ワニ狩り連絡帳 このページをアンテナに追加 RSSフィード

       

■ 2012-01-18(Wed)

[]「トロッコ」(2010) 川口浩史:監督 リー・ピンビン:撮影 「トロッコ」(2010)  川口浩史:監督 リー・ピンビン:撮影を含むブックマーク

 撮影がリー・ピンビンで、主演に尾野真千子の名があったので観てみたけれど、リー・ピンビンの撮影を堪能できた、という以外は、まるで観るところのない作品だった。

 そもそもすべての登場人物がモノローグをくり拡げるだけで、いわゆる「展開」というものがなにもない。それに、舞台を親日的な「台湾」に置くことで、日中戦争からのもんだいを、なにもかも「いいかげん」にスルーしてしまっている。登場人物は演出の都合上勝手に動かされているだけで、「物語」として考えれば、なにひとつ解決もしていないまま、いつのまにか「いいかげん」に終わってしまっている。まあ珍しいぐらいに「いいかげん」な作品、だと思った。




 

ステディベアステディベア 2012/03/06 21:38 こんにちは。私もつい最近見たところで、実は大変感動してしまいました。
というのも、DVDで3回見たので、細かいところまで確かめることができ、この作品の狙いと奥深さが理解できたからです。「洗脳」はCIAの得意技なのです。

>奇妙にSFチックでリアルさが感じられないこの映画での「洗脳」よりも、もっとリアルな「洗脳」が現実にはあるんじゃないの

いえいえ、あれはあれでリアルなのです。作家の立花 隆が当時最新のUSA見聞録を書き残しています。サルの脳神経の一部(快楽中枢)に細工を施し、例えば右に進むと不快な信号を、左に進むと心地よい信号をリモートで送り込む、というものでした。これによりサルはあたかも自分の意思で自分が満足する行動を取り、結果的に操られていることにさえ気がつかないという実験でした。原理的には人間にも十分応用が利くもので、これを施した兵士はどんな危険な任務や行動でも、自ら喜んで向かう・・・。今回のリーヴ・シュライバーが正にそれでした。
また、デンゼル・ワシントンのほうは、72時間程度の不眠状態に置けば、人間は大抵洗脳できる、という理論的確率から施されています。

>なんだか演出としてもあれこれと整理がついていない印象を受けた。

演出は実によく計算されており、観客への最後の救いとして、ショーンがエレノア(母)との間の近親相姦の嫌悪感に覚醒し、自らの兵士たちへの償いも併せ、敢えて狙撃直前に母と一緒に立ち位置を変えたのでした。マルコもショーンの表情から直前に洗脳から覚醒し、二人まとめて射殺したのです。
因みに、大統領が死んだ場合には、自動的に副大統領のショーンが繰り上がって大統領になるというエレノアとマンチュリアン・グローバル社の狙いをマルコが忌避したのは言うまでもありません。

>60年代の「空想科学」が「現実」に通底する部分と、ゼロ年代のそれとは、根本から違うんじゃないのか、という感じ。この作品はそういう60年代の「謎」と、ゼロ年代とを通底させようとしている気配があるのだけれども、こういう脚本、演出では、「違うんでないの」という気がしてしまう。

シナトラが演じた60年代は国家の脅威が共産主義でしたから原題がマンチュリアン・キャンディディト(共産主義候補者)だったのですが、リメーク版でそれはなかろうということから、マンチュリアン・グローバル社(巨大産軍複合体、本物でいえばハリバートン社)に置き換えたのでした。
十分にありうるストーリー・プロットだと思いますよ。

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