川合典子 ブログ

英語教育、英語学習、発音習得、帰国子女の言語習得について書いています。

子音を長く言う「川合メソッド2」3週間後 簡略腹式呼吸

先週、自分のLの発音が強くなってきたと感じられた方もいらっしゃると思います。  相田さんのように、舌が歯茎にからまるようなLに変わってきたという方もいらっしゃると思います。  自分では、わからなくても、強くなっている場合がありますので、あきらめないで、とにかく一か月は続けて見てください。

Lが強く長く言えるようになるのはいいことなのですが、ここで一つ問題が生じます。  息の問題です。  強いLに息を使うので、文の他の部分がブツブツ切れてくるようになります。  沢さん、相田さんともに、この現象が出てきました。  特に2番目の例文でブツブツ切れているのが、顕著にわかりました。

しかし、お二人とも自分の発音がブツブツ切れているとは思っていなかったようです。  私が相田さんに「Lの例文で、音がブツブツ切れ始めましたね」と申し上げた時、相田さんは、「切れている?」と思ったそうです。  自分ではそうは思っていなかったそうです。  日本人にはブツブツ切れるのが普通の発音だからです。

こういう場合、本来でしたら、2冊目の著書「続・英語発音、日本人でもここまでできます。」142ページに書いてあるように、自分の発音とお手本の発音を比べて直していただくのですが、今回の練習は、最初の著書「英語発音、日本人でもここまでできます。」に書いてあるような、完成度の高い発音を習得する練習は、出来ないけれど、一応、通じる発音で、話したい、という人のための練習方法ですので、録音して比べるプロセスは省略します。

ブツブツ切れている、という前提で、必要な練習に進んでください。

ブツブツ切れる理由はいくつかありますが、一つの理由は息が足りないからです。  そこで息をもっと使えるようにするためのトレーニングが今日から一つ加わります。

それが次にご紹介する簡略腹式呼吸、別名、水道管呼吸法です。(あまりエレガントな名前でなくて、すみません。)

これは、著書「英語発音、日本人でもここまでできます」付属のDVDで解説しました腹式呼吸は出来ないけれど、一応、通じるレベルで英語を話したい、という人向けの、簡単な腹式呼吸の方法です。

やり方は次の通りです。

まずイメージをつかむために、本物の水道管を見てください。
こちらは東京都水道局の広報の映像です。
1分35秒のところから、大きな水道管の映像が出てきます。それを見て、イメージをつかんでください。  

https://www.youtube.com/watch?v=B-91xVgBhVU

この大きな水道管の中いっぱいに、水が勢いよく流れるところをイメージしながら、息を大きく吸って、勢いよく、一気に口から「フー」と吐きだす練習です。  大きな水道管の中を勢いよく流れる水のように、途中で弱くならないように強く太く、息を「フー」と吐き出します。

具体的なやり方
1.息をたくさん吸い込む。
2.指先に着いたほこりを吹き飛ばす時に言うような「フッ」という時の口の形をする。
3.その口の形を保持して、強い息のまま3秒間吐ききってください。
4.これを5回行ってください。(間に休みを入れて結構です)

「ア」の口の形で「ハー」と息を吐いてしまうと、一瞬で終わってしまいます。それでは、おなかの力は着きませんので、「フー」と3秒間強い息を保ちながらはいてください。  「川合メソッド2」では音でも息でも一瞬でおわらない、「保持して使える」ことを身に付けていきます。  音や息を日本語のように一瞬強くするのではなく、持続して強く使えるようにしていきます。

この練習は簡単な割には非常に効果があります。  相田さんは「水道管呼吸法の練習をすると、おなかがプルプルして、効果的でした。」と感想を述べています。  実際に、水道管呼吸法を昨年10月16日に始めていただき、11月19日に例文をきましたら、「強く息が出ていておなかを使って発音しているのが感じられる」と、私のノートに記録がありました。  水道管呼吸法は、たくさんの息を強く保持しながら使えるようにするのに、非常に効果があります。  彼女は6秒息を吐く練習を10回ずつしました。

沢さんの方は6秒息を吐く練習を5回ずつしました。  6か月間の練習終了後、沢さんにお話を聞きに伺った時、「練習の中で一番大変だったのは何でしたか?」とお聞きしたら、それはこの水道管呼吸法だったそうです。  「5回やるとフラフラしました」とおっしゃっていました。

今回の練習では、私は皆さんの横について見ていることができませんので、ふらふらするのはよくない。と思いました。  そこで、プログラムを公開するにあたって、今度は3秒で5回にして、沢さんにやってもらいました。  彼女は「フラフラしませんでした」ということでした。  この呼吸法を初めてする娘にもやってもらいました。  3秒なら娘も「フラフラしない」と言いました。

ですから3秒なら皆さんも問題ないと思いますので、3秒で5回行ってください。  (子音を長く言う「川合メソッド2」全般を通してのお願いですが、何か自分の体に違和感を感じるようなときは、練習全部を直ちに中止してください。)


「川合メソッド2」の練習終了後の沢さんの発音(6月1日のブログにあります)を聞くと、しっかりおなかが使われているのがわかりますが、それはこの呼吸法のためです。


水道管呼吸法は5か月間ずっとやりますので、最初のうち、うまくできなくても、4か月5か月とたっていくと上手になりますので、心配しなくて大丈夫です。  一か月に1秒ずつ伸ばしていくことも出来ます。  時間をかけて気長に取り組んでください。 

声楽の萩原先生が「歌は最後は息の勝負なの」とおっしゃったことは、以前ブログに書きました。  先生は、「息は、車にとってのガソリンと同じなの。  声もガソリンがなければ、大きく出ないのよ」とおっしゃいました。

私はバーバラ・ストライサンドが好きで彼女の歌をいくつも練習しましたけれど、彼女が「5分の歌を5分のドラマにできる」(2011年6月14日のブログ参照)のは、彼女が人並み外れた息を使えるからだと、練習しながらいつも思いました。  ブツブツ切らないで、豊かでたっぷり強い声を出すには、やはり息の方も変えていく必要があります。

水道管呼吸法は、最後の月に行う、「鼻腔に共鳴させる(英語の音質で話す)練習」をするときに、大きな威力を発揮します。  「鼻腔に共鳴させる」ということは、日本語を話している時より、大きな空間に音を響かせていくことになります。  ですから、息もたくさん必要になります。 

実際に、沢さんも相田さんも練習前に比べて声が大変大きくなりました。  相田さんの場合は、小さな口元で静かにお話をする方だったのに、英語をしゃべるときだけ、強く大きな声になったので、音質の練習が始まってからの録音を聞いたときは英語を話す時だけ、別人になったような気がしました。

ご本人たちからも、「声が大きくなった」という感想がありました。  沢さんの場合は、ご主人からも、「英語の練習をしている時の声が大きくなりました」という感想がありました。  大きな空間に響かせるためには、今よりたくさんの息が必要になります。  水道管呼吸法で、たくさんの息が使えるようにしていきましょう。

今日からこの「簡略腹式呼吸(水道管呼吸法)」を練習に加えてください。

====子音を長く言う「川合メソッド2」==========
6月26日から7月9日までの練習内容
練習(1)普通のL 5回
練習(2)長いL  5回
簡略腹式呼吸(水道管呼吸法)  3秒 × 5回
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子音を長く言う「川合メソッド2」を営利目的で使用するのはご遠慮ください。
(例) 出版、発音セミナー、発音レッスン その他。

皆様にこのようなお願いをする理由は、こちらで、ご覧いただけます。



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高校入試で子供たちが親の収入によって差別されない為に以下のお知らせを書かせていただきます。

高校入試のスピーキングテストについて(大学入試のスピーキングテストについても同様です)

高校入試のスピーキングテストは本来文部科学省が学校教育で正しい発音を生徒に教えてから行うべきものです。  しかし、文部科学省が教科書にCDもつけず、正しい発音の仕方も学校で教えないまま、高校入試でスピーキングテストを実施する動きが都立高校などで始まっています。 (大学入試でもスピーキングテストが行われようとしています)  これは、スピーキングスキルの習得を塾や予備校、会話学校に丸投げするものです。  学校で教えていないスキルを入試でテストすることはあり得ません。

これでは経済的に余裕のない、塾や会話学校にいけない家庭の子供は誰にも正しい発音を教えてもらえず、練習するCD(音声モデル)も与えられないまま、高校入試でスピーキングテストをされることになり、明らかに親の収入による進路の差別が始まります。(詳しくは2018年3月8日のブログ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」をお読みください。)

皆さんの身近に教育関係者がいらっしゃいましたら、ぜひ「高校入試のスピーキングテストは子供を親の収入で差別するもの」であることをお伝えください。  (大学入試のスピーキングテストについても同じことです)  
15歳で親の収入のために進路を差別されるのでは子供たちがあまりにもかわいそうです。

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英語教育については、下のブログも併せてご参照ください。  日付をクリックすると移動できます。
2017年10月12日
文部科学省 新中学校学習指導要領 英語 「4技能」は全く効果がない(子供たちが通じる発音でスラスラ話せるようになる学習指導要領の見本付き)


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高校英語教育を文部科学省の誤解に基づいた方針から守るため、以下のご案内を書かせていただきます。

現在文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」の目玉として掲げているCAN-DO方式は、ヨーロッパの人々にはできますが、日本語を母国語とする人にはできない方式です。

文部科学省は「CAN-DO方式が日本人には不可能な方式である」と気づいておりません。  導入されれば教育現場は大変迷惑します。  中止する必要があります。  なぜCAN-DO方式が不可能なのかはこちらのブログをお読みください。

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何度もお願いをしているのですが、アマゾンのページで私の本のランキングを下げて妨害をしている人がやめてくれないので、(詳細はこちらです)しばらく以下の文章を掲載させていただくことにしました。

「本を出版する人は、他の著者の妨害をしない。  他の著者を妨害する人は自分の本も出版できない。」
出版社におかれましては、このことを出版の際、著者に理解していただいてください。

私のランキングを妨害している人は、たぶん、現実を受け入れられないのでしょう。
アマゾンの順位を1ペ―ジ目から2ページ目に下げられ、数日でまた2ページ目から3ページ目に下げられて、私は、この方の激しい妨害に驚いています。 

「学習者に正しい発音を習得してほしい」というのが自分の目標でしたら、他人を妨害する必要はありませんね。  他人を妨害してまで、何を手に入れたいのでしょうか。  ベストセラーの著者という名声ですか。  それなら、もうアマゾンで、ご自身の本はベストセラーに認定されているのですから、それで十分でしょう。  この上何が欲しくて私を妨害するのでしょうか?  もう英語教育とは関係ないことですか。  

私は、こちらに書いてある3つのことをするのが、目的です。  日本人が子音の日本語化を知っているか、いないかで、通じる英語で話せるか話せないかが、決まります。  ですから、このことを読者の皆さんに理解していただくのは、とても大事なことなのです。  私の仕事の妨害をしないでください。 



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クマさん、ウサギさん、ブタさん、それぞれが持っている旗に書かれたことの理由は、2017年7月30日のブログをご覧になるとわかります。