シュンの日記なページ

当別町スウェーデンヒルズ移住者 ブックレビュー 悪性リンパ腫闘病中 当別オジサンバンドOJB&DUOユニットRIOのVocal&Guitarist ツアーコンダクター 写真 スキー 山 田舎暮らし 薪ストーブ

病室の時間

 息子に面会。
 今朝一番で採血があったが、10時頃の回診の際は未だ結果が出ていないようだった。
 担当ドクターが毎日午後はオペだから、本人への説明は夜になるかもしれない。
 ナースが点滴交換に来た時に、いろはすを飲んでもいいか確認したら、OKとのこと。息子は初めてキャップを開けて、口を示し、甘い、ジュースみたいだと言った。それほど味覚といいうものと無縁の点滴生活が長くなってきている。
 大学からの二学年進級説明会の封筒を見せてもらう。これまでに取得した単位と成績表も含め。三日後の説明会には本人は行けないだろう。封筒にある学務課宛に電話で問い合わせるよう息子に言った。
 点滴交換を終えると、息子は点滴台を転がしてトイレに立つ。病室隣の個室トイレだった。戻るとすぐに尿の量を測定した結果を自分で記録する。そういえば自分も北大歯学部病院で歯科手術を受けたときも術後そういうことをしたっけな。術後三日でごり押しして退院したっけな。退院を公開するほど、脱脂綿を詰めっぱなしの術野が痛かったのを覚えている。
 今日は寒い、というと、寒暖の差があって大変だね、と息子に慰められた。夜も昼も一定の温度で過ごす毎日は、とても早く過ぎてしまうように感じるらしい。何もできず退屈で長く感じるとばかり思っていたのだが、逆だった。毎日毎日があっという間に失われること、大切な日々が病室にこぼれ落ちてしまうように感じているのかもしれない。
 そんなことを思うと、やはり息子が一日も早く退院できるよう願いたかった。辛い状況は未だ解決を見ず、今日も終わっていった。病室の窓から見下ろす、雨にも負けぬ満開の桜が、ここからでは疎ましくさえ感じられるのだ。