ワニ狩り連絡帳 このページをアンテナに追加 RSSフィード

       

■ 2005-06-20(Mon)

[] 1995/2/14(その3)  1995/2/14(その3)を含むブックマーク

 ちょっと間があいてしまいました。写真をもっと拡大してみられるように、とのリクエストもありまして、確かにそうだったな、などと思います。とりあえず、前回掲載の市役所の玄関の貼り紙、これをできるだけ拡大して掲載してみます(一番上の拡大写真の下の方に、「こころのサポート」などという文字がかすかに読めますが、これが、中井久夫さんたちが展開されていた、関西の精神医たちの活動なのでしょう)。


 2月10日、6時半ごろ目覚め、朝食をごちそうになってから、甲子園のアートスペースへ行くのにJR尼崎の駅まで送っていただく。甲子園で降りる。このあたりは芦屋周辺のような被害はないようだけれど、所々崩壊した家屋がある。

(甲子園駅前のようす)

 アートスペースに行くと、ちょうどYさんが来たばかり位の時だった。建物は思っていたより大きくて、きれいだったけれど、入り口のあたりとかちょっと歪んでしまったのとか、外壁のヒビとか見せてもらう。すぐに嶋本先生が来られて、しばらく地震の話など。

 写真を撮りたいと言うと、服を脱いで、昨年の心筋梗塞の大手術のあとも撮らせてもらった。これがすごいっていうか、縫合痕が長さ40cmくらいもあるんじゃないだろうか。足の方がもっとすごいんだと言ってました。

 昼はYさんと近くのスーパーに食糧を買いに行くけれど、スーパーはまったく無傷できれい。歩きながら、まわりの被害の様子を紹介してもらう。音楽の話などしながら(Yさんは「バウハウス」が好きだったんだ)歩いていると、Fさんとばったり会ってしまう。Fさんは今、アートスペースの2軒となりにある実家に帰って来ているそうだ。

 午後はぶらぶらして、倉庫にあるメールアートの作品などを勝手に見せてもらったり。4時近くにHさんも来られたので、皆で記念写真を撮って、AU展のときの写真を少しいただいてからおいとまする。そのまま電車、新幹線に乗り継いで、9時ごろ東京の家に戻る。




 震災3週間後の関西滞在日記はこれでおしまい。嶋本氏の手術後の写真など掲載しようかとも思ったけれど、ま、わたしの権限では出来ないでしょう。

 アートスペースはAU展と連動して、80年代の関西で独特の活動を展開したアートの拠点で、このあたりはもうちょっと評価されないといけないんだけれど(戦後日本美術の総括は、この80年代ぐらいで、いったい何を評価するか、という点で、道を見失っている気もしないでもない)。

 92年に発行されたAUのパンフレットの裏表紙を掲載してみましょう。

 左上は、嶋本昭三氏のスキンヘッド・プロジェクト(というのか?)。当時このプロジェクトを引っさげて渡仏されて、ポンピドー・センターでの、自分の後頭に映像を投影するパフォーマンスは、評判になったのではなかったかな?

 右上はデニス・バンクス氏だと思う。「セイクレッド・ラン」のプロジェクトで世界を周回されていた。この年(95年)のAU展では、その「セイクレッド・ラン」プロジェクトが開催されている。わたしも参加した。

 左下はステラーク氏だろうね。彼とアート・スペースとの関係も密なものがあって、関西ではそのアート・スペースでパフォーマンスしているはず。

 右下が、これは東京都美術館AU展での、寺山修司の『奴婢訓』公演。わたしがAUに参加する前の年のことだったようだ。もちろん都美館の規制に引っ掛かった。


 あと、被災地の写真で、わたしにとっていちばん強烈だった、「本通商店街」の写真を、最後に連続して掲載します。とにかく、この区域に足を踏み入れると、「平行〜垂直」という生理感覚が壊れてしまった。地震とは、「歪み」なのだ、と納得できた。

   

       

   


 次回からは東京に戻ります。



 

[] 『STEP RIGHT UP〜the songs of Tom Waits』 Various Artists  『STEP RIGHT UP〜the songs of Tom Waits』 Various Artistsを含むブックマーク

   Step Right Up


 実はわたし、Tom Waitsが好きなんです、などというタワゴトは、25時を過ぎた新宿辺りでしか大声で言えるものではないのだけれど、だから要するに今の時間、この下館の地からは言いたくないのだけれども、だからぁ、その「声」さえ何とかしてくれたら、ま、考えてもい〜よ、という期待に答えられて造られたのが、このアルバム、だと思う。違うか。って、このアルバムもリリースされてから10年経つのか。

 やっぱ、ソングライターとして卓越してる人だよ、Tom Waits。そんなすてきな楽曲を、自分のレコーディングではあれこれとぶち壊してから「オリジナル」として発表してるんだから、彼の歌をカヴァーするアーティストの役割は、ある意味、ぶち壊れる前の状態に楽曲を復元することにある、とも言えるので、このアルバムでも、それぞれのアーティストの魅力と楽曲の魅力のバランスがうまくとれた、トリビュート盤としては聴きがいのあるアルバムになっていると思う。

 そもそも、Tom Waitsの音楽の中には、もう恥ずかしいほどのセンティメンタリズムな側面と、それを打ち消そうとするかのようなパンキッシュな側面とが同居して、彼独特の(25時すぎの?)音世界になっているのではないかと思うけれど、このトリビュート・アルバムに参加した15組のアーティストは、基本的には楽曲の美しさ、というか、唄のパワー、唄のストーリーを引き出す事に力をそそいでいる気がする。

 このアルバムには、なんと、Tim Buckleyの「Martha」('73年の録音)を含め、Wedding PresentやPale Saints、10,000 Maniacsなどの「安心して聴ける」アーティストも含まれているし、大好きなAlex Chilton兄イも参加しておられる(イイに決まってる)。もちろん、これらのアーティストの演奏はどれも期待を裏切らないモノだし(いったい誰が、Tim Buckleyの「Martha」を無視して通り過ぎる事ができるだろう? そして、Pale Saintsの「Jersey Girl」、10,000 Maniacsの「I Hope That I Don't Fall in Love With You」の魅力を何と伝えよう?)。

 でも、このアルバムで初めて耳にしたアーティストたちの中に、何とも素晴らしい演奏を披露してくれたアーティストたちがいる。そんなアーティストたちに出会えたのが、このアルバムを買った恩恵、と言うべきでしょうか。

 まず1曲目、Drugstoreというグループ(グループ名からしてTom Waitsっぽい)の、「Old Shoes」。こういう、ちょっとラフ(下手)な演奏と、しっとりと歌い上げる歌唱(女性ヴォーカル/魅力的だ!)というのが、Tomの曲には実によく似合う。

 そして、Dave Alvinという人の弾き語りの「OL'55」(渋い!!!)。

 って、何よりも、FRENTE!というオーストラリアのグループが演奏する、シンプルな「Ruby's Arms」の、切ない可愛らしさ。ま、Tomの曲の中でも傑作の部類に入る曲とは言え、これだけシンプルに切なく歌唱されると、惚れ込んでしまう。

 ま、私見だけれども、この種のトリビュート・アルバムとしては、外れ楽曲のない、プロデュースの行き渡った、とても素晴らしい出来のアルバムだと思うよ。そして、鬱な下館の夜にもよく似合うアルバムなのだ。

七條春道七條春道 2013/10/06 14:27 購入しました!

すばらしいかったです!

ありがとうございます

crosstalkcrosstalk 2013/10/06 17:51 どうもです。こんな古い日記でも、いまげんざい、何かの手助けになれたのならばうれしいです。
コメントを読ませていただいて、わたしも、久しぶりにFrente! のRuby's Arms を聴いたりしました。「いいなあ!」と、いまさらながらに思いました。
こちらこそ、ありがとうございました。

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