■ 2011-12-06(Tue)
■[Video] 「落葉樹」(1986) 新藤兼人:原作・脚本・監督 
じつは新藤兼人監督というのは先入観であまり好きではない監督さんなのだけれども、この「落葉樹」なんか観ると、やっぱりきらいだね、と思ってしまう。
まずはこの作者の自意識が露骨に出てるあたりがイヤ。登場する小林桂樹はまさに監督の分身だし、本として出版したわけでもなさそうな「原作」を、クレジットとして「脚本」と「監督」に並べてじぶんの肩書きにしてしまうのもイヤ(これは映画中の小林桂樹が小説を執筆したとの設定になっているわけで、その小説がこの「原作」になっているという、ちょっとしたレトリックなのだろう)。そして、映画のなかでその小林桂樹の愛人みたいな感じで梶芽衣子なんかが出てくるのも、とってもイヤである。そしてなによりも、臆面もなく、こういう母への追慕をこういうかたちで作品にする神経が、とにかくイヤなのである。
ただ演出面では面白いと思った部分もあって、冒頭の、サーカスのジンタで登場人物が回転木馬に乗って回転している場面、そのあとの子供時代のはきものを投げてコウモリを呼び寄せるシーンの、いかにも作りものくさい感じ、リアリティを離れた、妙に演劇舞台っぽい部分の演出とかも、好きではある。まあそうすると、わたしの気に入った部分は「フェリーニのアマルコルド」みたいなものかな、という気分にはなる。
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