初版と増刷のコスト

http://azumakiyohiko.com/archives/2007/03/16_1743.php
リンク先では、単に日めくりカレンダーが初回限定生産ですよという話をしているだけ。
ただ、なぜ初回限定生産なのかが書いてあっておもしろかった。
なんで初回限定なのかを、丁寧に説明しているあたり、このマンガ家さんはいい人そうだ。「よつばと」何冊か読んでみたけどおもしろいし、完結した頃にいっぺんに買おうかな。

商品はたくさん作るほど単価が安くなります。
で、漫画もそうですが、本は初版が一番たくさん作られます。
例えば初版で10万部作って、それが市場になくなってくると第2版を1万部追加する、って感じです。
初版と重版の数はケースバイケースですが、重版の方が数はずっと少ないです。
つまり重版は初版よりコストパフォーマンスが悪いのです。
よつばとひめくり」は1,500円。この値段は初版だと利益が出るのですが、重版だと出ないらしいです。

考えてみれば、当たり前のことではあるのだけど。
多く刷ると規模の経済によって安く作れるというのが、顕著になるということらしい。
CDの紙ジャケットが初回のみだったりするのも、紙ジャケットが通常のCDに比べて採算ラインが高く、重版では採算が合わないからなのだとか。
初版と重版で部数が10倍も違えばコストにも大きく響くというのは確かにと思う。


本やCDだと返品制度があるので、もともと採算ラインも高くなりがちなのかもしれない。でも再販売価格維持制度のおかげで販売価格が高止まりする分、採算ラインは低くて済むのかも知れない。


重版されるかされないかがコストの問題だけだというのならば、電子データによる販売が広がるとそういったハードルはクリアできて絶版なんてなくせるんだろうと思う。
複製の問題が大変だということなんだろうけど、絶版と決まった本についてのみ、電子データでの販売ということができれば、昔売ってたけど今は見ない本なんてのが手に入りやすくなるのではなかろうか。