ワニ狩り連絡帳 このページをアンテナに追加 RSSフィード

       

■ 2006-02-02(Thu)

[] 『Merry Andrew』安藤裕子  『Merry Andrew』安藤裕子を含むブックマーク

   Merry Andrew

 すみません。ごめんなさい。こんなん買ってしまいました。つまりは、TVのCMの背後で流れていた音が気になってしまって、調べてみて、それが安藤裕子という歌手の作だということ、その安藤裕子はヴェルヴェット・アンダーグラウンドのファンなのらしい、というあたりまで調べて、先週発売になったばかりの、彼女の第二作フルアルバムを買ってしまった。

 でも、日本のフィーメール・ヴォーカルって、昔っからけっこう好きなんよ。小川美潮とか、須山久美子とか、小島麻由美とかね。でも、この安藤裕子はavexだしな。あまり「売れ線」は買いたくないんだけれども。

 ジャケット、かなり「天然」入ってますね。自筆らしいイラストをあしらって、ロマンティック・バレエの衣装のようなのをまとった、幼女のような容姿の女の子がいるの。歌詞カードも全ページ彼女のイラスト(カワイイ系、ではないのです。なかなか堂に入った作画ではあります。)に溢れていて、そこに彼女の写真がコラージュされている。基本的に全作、彼女の作詞作曲といっていいんでしょう。編曲はすべて山本隆二という人。つまりだね、小島麻由美なんかでもそうだけれども、目の前にこんな女の子がいたら、どうしたらいいのか困っちゃうよね。なにを話題にして会話すればいいのかわからん。

 基本的に、ギター、ベース、ドラムスにキーボード(ピアノとか)という編成がバックで、そこにたまに東京スカパラからのホーンが3本ぐらい絡んだり。ドラムスに坂田学やASA-CHANGが入ったり、音としては堅実なんだけれども、ちょっと低音にアクセント置きすぎたり、ホーンがからむと昔のAORみたいな音になっちゃったり、avexの音は、こんなんだからあまり気に入らないんだけれども、なんか、こんなの昔聴いたなぁ。あー、確かにこういう音には既聴感があるんだけれども、思い出せないな。なぜか上田正樹とかばかり思い出してしまう、って、違うだろう。

 いや、さすがに、「あなたと私にできる事」とか「さみしがり屋の言葉達」とかいうタイトルにはタジタジとなってしまいますけれども、ま、そんな歌詞も、そのタイトルほどには「困ったちゃん」ではありません。ってか、A−A−B−Aとかって言うんでなくって、大きなうねりを想起させるような曲構成はいいですよ。で、この人の最大の魅力は、その、声を、メロディーの上でいちど解体して、音節ごとに分解したようなシンギングを聴かせてくれることで、これはね、ほんとうにいいんです。例えばダグマー・クラウゼなんかも、そのヴァースごとにスタイルを変えたシンギングを聴かせたりするんだけれども、この安藤裕子ちゃんは、もうちと徹底して分解するのね。ま、特にその、わたしが気に入ってしまったCMの歌なんか、「のうぜんかつら」というタイトルなんだけれども、その中の「ふたりの時間も泡みたいになって」という歌詞を、この人は、「Fu-Ta-Riwi-Noho-Jih-Kaha-Nfn-Mowhoo」みたいに一音節ごとに仕切って唄うわけで、いや、特に、「時間」を「Jih-Kaha-Nhn」と分解する音の区切りがぞくぞくとしてしまって、それも、やはり、「ん」の音が「Nhn」(「Nfn」なのかなぁ?)となってしまう艶かしさ、というか、だいたいにおいて、男性たるモノは、その永遠に女性なる存在に、この「Nhn」音を発せさせようと、その人生の一時期に、夢中になるのだよ。そう思う。いや、すけべだね。わたし。フン、フィーメール・ヴォーカルの良さとはココに極まるのだよ、などと開き直ってみせるぞ。

 おっと、その、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド風の仕上がりを見せた曲もあります。安藤裕子、良いシンガーであります。



 

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