90年代ロシア経済は崩壊しました。
しかし、それはソ連の経済低迷とは別の原因です。
ごちゃごちゃにする人が多いので困ります。
90年代のロシア経済の崩壊は、システムの崩壊です。
システムが崩壊したので、物々交換(バーター取引)が行われていたレベルです。
ルーブルも信用度が低く、ロシア国内でドルが流通するレベルです。
なぜ、そうなってしまったのか?
原因はいろいろありますが、
まともな金融システムがないし、人材もいないのに経済システムを変更したためです。
自由主義・市場経済の国では、銀行が企業を審査してお金を貸し出します。
対して、共産主義や社会主義経済では、国営企業・公営企業ばかりなので、銀行の審査も形ばかりです。その制度があるかすら怪しいレベルです。
共産主義・社会主義の時代は、不渡りは前提にないので、買うことも売ることもできます。
発注をすれば質や量、納期はメチャクチャですが、とりあえず商品来るわけです。
また、買ったからといって金欠になることもありません。
個人レベルでも、電気ガス水道は使い放題で無料、集中暖房です。当然、メーターなんてありません。
自由主義・市場経済では、そうはいきません。
不渡りが存在します。
商品売りました。でも、お金が入って来ませんは十分考えられるのです。
市場経済に以降しますと言っても、取引先の企業の信用度が不明なわけですから、買うことも売ることもできません。
金融システムを機能させようにも、どう制度を運用したら良いのか判っている人材がいません。
金は天下の回りものと言いますが、お金が回らないのです。
しかも、そのお金の信用度も低いです。
当然、物も回りません。
部品が来なければ、完成品は作れません。素材がなければ部品も作れません。
何にも作れなければ、売り物もありません。
悪循環のスパイラルです。
毎年のように経済がマイナス成長になります。
これが経済の崩壊です。
さらに事態を悪化させたのが、共和国の独立です。
ソ連時代は分業体制だったのに、部品や素材が来なくなったのですから、生産は崩壊します。
個人レベルでみた場合、当然、電気ガス水道も有料になりますが・・・メーターがありません。そしてメーターを測る人もいません。庶民はそもそも金がありません。多くの家庭は止められたみたいです。
ソ連時代はガス使い放題だったのに、マッチとマキの世界です。
■自由主義・市場経済に移行すれば、全てが上手くいくという幻想。
共産主義・社会主義がすべて悪い。
自由主義・市場経済に移行すれば、全てが上手くいくという幻想を持って、経済システムを変更。
人材もいない。制度も整備されていない、商習慣もないので、当然上手くいくはずもない。
結果、ソ連時代以下に生活水準は低下して、西側以上に貧富の差が激しい弱肉強食の世界へ。
この手の勘違いは、現在の日本人も行うのでシャレにならない。
■中国経済の崩壊
中国はすでに市場経済に移行していますので、ロシアと同じシナリオで悪化することはないでしょう。