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川合典子ブログ

2015-02-01

「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」付属CDトラック6 例文 Where’s my bag? 川合典子には生徒のWの発音はどう聞こえたか。

私は2冊目の本「続・英語発音、日本人でもここまで出来ます。」で、生徒さんと私の発音の違いを説明しました。  いずれも音の微妙な違いなので、読者の皆さんは「こんな微妙な違いを直すことに何の意味があるのか」と最初は思われたことと思います。

けれども3冊目の本「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」で、子音の日本語化を知った方は、「発音が通じる、通じない」を決定する音の違いは、違いの大小ではなく、「相手がその音と認識できる特徴が発音に出ているか、いないかできまる」ということをご理解いただけたと思います。  微妙な違いであってもそれがその音を決定する特徴にかかわるものだと通じなくなります。

2冊目の本で説明した、生徒さんと私の発音の違いの中で、最も分かりにくいのが、CDトラック6(本の148ページ)のWhere’s my bag? のWの音ではないかと思います。  生徒さんのWの音はWの口の形をしてもそこで息を送って音を出していません。  本来なら、そこで、唇を小さくすぼめて、息を送って「ウ」という音が聞こえるはずなのですが、その音が出ていません。  生徒さんの発音では、そこでただ、低く唸るような音が出ているだけです。  Wの音が、どこにも聞こえないので、私にはわかりにくかったのです。

彼女は「ネイティブからも、Where という言葉がわかりにくいと言われた」と言っていましたので、ネイティブも私と同じに聞こえていたのです。 

生徒さんが、「本来Wが聞こえるはずのところ」で出している、低く唸るような音は一瞬で終わってしまいますので、皆さんにはとらえにくかったと思います。  そこで、その部分を長く拡大して、「私には生徒さんのWの音がどう聞こえたか」をここで再現してみますので、お聞きください。

Download

生徒さんのWhere は私にはこのように聞こえました。  唇をすぼめてその中を息が通ったときに出る「ウ」という音ではなく、低く唸るような音が聞こえただけでした。  これが「子音の日本語化」です。

私は12月27日のブログ「発音練習のコツ」で「その音を決定する特徴」について次のように書きました。

* * *
以前、発音をお教えした方から次のような質問がありました。  

「一つ発音教材が終わって、次の発音教材の勉強を始めると、違う人がお手本を読んでいるので、前のお手本と音が違うような気がして、どれが正しい発音なのかよくわかりません。」    これに対して私は次のように答えました。

それぞれのお手本を読んでいるアメリカ人の発音、例えばCat の発音の 「ア」の音の中に含まれる要素を取り出してみるとします。  取り出すと決めた要素が4つ(1,2,3,4)あるとします。  Aさん、Bさん、Cさん・・・・と5人のアメリカ人が「Cat」と、お手本を読んでいたら、そのそれぞれの発音にどの要素があるか調べてみます。

Aさん  1 2   4
Bさん  1 2 3  
Cさん  1     4
Dさん  1   3 4
Eさん  1   3

となっていたとします。
この場合、5人のアメリカ人の発音はまったく同じには聞こえません。  いろいろな要素が違うからですね。  でも、どの人にもある音の要素があります。  それは、「要素1番」ですね。  これがCat のアの発音を決定する要素、特徴になります。  それは何かというと、Catのアの音は「舌が前に来た時にでる音」ということです。  5人のCatの発音はまったく同じにはならないけれど、どの人の中にも舌を前に出してアを発音した時の音の特徴があるということです。
* * *

この時は母音について説明しましたが、この説明をWの音に当てはめると、A、B、C、D、E5人のネイティブの発音はまったく同じではないけれど、「唇をすぼめてその中を息が通って出る「ウ」の音」がWの音を決定する「要素1番」となります。

そしてCDトラック6の生徒さん、お名前を仮に林さんとし、この表の最後に書き込むと次のようになります。

Aさん  1 2   4
Bさん  1 2 3  
Cさん  1     4
Dさん  1   3 4
Eさん  1   3
林さん    2 3 4 

林さんの発音には要素1番がないのです。  これが「子音の日本語化」です。  Wの音を決定する要素1番、つまり、「唇をすぼめてその中を息が通るときに出るウという音」が林さんの発音にはないのです。  だからネイティブにも「わかりづらい」と言われたのです。

アメリカ人とイギリス人はまったく同じ発音ではありませんが、その違いはAさんとBさんの違いのようなもので、どちらも、その音を決定する特徴は出ています。  ですから、通じないという問題は起こりません。  ところが、林さんの場合は、「その音を決定する特徴」が出ていないので、通じない、という問題が起こってきます。  

上級者でもWの音が相手に聞こえるように発音できていない人はたくさんいます。  Wの発音が日本語化しているのです。  皆さんもネット上にアップされている日本人の発音を聞くとそれがお分かりになると思います。

発音練習で、お手本を聞くときには、この「音を決定する特徴(要素1番)」を聞き取るよう注意を集中してください。  そして自分が真似して発音するときには自分の発音の中に、今聞いた「音を決定する特徴」が表現できることを目指して練習してください。  その音を決定する特徴、すなわち要素1番が何かは私が「英語発音、日本人でもここまでできます。」に付属するDVDで説明しています。

練習は、一つの発音教材を70回くらい練習したら、新しい教材に変えて、なるべくいろいろな教材で、この音の特徴(要素1番)を耳でとらえ、自分の発音の中に表現できるよう練習してください。  そうすると通じる発音が身に付きます。

発音教材はなるべく、普通の会話文を使って、いろいろな種類の文で練習してください。  演説や映画、劇のせりふのように、なんといっているのか、周りの人があらかじめ全部、分かっているような教材でばかり練習するのはやめます。  

そういう教材でばかり発音練習していると、どんな発音でしゃべっても、周りの人が全部理解しますから、正しく発音できていない場合でも「音が違うから通じない」という問題に突き当たりません。  すると本人は、「音の微妙な違いは重要ではない」という錯覚に陥ります。  この思い込みに陥ると、「音を決定する特徴」をつかむ耳の力は発達しません。  

耳の能力は「その部分を聞き取ろう」「聞き取ろう」と「音を決定する特徴」に注意を集中して、聞くからこそ違いが聞き取れるまでに発達するのです。  「微妙な音の違いは重要ではない」と思いこんだら、耳の能力はまったく上がりません。  それでは、今説明したWの例のような低く唸る音とWを決定する唇をすぼめて出す「ウ」の音の違いを聞き取る能力は育ちません。     

ですから、「その音を決定する特徴を聞き取ろう」「必ず聞き取ろう」という気持ちで集中して、発音練習をしてください。  そうすると、その音を決定する特徴が聞き取れるまでに耳の力が上がります。  聞きとれれば、自分の発音に同じ音の特徴を表すことができるようになります。  そうすると通じる発音が身に付きます。

「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」(緑色の本)付属CDトラック6 例文 Where’s my bag? について、川合典子と生徒さんのWの違いが聞き取れない方は、今日のブログの音声をよく聞いて、生徒さんが誤って発音している低く唸るようなWの音を理解してから、もう一度比較をお聞きになってください。  そうすると違いが聞き取れるようになります。

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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)






高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 

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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。