選択肢はなかなか選ばれません。
(トランプの共和党は特に小さい政府志向ですので)
■消費税と国境調整税?
商品が結果として輸出される場合、企業が材料代・経費などで払った消費税は、国から払い戻されます。
例:商社が108万円で国内で仕入れた商品は、8万円税金が返されて、100万円で輸出することが可能になるわけです。
逆に輸入品には消費税が追加されます。
例:商社が100万円で海外から仕入れた商品は、8万円消費税?国境調整税?がついて、108万円になります。国?に8万円入るわけです。
国境調整税?と呼ばれるものらしいです。
法人税の場合、輸出したからといって、国から払い戻されることはありません。
例:法人税8万円、合計108万円の商品は108万円で輸出される。
逆に輸入の場合、製造で得た法人税は製造元・輸出元の国に入ります(国内に入ってからの利益は国に入りますが)
例:輸出国法人税8万円、合計108万円で輸入した商品では、8万円は輸出国の税収になる。
法人税と消費税を比べた場合、消費税の方が安く輸出できる(価格競争が有利になる?)し、商品を輸入しても税収が入ります。
また、国産品も輸入品も税金的には公平な訳です。法人税が高い場合、税負担分、国産品が不利に見えます。
個人的にはアメリカも連邦消費税導入したらと思うのですが、小さい政府志向が邪魔をして導入できない訳です。
せめて、国境調整税だけでも・・・となるのですが、消費税ではなく法人税で調整しようとした場合、複雑怪奇な制度になるので、現実的ではありません。
もっとも、トランプの国境調整税は、本来のものと全く別物なのですが・・・・