ワニ狩り連絡帳 このページをアンテナに追加 RSSフィード

       

■ 2018-03-30(Fri)

 昨日はほんとうに暖かい一日だった。夜に半袖Tシャツにジャケットだけで外を歩いても、「肌寒い」などと感じることもなかった。上野では夜も野外で花見をする人たちにあふれていたけれども、快適な「花見日和」だっただろうと思う。

 今は年度末でダンスなどの公演の集中する時期で、わたしも今日もお出かけ。夜六時半から、仙川の「せんがわ劇場」で、北村明子さんのCross Transitの公演を観る。乗換案内で経路や時間を検索するのだが、わたしは京王線というのはいちど新宿に出て乗り換えるのがあたりまえと思い込んでいたのだけれども、実は新御茶ノ水駅で都営新宿線に乗り換えれば、いちどだけの乗り換えで行けることがわかった。それは知らなかった。それならばよく行く代田橋の「N」にも、もっとかんたんに行けるわけだ。
 四時ぐらいに家を出れば充分に間に合うこともわかったので、昨夜遅くまで飲んだ寝不足分を取り戻しておこうと、仕事から帰ったあとはアラームをかけて昼寝をした。‥‥いい時間に目が覚めて、今日は昨日ほどに気温は上がらないということではあったけれども、昨日と同じ恰好で出かける。

 なるほど、新御茶ノ水駅から都営新宿線の小川町駅への乗り換えもそんなに歩かされるわけでもなくって容易いし、楽々とすわって行けるのもいい。

 都営新宿線はそのまま新宿から京王線に乗り入れているのだけれども、電車が新宿駅に着いたとき、電車の外、ホームの方で何か騒々しい。女の人の大声が聞えてくるのだ。「どうしたのだろう」とホームの方を注視していると、帽子を被った中年の女性がひとり、大声で叫びながら歩いてきた。日本語で叫んでいるのだけれども訛りがあり、中国かどこかアジア系の人だと思う。だんだんといっていることが聴き取れるようになったけれども、「日本はひどい国だ! みんな鬼のような顔をしている!」といっているのだった。まわりの人は彼女のことを無視している。いったい何があって彼女がそのように叫んでいるのかはわからないけれども、事情もわからないから皆傍観するしかないのだろう。
 わたしは一面では「そんな言動がまた<差別>につながってしまうのにな」と思ってもいるのだけれども、その彼女の<ことば>自体からは、「あ、わたしも<鬼のような顔>をした一人なのか」とも思うわけでもあったし、金曜日の夕方の仕事を終えての帰宅時間、そういう混み合った通勤電車の中では、みんな殺伐とした空気もあるだろうとも思うのだった。わたしはそういうラッシュアワーに乗り合わせることはあまりないのだけれども、たまにそういう電車に乗ると「いやだなあ」と思ってしまうことはある。ちょっと動いてくれれば駅ごとの乗り降りでもっとスムースに動けるのに、と思うのに自分の立っている場所を死守しようとばかりに踏ん張って動かない人とかには、たしかに不快になる。そんなとき、わたしも<鬼のような顔>になってしまっているかもしれない。心にゆとりを持ちたい。叫んで歩いていた女性が、そんな不愉快な思いをしないような世の中になるべきだ。そう思った。

 仙川駅に着き、劇場に入って開演を待っていると、うしろから「トン、トン」と肩を叩かれた。振り向くとMさんだった。ああ、うれしいな。これで、終わったあとMさんと飲みに行ったり出来るかもね、などと思う。

 舞台の感想は下に書くとして、終演後、Mさんと「飲みに行きましょうか?」ということになり、まずは仙川界隈で飲み屋を探す。これは書いていいかどうかわからないけど、どうせイニシャルだからわからないから書くけど、先日飲んだFさんと、このMさんとは、ヘヴィースモーカーというか、禁煙区域の路上でも平気で喫煙してしまう。まだFさんは「ヤバい」という意識もあるようだけれども、Mさんはほとんどおかまいなしに路上喫煙する。今日もそうやって二人で歩いているとMさんはタバコ喫うのだけれども、そんなわたしたちをパトカーがゆっくりと追い抜いて行く。わたしは「ヤバいよ」というのだが、Mさんは「警察は禁煙チェックしないでしょ」など平気なのである。あ〜あ、知らないよ、って思ってたら案の定、パトカーは停車して警官が降りてきて、わたしたちのところに来る。「すみません、ちょっと質問を」などと、職務質問の体勢である。え〜っ! 禁煙地域での喫煙を注意するのならわかるけど、職務質問かよ!と、わたしもちょっとキレそうになる。「どちらにいらっしたのですか?」と聞くので、「そこの劇場に行ってきたところ」と答え、「あなた、さっきタバコを捨てましたよね?」とMさんに聞き、Mさんは携帯灰皿持ってるし、決してポイ捨てはしないので、「捨ててません」と答えると、「とにかくはこの地域は禁煙ですのでよろしく」ということで去って行った。ま、あっさりとした尋問(?)でよかった。

 それで仙川駅前辺りで居酒屋とかを探すのだけれども、「いい感じ」という店は満員で、「ではここにしようか」という店は「禁煙」。それではMさん宅のある笹塚に移動しましょう、ということになり、Mさんの知っている店に入った。

 わたしの記憶からはもう消えてしまっているのだけれども、以前にもわたしはMさんと二人で飲んだこともあり、Mさん宅に泊めていただいたこともあるという。意外と深い付き合いだったのだな。Mさんとの会話は、いろいろな舞台の感想とかでそれなりに深くもあるし、話題の幅も広い。Mさんは友だちも多く、皆に慕われている存在だけれども、それも当然のことというか、この夜もMさんのあたたかい人がらに触れる思いがして、この夜にMさんといっしょに飲めたということをうれしく思うのだった。


 

[]北村明子・アジア国際共同制作プロジェクト Cross Transit「vox soil」北村明子:演出・構成・振付・出演 @仙川・せんがわ劇場 北村明子・アジア国際共同制作プロジェクト Cross Transit「vox soil」北村明子:演出・構成・振付・出演 @仙川・せんがわ劇場を含むブックマーク

 この日記をみると、ちょうどほぼ5年前(2013年3月29日)に青山で、北村さんのソロ・ダンスを観ていることがわかった。そのソロ・ダンスのこともほとんど記憶から消えそうなのだけれども、ただただ「すばらしいダンスだった」という記憶はある。それからは「この人のダンスは観なければ!」という思いで観つづけているけれども(というほどの回数でもないけれども)、たしか前回まではインドネシアとの共同制作で、インドネシアの文化を吸収して日本のダンサーらとの「融合」を目指すような舞台だった(「前回まで」というのはまちがいで、前回はカンボジアとの共同制作だったか?)。今回はインド北東部マニプール州のミュージシャン、マヤンランバム・マンガンサナを芸術監督に迎え、その伝統音楽「ペナ」を取り入れながら、6人のダンサー(北村明子を数えれば7人)による作品。

 カンボジア、インドネシアの男性を含むダンサーたちは皆力量があるわけだけれども、わたしはそんな中でも、西山友貴というダンサーに目が釘付けになってしまった。その身体のキレとしなやかさ、リズム感が圧倒的。近年はいろんなダンサー/振付家の作品に参加されているようだけれども、圧倒的。これからも注目して行きたいと思ったダンサーだった。

 今、過去の日記を読み返してみると、前回(2016年10月)の"Cross Transit"の公演はカンボジアとの共同制作で、ポル・ポト政権下での暗い過去というものが、カンボジアの写真家の写真とのコラボレーションが印象的だったようだ(って、実は記憶していないのだが)。そのことに比すると、今回の公演でのマニプールの音楽とのコラボレーションは、それがうまくいっていたのかどいうか、今のわたしにはわからないところがある。
 ただ、この人数のこのダンスに対して、劇場の舞台はやはり狭すぎるのではないかと思えたし、ダンサーらの黒い衣裳に合わせたかという舞台美術が良かったかというと疑問。「ストロボライト」というのも、演出としてどうですかね?という感覚も。

 この"Cross Transit"は、この秋にも次作が予定されているようなので、また期待したい。

 

 

 

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