ワニ狩り連絡帳 このページをアンテナに追加 RSSフィード

       

■ 2018-11-30(Fri)

[]「フェルメール展」@上野・上野の森美術館 「フェルメール展」@上野・上野の森美術館を含むブックマーク

 入場するときに配られる小冊子パンフには、「フェルメール作品10点」を集めた、などと書いてあり、実は10点でやるつもりだったのだな、とわかるし、時間もたっぷりあったのだからこのあたり修整しておけばよかったのに、などとは思う。それで、会場で数えてみると、9点来ているという告知だったのに、どう数えても8点しかないので、近くにいた係員の人に聞いてみると、つまり途中展示替えがあり、今展示されている「赤い帽子の娘」は年内で展示が終わり、来年になってから「取り持ち女」という作品が展示に加わるのだということ。それで、その合間の年末年始には7点だけの展示になるのだと。

 わたしは2階に展示されていた同時代のオランダ絵画にはほとんど興味はなかったのだけれども、そんな中で、珍しくフェルメールの影響を受けたのだという画家、ハブリエル・メツーの2点の作品は、室内の光を的確に捉えていて、(すべてにピントが合い過ぎかと思うけれども)よかったと思う。

 それでフェルメールの8点だけれども、わたしはまず、小さな「赤い帽子の娘」の色っぽさが好きだ。帽子の陰になって逆光気味の顔の肌の色、そこにわずかに直接外光の当った頬、鼻先、そして唇。その半開きの唇に「ちゃっ」と描かれた白いポイントで、何というのか、「艶かしさ」というものが伝わって来るのだけれども、よく観るとその唇の白いポイントは、彼女の瞳の中にも「ぽつん」と置かれているし、それと鼻の頭の「ぽつん」とで、この女性の顔の中に三つのポイントをつくっているわけで、さらにその「白」という色彩は彼女の襟元の服、彼女の着ている紺の衣服の光の反射にもつながっている。「見事だなあ」と、見惚れてしまう作品だ。「この8点の中でどれかあげるよ」と、もしも気前のいい神さまがわたしに語りかけるようなことがあるとすれば、わたしは迷わずこの「赤い帽子の娘」を選ぶことだろう。

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 そしてやはり、「牛乳を注ぐ女」の色調の美しさ。これはやはり、現物を目にしてこそ意識する美しさで、彼女のまとう紺色のスカート(?)、その上の黄色い衣服、その袖の部分のくすんだ緑色とが、彼女の持つ茶色の壷の色彩とマッチしている。というか、この作品全体の色彩、光と影との調和には見惚れるしかない。

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 ‥‥いろいろとアレだよね、といいたくなる展覧会だったかもしれないけれども、ミュージアムショップで売られていた絵ハガキは、色彩、色調の再現度が高く、妙な画集で観るよりもいい。そう、売られていた図録は3000円とそこまで高額でもなく、けっこう充実した図録ではなかったかと思う(わたしは買わなかったけれども)。


 

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