川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

発音練習の時、落としてはいけない音

私はニュースや映画、ドラマ、ラジオ番組などたくさんの英語を聞くようにしています。  いろいろな場合に言われる英語をたくさん聞いていると、分かってくることがあります。  それは、

どんなに細かい音でも落としてはいけない音があるということです。
どんなに小さな音でもその音を言わないと正しく通じなくなる音がある、ということです。
私が発音練習は静かなところで行ってください。  教材は、どんな小さな音でも聞こえるように、バックにガチャガチャ音楽がなっている教材は使わないでください。と言うのはこういう理由です。

たとえば、Wの音がそうですね。  
単語の最初のWはあとの音が省略されても、Wが小さくひとつ聞こえるだけで、そこにWe がある、 Would がある、 Where がある。  と映画のせりふなどでは前後の関係からわかるような言い方になっています。  「ウ」とWひとつの音ですが、聞き取る場合も、発音する場合も非常に重要なんですね。 

発音練習で使う英文で、WひとつでWould や We や Where  をあらわすような例文は相当上級にならないと出てきませんが、初級のゆっくりな文章から、このWを文中できちんと言えるように練習しないと、上級になって速い文章で明瞭なWの音はいえないです。 

初級の時に、Would のWを日本語の「わたしは」の「わ」と同じに発音していると上級になってもWの音が良く聞こえない発音になります。  だから初級の練習は非常に大事です。  初級の発音練習で、Wが出てくるたびに毎回、力を入れて唇をすぼめて、Wの音を明確に発音してきた人は上級になっても良く聞こえるWがすらすら発音できます。  

こういう体験を踏まえて、川合メソッドでは、ナチュラルスピードで話すようになった私が、「これは、日本人は初級の時から意識して練習した方がいい」と分かったことを、しっかり練習できるように本やDVDで説明してあります。  このポイントに気付いて練習するのと、知らないで練習するのでは、上級になった時の発音がぜんぜん違います。

日本人がスピードを上げたり、滑らかに発音しようとすると聞こえなくなる音は、大体、日本人が苦手な音です。  ですからこういう音ほど、毎回きちんと練習しなくてはいけない音です。  そういう音が出てくるたびにしっかり聞こえるように練習することは非常に重要です。  それをしないと上級になった時、やっぱり、日本人が苦手な音が良く聞こえない発音になってしまいます。 

発音練習では細かい音だから重要でない、ということはありません。  初級、中級、上級どのレベルでも「お手本で聞こえた音は同じに言う」という姿勢を貫いてください。  その基本に従って練習していれば、日本人が苦手な音もナチュラルスピードで、明瞭に言えるようになります。  

私はいろいろな生徒さんにレッスンの時、何回も次のように言います。
「”お手本が落として発音している音だから自分も発音しませんでした。”  
それは結構です。  でも、
”お手本は発音しているけれど、自分は言いにくかったから音を落としました。”  あるいは
”明瞭に発音できませんでした。”  
これはだめです。  
どんなに細かい音でも言いにくくても、お手本が落としていない音はいつでも私に聞こえるように言ってください。  最初は滑らかにいえなくても、そこで準備にどんなに時間がかかっても結構です。」
これをしないで、速く言ったり、滑らかに言ったりしていると、上級になった時に、その言いにくい音が、不明瞭な発音のまま残ります。  発音練習の時には、「いつでも、必ず正確に発音する」と言う意識を初級から上級まで一貫して持ち続けます。 

最初の頃は、完璧にできない音がありますね。  そういう時、どういう風に生徒さんを指導しているか、明日書きます。

ポイントとなるのは、
生徒さんの意識の中に、「初級から一貫して正確な発音をすると言うことに関して例外を作らない」
と言うことです。


* * * 発音練習について * * * 
発音練習の基本となる「音を聞く力」をつけるにはどうしたらよいか。  それはポイントを絞って、聞くことです。(11月2日のブログを参照してください。http://d.hatena.ne.jp/creato-k/20131102)  そのポイントがどこか、については、私のDVD(基本の音)と2冊目の本(N,Sなど個々の音)で解説しました。

なお私の本は発音の本ですが、読む、聞く、書くについても解説しています。  これは「発音の口の形を覚えるだけでは、自分の言いたいことを英語ですらすらしゃべれなかった」と言う私の体験に基づいています。  私は、言いたいことが英語で頭に浮かんでくるようになったとき、英語ですらすら話せるようになりましたので、そのために私がしたことを書いてあります。



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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)




高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  私はとても困っています。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。