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7.28(Fri) 2 MANY DJS @WOMB
[mix] 最新ミックス音源
0412*disconoire (mp3(30.4MB) | date:04/12/24 | play time 66'35")
2004-05-01 Sat
■[book] 『Double Standard』 (須永辰緒監修、ブルース・インターアクションズ)

DJによる DJのための〈実用的〉ディスクガイドと銘打たれたレコード本。各 DJが現場でのプレイを通じて得た経験を元に、「実用性」のみに徹してただひたすら淡々とレコードを紹介しているという、なんとも潔いレコードガイド本である。執筆 DJは須永辰緒・小西康陽・クボタタケシ・DJ NORI・池田正典・高宮永徹・常盤響・Toshiyuki Goto・松田岳二・小川充・小林径。アーティスト単位・アルバム単位ではなく「曲単位」の評価が重要な尺度となる DJ文化を背景にしているため、そのアーティストのバイオグラフィだとか文化的背景だとかを全て度外視し、「RARE度」「BPM」「使える度」「グルーヴ度」というミもフタもない評価を数値化し、レコード一枚ごとにパラメータグラフ化したものを載せてしまうという暴力的な力業が展開されていて、その「どうせやるなら俺らここまでやっちゃうよ」という心意気と徹底性にしびれる。
バイオグラフィやクレジットなどといった基本的な情報の意図的な欠落は、そのアーティストや音楽の背景を知り知識を広げるという楽しみはおろか、アレンジャーやバックミュージシャンなどの「横のつながり」で、全く畑違いと思われていたアーティストの共通性を「グルーヴ」という評価軸において見出す、みたいなレアグルーヴが発見した楽しみをすら封じ込めてしまう。であるから、これを読む読者には、ただ紹介されたレコード本をマニュアルのように使う、という選択肢しか残されないことになってしまう。……はずなのだが、ここで紹介されているレコードの数はざっと 800枚以上、しかもマニア垂涎モノの超レア盤なども多数含まれていて、まずその質をともなった圧倒的な物量を前に、並のヴァイナルジャンキーなら後込みしてしまうだろう。しかし冒頭に掲載された座談会のなかで、須永辰緒氏はこう発言している。
〈自分の耳を持て〉とか〈安いレコードでも自分なりのネタを持て〉みたいなことを言う人がいると思うんだけど、自分としては、そんなに厳密じゃなくてもいいんじゃないかなって思うんですよね。僕だって、藤原ヒロシくんがかけているようなレコードとかチェックして買っていたわけだし、カッコいいものには全然影響を受けていいと思うんです。そうやってレコードを買ってれば、そのなかからだんだん自分なりの耳っていうのができてくるじゃないですか。
マニュアル的・カタログ的に使いたいやつはどんどん使え、中途半端な二次情報よりとにかく即時性と実用性と情報量!という物量作戦でこれだけ充実したカタログにしてやったんだから。そしてそこから先の楽しみは自分で見つけろ、ということなのだろう。マニュアルの徹底が、マニュアルをブレイクスルーする契機にもなる……ものすごく唐突ながら、阿部和重のデビュー小説『アメリカの夜』の、こんな一節を思い出した。
なるほど彼らはそれぞれの役割をごく自然に演じきってはいるかもしれない、しかし、それでも彼らのふるまいがきわめて退屈なものでしかないのは、端的に不徹底だからであろう、すべてが中途半端なのだ、なんにたいして不徹底なのか、なにが中途半端だというのか、物語を模倣し、演ずることがである。
ならばいっそ、物語(マニュアル)の模倣を徹底してみようじゃないか、とそんな気分を抱きつつ、いつもこのレコードガイドをカバンにしのばせて歩こうと、おれはひっそり決意した。しかしそれにしても、持ち運びにも便利なように、わざわざ英語の小型辞書サイズと同じ型にしているこの念の入りようといったら……。以下、冒頭の須永辰緒×小西康陽×常盤響による座談会における、各氏の興味深い発言を抜粋。
小西康陽:
74年以降のレコードはつまらないですよ。確実に音が違うでしょ。コンプレッションの違いなのか、プロダクションの違いなのか、テープの太さの違いなのかわからないけど。とにかく音が綺麗になっちゃっていて。うまくは言えないけどね。
結局僕は60年代の音が好きなんでしょう。あの独特のコンプレッションがね。『Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band』と『Venus And Mars』を聴き比べれば誰でもわかることです。
須永辰緒:
僕はディスコ時代に〈DJは踊らせてなんぼ〉ってことをさんざん体験してきたんですよ。僕、昔は本当にいまのヒカルくんみたいなパンクのDJをやりたかったのね。でもそんな駆け出しの時期にいきなり横浜のブラック・ディスコに入っちゃって、いきなり封印されたわけですよ、自分の趣味を。それまでロックしか知らないのに〈もっと黒いのかけろ!〉とか言われる。〈えっ、黒いってなに?〉みたいな(笑)。だから、そのディスコ時代に勉強したのは〈まずは客を楽しませないと自分の趣味を出せない〉ってことだったんですよ。
常盤響:
僕はミーハーなんで、若い人でもなんでもその人のファンになりたいんですよね。ポイントは〈いかに変態か〉、ですね。フェチズムというか。僕はそういうところで聴いているんですよ。〈DJは凄いショボイのに顔だけは異様にカッコいい〉とか、〈プリンスをこんなにカッコよくかけられるのはこいつだけだな〉とか(笑)。そういう要素がギュッと濃縮されている人がいいですね。僕がディスコで遊んでいたような時分から考えると、本当にそう思います。いかに時分の譲れないコアな部分と向き合わせてくれるか? 今後はそういう人が残っていくと思うんですけどね。
それから、この本で紹介されているやつで、自分もすでに持っているのに、大して聞きもせずにレコ棚に埋もれさせていたレコードたちをピックアップしてみた。「え?このアルバムにこんないい曲が入ってたんだ!」的おどろきを与えてくれたもの三枚。
- GLORIA GAYNOR / I've Got You

エゴラッピンのバックバンド(?)でおなじみの DETERMINATIONS によるカヴァーで再浮上したコール・ポーターのスタンダード名曲「I've Got You Under My Skin」の、サルソウル・カヴァーが収録されている。うわーこんなの入ってたんだ! 全然気づかなかったよ! 普通のディスコとか四つ打ちなんかに混ぜてガンガン使える。こんなの大音量でかかったら確実にもよおすね。
- LAURA NYRO / Eli And The Thirteenth Confessions

CHARLES CALELLO ワークにずっぱまりだった時期に何度も何度も聴いたアルバム。え、このアルバムに「使える」曲なんてあったっけ? これを取り上げた小西康陽氏は「Sweet Blindness」をプッシュ。さっそく自宅レコ棚から掘り出して聴いてみた。……うん、たしかにいい曲だけど、これクラブでかけて踊らせられんの小西さんだけだよと思った。でも久々にアルバム一枚通して聞いたけどやっぱりこれホント名盤。Stoned Soul Pinic。
- INGRAM / That's All!

昔、こいつらの前身バンドである INGRAM KINGDOM のアルバムをずっと探していて、でも見つからなくて見つからなくて、その代わりに買ってみたものの、今までろくに針も落とさずにいたアルバム。紹介者の高宮永徹氏がプッシュする「Mi Sabrina Tequiana (My Sister's Daughter)」は、クラブで何回も耳にしたことのあるすごい有名な曲だった。クロスオーバーソウルというか、フュージョン風味のコンテンポラリーソウル。しかしこの曲名には、なにげにかなり危険な匂いが漂っている気がする。
- 7 http://www.enpitu.ne.jp/usr5/58244/diary.html
- 4 http://a.hatena.ne.jp/zakzak/
- 4 http://d.hatena.ne.jp/loomer/
- 3 http://a.hatena.ne.jp/YLB/
- 3 http://a.hatena.ne.jp/munekata/simple
- 3 http://a.hatena.ne.jp/ogiso/
- 3 http://a.hatena.ne.jp/popepipupa/
- 3 http://d.hatena.ne.jp/na-mi/00000301
- 3 http://search.msn.co.jp/preview.aspx?ps=ba=(0.10)0.....&co=(0.10)200.2.5.10.3.&CY=ja&aq=及+川奈+央+日記&pn=1&rd=0&&q=及川奈央日記
- 2 http://a.hatena.ne.jp/aeki_nou/


