2012-02-06
耳の力を鍛えることなく、正しい発音でしゃべれるのか。
私が川合メソッドで教え始めたころ、発音は誰かに教わるもの、直してもらうものと言う考え方が一般的でした。(今でも一般的でしょうか?)
それで私は、生徒さんに、「自分の発音と、モデルの発音を聞き比べて直すとき、そのあと、先生が直してくれると思わないで下さい、誰も直してくれない、だから自分で直すのだという気持ちで聞き比べてください。」とお話しました。
本当に「誰も直してくれないから自分で直す」と思うと、耳はすごい力を発揮してきます。まるで、非常事態宣言が出たみたいに、集中して音を聞こうとするんですよ。
レッスンが進んでくると、生徒さんは急に上手になります。なぜかとたずねると、「川合先生がどこを直すか大体わかってきました。」と言います。(私が直すのは子音が聞こえないところ、母音がその音らしく聞こえないところが多いです。)
私はそれはとてもいいことだと思います。私が直すところを知って、そこを自分で、聞き比べて、同じに聞こえるように練習してくるのですね。回を重ねれば重ねるほど生徒さんの耳の力は上がってきます。すごくうれしいです。
私が最近思うのは、耳の力を鍛えることなく、口で発音する音だけを上手にできるのだろうか? と言うことです。
目標とする発音と今の自分の発音の違いを本人が聞いてわかっているから発音を直していけるのではないでしょうか。
先生が生徒さんにモデルの発音と生徒さんの発音を聞かせて、「違いはここです。」と教えてあげれば、生徒さんは自分の耳で違いを認識できるようになります。今まで耳で認識できなかったことが聞こえるようになります。聞く力が開発されてきます。そうすると、どうやって正しい発音をするのか自分でわかってきます。
自分の耳で認識できたことは、自分の発音に反映できるのです。
耳で聞く力と口で発音する力とは密接に関係しています。言葉をしゃべる上で、聞くことと話すことは切り離せない関係にあります。
発音は先生が直してくれるから、自分は言われたとおりにやっていればいいと生徒さんが思っていたら、生徒さんの耳の力はまったく開発されることはありません。
私は以前、「アメリカにいたとき、英文法は理解していましたが、どのように教えるのか興味があって、外国からアメリカに来た大人向けの英文法のクラスに出席したことがある。」と書きました。(1月23日のブログ「覚えてほしくない言葉ほど、よく覚えている。」)
その授業に出席したとき、先生から、「初めて、なまりのない英語を話すESL(English as a second language) student に会った。」と言われました。そして、「君は、耳がいいんだね。」と言われました。(そのとき、先生の周りにいた生徒たちが「ノリコは、口の動かし方がうまいんじゃないの?」 と、口々に言うと、この先生は、「いや、発音が上手になるには、よく聞けていないとだめなんだよ。」と説明していました。)けれども、私の耳はほかの人に比べて特別に、いいわけではありません。
特にこのごろは夫から、「ママは、最近、声が大きいし、家族が何か言っても一回じゃわからなくて、もう一回聞きなおしてくることが多い。耳が遠くなったんじゃないか。健康診断で、聴力検査をちゃんとした方がいい。」と、言われます。それでも生徒さんの送ってくる英語は聞いた瞬間に、発音の違うところはわかります。
なぜ、それができるかと言えば、何回もそれをやってきたからです。中学生のときから40年間、何千個、何万個と言う音を聞き比べてきたからです。ですから、先の英文法の先生の言葉は「君は、耳がいいんだね。」ではなく正確には「君は、音をよく聞いているんだね。」と言うことですね。
一回違いを耳で認識するごとに耳の力は上がります。最初は「声が大きい。声の大きさが違う。」ぐらいしかわからなくても、それを「違い」と認識したときから、耳の力は最初とは違います。「違いを認識する」訓練がなされたからです。あとは同じ訓練の延長線上の活動です。回を重ねるごとに上手になっていきます。
つまり、川合メソッドは、回数を重ねていくことができる人は、みんな発音が上手になっていくメソッドなのです。
聞く力を鍛えてください。耳の力を鍛えないで、発音をよくすることはできません。耳で認識できない音は口で再生できません。発音習得のためには口だけでなく、耳も一緒に鍛えてください。
録音した自分の英語を聞くと、どんなに偉い先生にアドバイスしてもらうより、多くのことがわかります。
**** 初めてこのブログにいらした方へ ****
(1)以下のブログを読まれると川合メソッドの理解の一助になります。
2011年7月8日 機械に発音の判定をさせるということ
2011年8月15日 シャドウイングその2
2011年9月25日 OL時代
2011年10月7日 萩原先生の一言
2011年12月1日 大事なのは正確な発音
(2)英検一級の2次試験の勉強は下のブログが参考になります。
2011年12月11日 英検一級の2次試験とNHK「クローズアップ現代」
(3)英文読書、速読については下のブログが参考になります。
2011年6月17日 英語「を」学ぶ。英語「で」学ぶ。
2011年10月19日 速読について
(4)帰国子女の日本語習得、読書指導、英語維持については下のブログが参考になります。
2011年7月1日 担任の先生に聞いてみましょう。
2011年7月5日 まったく本を読まない息子に困りました。(第1回)
2011年7月13日 まったく本を読まない息子に困りました。(第2回)
2011年7月20日 まったく本を読まない息子に困りました。(完結編)
2011年10月17日 帰国子女の英語−帰国後の英語維持について。
(5)子育て中で英語を勉強している方に参考になるブログ。
2011年8月4日 お金はなくても英語学習は出来る。
2011年8月23日 英語の勉強をあきらめた日
2011年11月9日 練習を続けること
2011年11月20日 練習時間を作る工夫
(6)3ヶ月で英語がぺらぺらになる方法を探している人へのブログ。
2011年10月3日 3ヶ月でぺらぺら
(7)簡単なカップケーキの英語レシピ
2011年11月26日 チーズケーキ
(8)不思議な出会いの経験を書いたブログ。
2011年11月13日 特急電車のおばあちゃん
(9)女性の勉強会の経験を書いたブログ。
2012年1月11日 平凡なことを続けると非凡になる。
(10)Sの発音の仕方については。
2012年2月1日 Sの発音
2012年2月2日 Sが単語に入ったときの発音の仕方
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