ワニ狩り連絡帳 このページをアンテナに追加 RSSフィード

       

■ 2014-07-09(Wed)

[]「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」 ジョエル・コーエン イーサン・コーエン:脚本・監督 「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」  ジョエル・コーエン イーサン・コーエン:脚本・監督を含むブックマーク

 ‥‥わたしの記憶力には障害が出ているので、このコーエン兄弟の作品である程度思い出せるのは、「ブラッド・シンプル」と「ミラーズ・クロッシング」ぐらいしかないのだけれども、それでも彼らの作品はだいたい全部観ているはず。そういう彼らのフィルモグラフィーの中でも、これだけシブい作品というのはなかったんじゃないだろうか。

 舞台は60年代初頭のニューヨークで、そこのライブハウスで活動するフォーク・シンガーが主人公。ほとんどホームレスで、友人知人宅を行き来してソファーに寝かしてもらう生活。やることなすことうまく行かず、まずはニューヨークを捨てようとするのだがそれもうまく行かず、かつて(親の代から)やっていた船乗りの生活に戻ろうともするのだけれども、そっちもうまく行かない。そういうどうどうめぐりの日常が、この「エンディングが導入部につながる」作品の中に示される。でも、こういうところから、ボブ・ディランも出て来たんだよね、というラスト。渋い。

 前半には二匹のネコ(一匹は、あとでオデッセイアという名まえなのだと明かされるが、この二匹を演じているのは同じ一匹のネコだろう)が大活躍する。よくネコを使ってこんなシーンを撮れたものだと感心してしまったりする。しかし、しかしだよ、わたしは、二匹目のネコをジョン・グッドマンとともに見捨てる展開が、どうしても許せない! ‥‥成り行きとして、もうあれ以上あのネコを連れて行けないことはわかるのだけれども、やはり「見捨てて」いる。そのあとの交通事故もいやだ。

 演出としては、コーエン兄弟もひとつ抜け出したかなというところもあり、次回作が楽しみにはなってしまった。


 

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