ワニ狩り連絡帳 このページをアンテナに追加 RSSフィード

       

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■ 2017-04-22(Sat)

[]水族館劇場「この丗のような夢」桃山邑:作・演出 @新宿 花園神社境内特設野外舞臺「黒翁のまぼろし」 水族館劇場「この丗のような夢」桃山邑:作・演出 @新宿 花園神社境内特設野外舞臺「黒翁のまぼろし」を含むブックマーク

 三年ぶりになるという、「水族館劇場」東京公演。けっきょく前回までの公演地、太子堂八幡神社での継続は出来なかったようで、それでもアングラ芝居の本拠地「花園神社」に進出。わたしは水族館劇場の公演は「駒込大観音」時代、葉月螢さん在籍時からかれこれ二十年ぐらい観続けているのだけれども、とにかくは継続してくれているということに感謝。そしてこの「花園神社」で新展開もあるのだろうか?という期待と。

 基本的構成は変わらず。まずはプロローグの外空間での「顔見せ」があり、それから劇場に入っての本番。前半と後半で大きな舞台転換があり、それぞれのラストで大量の「水」が奔流となって降り注ぐ。ストーリーも、今までは近代日本史の中で流浪する人らをメインに、現代日本への怨念と過去へのノスタルジーが混ざり合ったような独特の空間を創出するのが今までの水族館劇場だったと思うのだけれども‥‥。

 今回のストーリーの根幹は、どうやら江戸川乱歩の「パノラマ島奇談」。というか、ほとんどまんま「パノラマ島奇談」な進行なのだけれども、それらのストーリーはセリフの語りで説明されていくばかりで、せっかくの舞台装置がストーリー展開に活かされていたという感じではない。あと、看板役者の千代次や風兄宇内らを出さなければいけないという制約からか、そのメインストーリーにほとんど絡むことのないサブストーリーで彼女らが出てくるわけだけれども、けっきょく観終わって、「あれ?千代次や風兄宇内はけっきょく何だったの?」みたいにもなる。というか、終わってしまえばけっきょくすべてが「何だったの?」ということでもあるのだけれども。

 でもやはり、「水族館劇場」の魅力というのは、そういう現代演劇的なストーリー展開や演技にあるわけではなく、ある意味「見世物小屋」的な空間の創出の見事さ、そして、「反」演劇というべきか「非」演劇というべきか、演劇的鍛錬からはほど遠い、まさに「確信犯」的な稚拙な演技をみせる役者たち。そんな役者たちと「年を経てもいつもヒロイン」という千代次の緑魔子的な存在と、「これぞ怪演」という演技をみせる風兄宇内、この二大看板役者との対比の妙というか(今回はこれがうまくいってなかった感があるが、ここに今回は「元宝塚」という姉御が加わって締めてくれた)。

 宙に浮かぶ木舟、プロペラを旋回させて舞う戦闘機、そして前半ラストで無意味に水中から登場する竜(この造形はすばらしかった!)、そういう舞台装置の中から立ち上がるスペクタクル。その中にどこか、「水族館劇場」の目指す「反近代」とでもいうような視点が透けて見えてくる。そこにこそ「水族館劇場」の魅力があり、だからこそわたしは「水族館劇場」を観続け、これからもまたきっと、彼ら彼女らの舞台を観に来ることだろう。

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