ワニ狩り連絡帳 このページをアンテナに追加 RSSフィード

       

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■ 2018-05-30(Wed)

[](15)わたしの好きなISB (15)わたしの好きなISBを含むブックマーク

 今日は、昨日買ったこのバンドの「Earthspan」と「Changing Horses」のCDを聴いているわけだけれども、改めて、わたしがこのバンドに惹かれるところのことを書いておく。

 わたしがいちばん最初に買ったこのバンドのアルバムは、昨日も買った「Changing Horses」だったけれども、「なぜそのアルバムを買ったのか」というと、当時いろいろと紹介されていた各種アルバムの中で、このバンドのことだけをまるで知らなかった、ということが理由だったと思うのだけれども、それでみごとにこのバンドに夢中になってしまい、即、既発のこのバンドのアルバムをぜんぶ買ったのだった。

 当時わたしが夢中になって聴いていたのはフランク・ザッパとかだったのだけれども、1972年ぐらいにマザーズからフロー&エディが脱退したあたりから、わたしにはあまり刺激的な音というわけでもなくなってしまっていた。もちろん、ザッパの影響から、いろいろな<前衛音楽>も聴き漁っていた時期だったけれども、ま、そういうのはいいんだけれどもめんどくさくってね、年がら年中そんなアルバムに浸るということもなかったわけで。

 とにかく、その頃のわたしのモティヴェーションは「聴いたことのない音」ということに尽きるのだけれども、そうすると通常の「ロック」などというものは、どれも既聴感があって、わたしがハマることもない。そんな中で、この「インクレディブル・ストリング・バンド」の音には、思いっきりハマりましたね。ひとつには、「その音楽は何よ」と問いかけても、答えがわからない。それでいて、どこか遠い過去に聴いたことがあるような「懐かしさ」がある。分類しようとしても分類しようがない。「聴いたことのない音」といえばまさに「聴いたことのない音」だろうけれども、心の奥に「知ってるよ」という気もちがある。そこにガンガン惹かれて行き、たいていのアルバムには夢中になってしまったという次第。

 バンドの中心メンバーはロビン・ウィリアムソンとマイク・ヘロンのふたりなのだけれども、このふたりの対比も見事だった。ロビンには世界の民族音楽への広い知識と、それを演ずる力量とがあり、それは単に「民族音楽の再演」ではなく、「西欧的な視点からの再解釈」があった(これは「オリエンタリズム」ともいえることで、今でもそのことは考えなければならないのだけれども)。マイクの原点には「ポップ/ロック」があるのだろうということは、わたしがこのバンドを聴きはじめたときには充分に感じ取れたところがあったけれども、しかし、彼の書く曲には他にない「ポエジー」があり、そこに「魂の純粋(ピュア)さ」を思わせるものもあり、ロビンの書く詩の、どこか叙事的、神話的/宇宙的な文学的世界と、見事な対(つい)を成すように思えた(このことは、これから書いていく上でも大事なテーマになるでしょう)。

 決して通俗的なラヴソングを歌うことのないこのバンドの、その詩の世界にも強く惹かれ、それは今でも、わたしの世代(ジェネレーション)の讃歌だという思いが、わたしの中にはある。
 2018年の5月ももう、明日でおしまいだけれども、今から50年前の世界はつまり、「1968」の年だった。特にフランスの「五月革命」とはまさに、今から50年前のこと。やはり、前にも書いたことだけれども、その「1968」とは何だったのか、(少し遅れてだけれども)このインクレディブル・ストリング・バンドに夢中になっていたわたしが、考えてみたいと思っているわけです。


 

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