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2007-06-25

ニコニコ動画でDVD売上が減った?

日本映像ソフト協会が出しているDVD販売に関するデータを見て、ニコニコ動画のせいでDVD売上が下がったという主張(追記で訂正済?)があった。

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日本映像ソフト協会の最新の資料によると2007年4月のDVDの販売額が激減している。販売用のDVDビデオの販売額は前年の同月比に比べ、65%と激減している。新作の数も減少していれば、説明もつくが新作の数は前年同月比にくらべ、104%と増加している。これはニコニコ動画のせいか?ニコニコ動画にはアニメを中心にテレビ番組が多数アップロードされている。それも新しいものから古いものも含めてだ。一部では宣伝効果があるという見方があるが、一方でニコニコ動画で見られるせいで本来であればDVDを買ったりレンタルしていた人が買ったりレンタルしたりしなくなるという見方もある。個人的には両方あるだろうが、今回の資料を見る限りどうやら後者の方が強いと考えられる。

タイトルが刺激的でおもしろいのだけれど、さすがにそれは暴論だろうということで少し検討してみる。

DVDソフトの内訳とDVD売上(全体)への影響力

ジャンル別のDVD売上

まずは、簡単な話から。

当たり前だけど、DVDの売上はアニメが全てではない。

日本映像ソフト協会によれば、2006年のジャンル別DVD販売構成比は次のようになっている。

ジ ャ ン ル構成比(販売数量)構成比(販売金額)単価
邦画(TVドラマを除く)8.3%10.7%4,026
洋画(TVドラマを除く)32.7%24.8%2,387
海外のTVドラマ6.8%8.4%3,867
日本のアニメーション( 一般向け)17.%24.2%4,471
音楽(邦楽)9.9%9.5%2,996
芸能・趣味・教養6.1%6.%3,068
その他19.%16.6%-
100.%100.%3,145

(構成比が5%以下のものはその他とした)


洋画と一般向けアニメ(子供向けアニメと対比させた名称)であわせて売上の5割近くを担っている。

それにつづいて、音楽DVD、邦画、海外TVドラマがつづくが、それら一つ一つでは全体の1割に満たない。

大ざっぱでよければ、洋画と一般向けアニメとそれ以外という括りとして考えることができる。

したがって、DVD販売数の増減に関して大きなインパクトを与え得るのは、洋画と一般向けアニメのいずれかと考えられる。


洋画と一般向けアニメDVDの単価

洋画と一般向けアニメは、売上数量では洋画が33%で一般向けアニメーションの17%のほぼ倍となっているのに販売金額ベースではそれぞれ25%ずつと拮抗している。

これは、単価の差から来るものだ。洋画の単価が2400円に対して、一般向けアニメーションは4500円と倍近い。

洋画が薄利多売という策と採るのに対して、一般向けアニメでは少数に対して高い価格で販売するという方法が採用されていることを意味する。


ここで、2007年4月のDVDの販売額と販売数量の前年同月比を見てみると販売額は65%、販売数量は56%となっている。

販売数量が44%も減ったのに金額としては35%しか減少していないということになる。

この事実からは、単価の低い商品の売上げが大きく減少した、つまり洋画DVDの売上が減少したという可能性が示唆される。


DVD売上の増減

日本映像ソフト協会の売上データから一般販売のDVD売上の前年同月比等を抜き出してみた。

単位は金額(百万円)、数量(千枚)、単価(円)である。

  • 2007年
-1月2月3月4月
前年同月比(金額)102.5%93.6%120.%65.%
前年同月比(数量)91.1%85.%119.%56.%
販売金額(一般販売)16,97814,34020,45914,525
販売数量(一般販売)4,9054,2576,0524,904
単価3,4613,3693,3812,962

  • 2006年
-1月2月3月4月5月6月
前年同月比(金額)114.4%92.2%98.6%106.5%114.2%78.1%
前年同月比(数量)119.2%104.3%80.4%113.6%124.9%79.3%
販売金額(一般販売)16,56715,31917,04722,35015,34416,230
販売数量(一般販売)5,3875,0065,0848,7645,6325,820
単価3,0753,0603,3532,5502,7242,789
-7月8月9月10月11月12月
前年同月比(金額)84.8%89.%63.%90.7%67.4%98.9%
前年同月比(数量)86.1%100.3%65.%110.1%59.4%102.%
販売金額(一般販売)17,24116,67213,94717,17224,08630,883
販売数量(一般販売)6,8836,3024,6977,0338,5159,584
単価2,5052,6462,9692,4422,8293,222
単価2,5052,6462,9692,4422,8293,222
  • 2005年
-1月2月3月4月5月6月
前年同月比(金額)90.8%105.6%84.6%104.%69.8%90.4%
前年同月比(数量)102.2%117.9%88.8%104.9%62.8%81.6%
販売金額(一般販売)14,48016,61017,28920,99313,44120,792
販売数量(一般販売)4,5184,8016,3257,7164,5087,336
単価3,2053,4602,7332,7212,9822,834
-7月8月9月10月11月12月
前年同月比(金額)99.4%108.2%105.9%106.5%164.3%87.1%
前年同月比(数量)124.5%112.%112.7%106.6%174.5%81.1%
販売金額(一般販売)20,33118,72322,15418,93435,71731,227
販売数量(一般販売)7,9946,2807,2316,38914,3399,397
単価2,5432,9813,0642,9642,4913,323

増減の大きい月を抜き出してみる(20%以上)と以下のようになっている。

  • 2007年4月
  • 2006年5月,6月,9月,11月
  • 2005年5月,7月,11月

4月に1度は20%を超える増減があると考えると、2007年4月の減少はそれほど奇異な現象とは言えない。

大作映画による変動

30%を超える増減だけを見ると2005年11月,2006年9月,2006年11月,2007年4月である。

2005年11月,2006年11月の増減は、2005年11月に『スターウォーズ』『ハウルの動く城』の二つの大作DVDが発売されたことによるものと思われる。これらはともに累計100万枚を超える売上を記録している。2006年11月はこのような大作DVDは発売されていない。

2005年9月には『ファイナルファンタジー7』『スパイダーマン』が発売されている。二つであわせて年間100万枚に近い。やはり2006年9月には大作DVDは発売されていない。

同じように、2006年4月には『ハリーポッター(炎のゴブレット)』(年間売上120万枚)の発売があった。2007年4月は大作DVDの発売はなかった(『時をかける少女』は多くて10万枚程度)。その反動で2007年4月の減少率が大きくなったと言える。

(追記)

4月のDVDの売上前年比が悪いのは、ニコニコ動画とは関係ないんじゃない? - 万来堂日記2nd

去年の四月には、こんな超ビッグタイトルがでてたわけだから。

4月に前年同月比いくわきゃないって(笑)。

と、実際に販売をしている人の感想があった。一つの証左といえるかな。

(追記おわり)

洋画の不調

2006年は邦画の興行収入が洋画の興行収入を上回るなど、類を見ないほど洋画の興行が低調であった。

2007年に入ってからの洋画DVDの新作は2006年に公開された映画のものであるため、2006年の興行と同様に洋画のDVD販売が低調になると思われる。

2007年の月別売上をみると、3月をのぞき販売数量が減少し、かつ、DVDの単価が軒並み上昇している。このことからも洋画の低調さが伺える。


まとめ

以上のように、

  • 30%以上の増減は珍しいが前例がないわけではない
  • 大幅な増減は大作映画DVD等の発売時期により起きている
  • 2007年は洋画DVDの売上が不調

の3点から、4月のDVD売上減少を説明することができる。

アニメDVD購入とニコニコ動画

アニメDVD購入の動機とニコニコ動画

動画サイト(youtube,ニコニコ動画等)への違法アップロードと一般向けアニメーションのDVD売上に負の相関関係は生まれないだろうと考えている。

一般向けアニメーションDVDの購入の動機は、コレクション、いつでも見られること、高品質なアニメーションが見られることの3つがメインと考えられる。

ニコニコ動画(youtubeも)では、パッケージや特典を手にすることができない。アップロードされている限りはいつでも見られるが、いつ削除されるかわからない。品質は低い。このように、ニコニコ動画はそのいずれも充たすことができないため、DVD購入者がニコニコ動画にアップロードされているからと言ってDVD購入をやめる動機にはならない。


ただし、「一度見る」ことを主な動機とするレンタルビデオやインターネット配信サービスについては、ニコニコ動画でもその動機を充たすことができるために影響が出ることも予想される。

これについては、レンタル回数やインターネット配信サービスに関するデータが出てこないことには検討のしようがない。

ニコニコ動画の影響が出るとすれば6月以降

ニコニコ動画のアクセス数が伸びたのは2007年3月4月あたりからである。時間の都合もあり映画はほとんどアップロードされていないことから、影響があるとすればアニメーションDVDの販売だろう。旧作のアニメーションについては、もともと殆ど売上がないためニコニコ動画による影響が出ることもない。したがって、ニコニコ動画が影響を与えるとすれば、2007年春に始まった新作アニメーションのDVD売上と考えられる。

その新作アニメーションのDVD販売は6月から行われるため、その影響が見られるとすれば6月以降であろう。

解決は簡単だ解決は簡単だ 2007/10/11 19:25 本当の問題はニコニコに広告効果がなければ等しくTVにも広告効果がないことになってしまうことだろう。動画サイトとは放送形態の一つにすぎない。広告効果は内容変わらなければTVもネットも変わらない。
では実際はどうか?TVもネットも等しく広告効果はないのが正解だ。保存性が高いメディアで内容を全てみせるなら普通の人が買う
わけがない。録画、ダウンロードで事足りるからだ。
著作権にかかわる人たちはなせ他の業種を見ないのか?
ゲーム業界やハリウッド映画はすでに解決すみである。
つまり体験版、完全版である。
中身を途中あるいは刻んで販売時に完全版としてだす。一般人は見れなかった部分が見れるようになるから金をだすのだ。決して高画質に金を出すのではない。
ひぐらしやおとぼくなどは体験版で評判になり続きがプレイしたくなったから購入が増えたわけだ。明らかな販促効果だ。
これが低画質ですべてプレイできる体験版だったら?高画質なるからといって売れるのか?売れるわけがない。内容が同じなのだから。
したがって2ク−ルを1クールくらいに刻んでしまえば問題は解決だ。見れない部分を見るために商品を買う。コピーガードすら不要だ。かれらが録画、ダウンロードしたものは体験版なのだから。
動画サイトにアップされてもミラーサイトと同じ扱いだ。
だだ著作者は商品版のアップ、ダウンロードに気をまわさねばならないがそれでもTV版に気お回す必要がなくなるのだから労力はだいぶ
軽減されるだろう。

crimsonstarroadcrimsonstarroad 2007/10/13 03:20 コメントありがとうございます。
「解決」というのは、動画サイトに違法にアップロードされることでDVDの販売数が減少することへの対策として、「体験版、完全版」が一つの方法として考えられるというお話でしょうか。
以前、テレビ局の都合で最後の1,2話が放送されなかったアニメがいくつかありましたが、視聴者からは当然ながら大ブーイングでした。DVDセールスが成功したという話も聞いていないので、DVD販売数を増やす効果は見込めないようにも思います。
もともと、1シリーズそろえるだけで数万円というアニメDVDの購入者はそのアニメの続きを見たいというよりも、1度ではなく何度も見たい、DVDパッケージやおまけなどの物理的なものに魅力を感じ人の方が多いんじゃないかと思います。そういう人たちにDVDを買ってもらうためには、一度全てを見てもらう必要があるのだと思います。
テレビで「体験版」として途中までしか放送しない、というのは価格を含めてDVD販売政策を大きく変更する必要が生じると思います。
さらにいえば、お金を払わないと最後まで見られないのがわかっているアニメをテレビで見る人がどれだけ存在するかということを考えると、視聴者数自体が大幅に減ってしまう可能性が高く、現在の多いとは言えないアニメファンからもアニメ離れが起こりかねません。それに対する対策も必要となってきます。
もっと深く検討すれば勝算が生まれるかもしれませんが、容易にわかるというほどの策ではないように思います。テレビアニメは、ゲーム・映画とは価格が一桁ちがうというとても大きな壁があるため、そのままゲーム・映画界の手法を使うというわけにはいかない面があると思います。

本当に無理かなあ本当に無理かなあ 2007/10/13 22:16 >2ク−ルを1クールくらいに刻んでしまえば問題は解決だ。
結末を切るのではなくこっちを推奨したかったのだか・・・
ちなみにアニメでもこの手法が効果を発揮することが偶然ではある
が判明していたりする。
マリアさまが見ていると乙女は僕に恋してるである。
前者は原作の刻みっぷりが見たことがない人にもわかるほどで当時の
2chスレがOOがみたい。あのシーンは?と書き込みが多くあったが実際に製品版に補完シ−ンが入れば販売が伸ばせたのでは?と思わせる。後者は実際に売れた例だ・・・・たたし売れたのはゲームの方である。アニメは共通イベントに各エピソードを軽くからませたぐらいだあった。したがって最後や各イベントを見るためゲームに走り
販売からしばらくったったソフトだったため店頭在庫しかなく秋葉
から商品が消えたのである。原作にほぼ忠実だったアニメだから
できた芸当だ。この補完がアニメで行われていれば・・・
見れない部分を見たいという販促効果はアニメでも
十分通用すると思われるが・・・どうだろうか?

>価格が一桁ちがうというとても大きな壁
なんで高いんでしょう?それは借金(原価売却費)が含まれているからです。したがって借金返済がおわった外国に売るアニメDVDは安いわけです。決してアニメが高いってわけじゃないです。
映画安いのは映画館での儲けで借金の返済が終わっているからです。
借金を早く返済してしまう方法があればいいのですが・・・
方法はあるがニコニコうんぬんとはまったく関係ないのでこのくらいで。

crimsonstarroadcrimsonstarroad 2007/10/13 23:22 あ。結末を切るのではなく、途中のエピソードを省くかたちで半分にするという意味なのですね。それは、確かにおもしろい考えだと思います。
テレビ放送が、収益獲得ではなく費用となっている場合はそれなりに効果があるかもしれないですね。
ただ、やはり本編アップは避けられないと思うので、手許にデジタルデータがあれば良いという人がDVDを購入するというところまではつながらないかもしれません。

アニメが高いというわけではないというお話について。
基本的に、映画が数千円(邦画で5000円・ハリウッド映画で3000円)なのは、DVDが1本(2時間)で済むというのもあります。消費者にとって1時間あたりの価格は邦画もアニメもそれほど差はないです。ハリウッド映画は、始めから世界での展開を想定していることや日本でDVDを買う習慣を根付かせたいという目的があったため価格が低くなっているのかなと思います。
制作費の回収の場が実質的に日本でのDVD販売しかないから、価格が高くなってしまっているのは確かなので、別に収益源を加えることを考えることは必要ですね。特に初めて放送or配信する段階で収益があげられるようになれば良いのにと思います。

まろなまろな 2008/04/19 05:36 最近は大金かけて映画作っても映画そのものが面白くないとか、リメイクばっかりでつまらないということが多いです。それからオンラインレンタルになるとやはりいい映画がDVD化されていなく借りられないとか、なぜかアダルトや韓国作品に力を入れているところが多いようです。すべてがニコニコやyoutubeのせいではないと思います。

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