ワニ狩り連絡帳 このページをアンテナに追加 RSSフィード

       

■ 2004-05-15(Sat)

[]『記憶、或いは辺境』(風琴工房) at ザ・スズナリ 『記憶、或いは辺境』(風琴工房) at ザ・スズナリを含むブックマーク

 この劇団を見るのも久しぶりだけど、今回はチラシなどのアートワークがちょっと力が入っているようにも思えたし、ま、しばらく見てなかったからどんな感じになったのかなぁ、と。

 今回は、樺太の日本人の経営する理容店を舞台として、戦中戦後を通じた8年間にわたる、在樺太の日本人と朝鮮人との確執と友情(&愛情)の物語? って書くとあれだけど、今日、こういうのだったよと知人に話をしたら、「じゃぁ、それって、新宿梁山泊みたいなの?」って聞かれた。‥‥ちがうんだなぁ、これが。NHKの社会派ドラマなんだな。視点が下に降りて来ない。いや、ホンはディテールを含めてとってもお上手に書けているんだけど、ただうわべだけをなぞってしまった作劇。

 相変わらずケレン味たっぷりの演出は、それはそれでいいんだけど、結局はお涙ちょうだいの歴史メロドラマに収縮してしまっている。ひとつには、「戦争」の姿が舞台の上に見えない事。おざなりに玉音放送が舞台に流されたりするけれど、この劇では、先に前提として戦中の天皇を中心とする日本の国家体制がナンセンスなものであった、との思い込みがある(いや、視点としてそうなるのはしょうがないけれど、描写の基点をどこに置くかと言うことでは大事な問題だと思う)。そのような後からの刷り込みの視点ですべてが構築されている。その下で働く戦時下の労働の姿が見えて来ない。妙に器用な分、見終わった後によけい腹立たしくなってしまった。

 いったいどのような立脚点から自分達は演劇を続けるのか、再検討すべきだと思った。

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