■ 2004-12-12(Sun)
■[Exhibition] 第2回府中ビエンナーレ 『来るべき世界に』@ 府中美術館 
参加・出品作家は以下の通り。
安岐 理加 AKI RIKA 池田 光宏 IKEDA MITSUHIRO 石川 雷太 ISHIKAWA RAITA 磯崎 道佳 ISOZAKI MICHIYOSHI 河田 政樹 KAWADA MASAKI 田中 陽明 TANAKA HARUAKI 照屋 勇賢 TERUYA YUKEN 増山 麗奈 MASUYAMA RENA
そのチラシに「作家のコミュニケーション行為に関わるアートに光をあてるもの」とあるように、8人の作家それぞれの、既成の展示の枠組みから離れたワークショップ、パフォーマンス、さらにより政治的(?)行動を伴った企画であり、そのような見方として、より複合的な視点から楽しめる展覧会だと思うし、これからもさまざまなシンポジウム、ワークショップ、パフォーマンスが企画されているようで、それもまた楽しみ。
わたしが興味深く見たのは池田光宏、石川雷太、照屋勇賢の作品だったけれど、池田光宏の、窓にレインボウカラーの照明をあてて人のシルエット映像を投影する作品の、いろいろな地域での記録ヴィデオは、ヴィデオ自体の編集にもそこはかとないユーモアが仕組まれていて、それ自体として見て楽しかった。彼の1階の展示は場所が気付きにくいし、外から見るにも暗くなってからでないとあまり効果がないだろう。そういう意味ではこの展覧会は閉館まぎわに見に行った方がいいと思う。
しかし翌日、普通の家の窓の中でクリスマスの電飾が思いっきりカラフルに点滅している様を、電車の窓から見てしまった時には、この時期にはこんなアートも効力が薄いな、なんて思ってしまった。
石川雷太の作品は、いちばん奥の部屋全体に鉄板を吊るした作品。床には割れた黒いガラスが一面敷き詰められ、鉄板にはミサイル兵器のシルエットが赤く描かれ、兵器の各スペックが白文字でカタログのように書かれている。部屋には石川雷太自身のノイズ・パフォーマンス・ユニット「erehwon」の音源が流され、照明もまるでその部屋が「聖化」された教会ででもあるかのように神々しく作品を照らしている。作品の説明には、生きるためには武器を取らなければならないイラクなどの戦闘地域の現状が示され、来本的に歪んでしまった世界のありさま、そんな世界に生きる事への新たな認識に観客を誘う。
ただ、残念なのは、床にガラスを敷き詰めたからか、その展示の中に入って行く事が出来ない事で、その作品の内側に視点を持って行けばもっと異なった光景が広がっていたのではないかと思う。
照屋勇賢の作品は記憶も新しい沖縄でのヘリコプター墜落事件を題材にしたもので、事件の際に日本人関係者がすべて立ち入り禁止に去れていたにもかかわらず、米軍関係者へのピザ配達だけがフリーパスだった事実から作られたもの。会場の床にはピザの配達用パッケージが方形にいくつも並べられ、ちょっと、アンディ・ウォーホールのBrilloのパッケージを並べた作品を思い出す。しかし、そのピザ・パッケージの裏には、ニューヨークタイムズに掲載されたその「ピザ事件(?)」のてん末を書いた記事が載せられていて、さらにそのパッケージの内側には、照屋氏自身が沖縄で子供達を集めてヘリ墜落現場で行った写生大会(?)の、その子供達の作品が、どのパッケージにも描かれている。それらの絵を見ていると、写真などで見るのとは違った生々しさが立ち上がって来るようだし、作家である照屋氏自身の視点(自分では何も描いたりしない)などが際立って来る。
この三人の作品以外では、最近「桃色ゲリラ」としての活動も盛んな、増山麗奈の存在、という所に眼が行ってしまう。実はわたしがやっている「crosstalk」というイヴェントで、一度公募などという事をやった事があるのだけれど、増山麗奈さんはその時の出品者でもあったので、ま、変わらない人だな、などという印象もあるのだけれど、こういう人の活動を積極的に取り上げる視点には賛同する。
