ワニ狩り連絡帳 このページをアンテナに追加 RSSフィード

       

■ 2018-12-04(Tue)

 今日は暖かくなるという天気予報だった。仕事のあとは新宿に出て映画「ヘレディタリー/継承」を観ることにしてある。いちおう予定を立て、新宿でちょっと買い物をしてからそのあとに代田橋に行くつもりでいる。帰るのは7時頃になってしまうだろうか。ニェネントくんの夕食が遅くなってしまうけれども、今日はがまんしてもらおう。ごめんなさい。

 仕事を終えて、たしかに昨日などよりは暖かい。今日の昼食は久しぶりに日高屋でとんこつラーメンにしたのだけれども、汗をかいてしまった。新宿に出てこれも久しぶりに歌舞伎町の方のシネコンへ行き、先にチケットを買う。もうチケットの買い方を忘れてしまっていて、買うのに苦労してしまうのではと心配したけれども、大丈夫、そんな心配はいらなかった。
 映画は12時50分からで、まだ4〜50分時間があるので、近くの郵便局へ行って預金をおろしておこうと思う。いちばん近い郵便局は新宿区役所の中の郵便局。風俗街だね、という道を歩いて行くと、まだ真っ昼間だというのにわけのわからない呼び込みというか、そういう人物に声をかけられたりする。もうちっと<健全>な道を歩こうと道を変えようとしたら、目の前に白黒ブチのかわいいネコが跳び出してきた。路地に入って行ったネコをちょっと追うと、わたしの方を振り向いてしばらくじっとしていた。人慣れしているのか。きっと野良ネコだと思うのだが、このあたりの飲食店の人たちとかにかわいがられているのではないだろうか。おそらく食べものに不自由することもないんじゃないかな(ちょっと写真がボケボケだけれども)。

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 郵便局で用事を済ませ、映画館へ戻る。座席にすわると、ポップコーンとコーラの匂いが匂ってくる。「シネコンの匂いだな」と思う。平日だけれども席はけっこう埋まっている。ウチの近くの映画館のように年配の人がほとんど、というわけでもない。映画が始まって、それなりに「怖い」というか「うへぇ〜」というシーンも多いのだけれども、気にしていたわけでもないのだけれども、わたしの隣にすわっていた人が、そういう怖いシーンでは自分の頬に手をあてているのに気づいたのだけれども、そう思うとわたしも同じに頬に手を伸ばしていたわけで、「あれ?」と思って反対側にすわっている人の方をちらりと見ると、その人も頬に手をあてていた。どうも、人は映画の怖いシーンを観ているとき、無意識にその頬に自分の手をあててしまうのではないかと思った。これは何だろう。「怖いぞ」と思って観ていて、その怖さが耐えられなくなったときに、すぐに自分の目を覆ってやって、画面を見ないようにするための準備ではないのか。そんなことを考えた。

 「いや〜、まいったね〜」という映画が終わって外に出ると、映画館に入ったときよりもたしかに暖かくなっている。歩いていると汗ばみそうな陽気だ。目的の店に寄って目的のものを買い、次は京王線に乗って代田橋へ行き、これも久々の「N」へ寄る。店に入ってみると、この日はオーナーのBさんがひとりでやっていて、火曜日はCさんは休みなのだと。それと、今は店は5時からにしたのだということ。まだ5時にはちょっと時間があったのだけれども、かまわないというので、この陽気ですからね、まずはビールで。それからまたいつものHabana Club7年のロックをいただいて、伝える用事も伝えたので、ちょっと早めだけれども5時半ぐらいにおいとまする。
 帰りの電車はまさに「帰宅ラッシュ」で混み合っていた。やはり家に着いたのは7時ちょっと過ぎだった。ニェネントくんに「遅くなってごめんね」とごはんを出してあげるが、「遅くなってごめんね」と声に出して言うと、わたしが小さかった頃に流行った、「かおるちゃん、遅くなってごめんね」という歌い出しの歌謡曲のことを思い出してしまうのだった。もう誰が歌っていたのかは思い出せないけれども、たしか「花は遅かった」とかいうタイトルで、おそらくその「かおるちゃん」は病気で死んでしまうのだね。それをボーイフレンドの男の子が歌っているという曲で、とちゅうに「大っ嫌いだー!青い空なんて!」って語りの、絶叫が入るのだった。ま、そんなことはどうでもいいとして、わたしも昨日の残りの「水炊き」で夕食にする。
 夜になっても部屋の中でも何だか暖かくて、テレビをみるとなんと、この日は気温が20度を超えたのだという。半袖で出歩いてもいいぐらいの日だったのか。この夜はパジャマも着ないでふとんにもぐり込んだのだけれども、寒いとは感じなかった。それで昼間観た映画のこととか思い出したりして、なかなか寝つけないのだった。

        

 

[]「ヘレディタリー/継承」アリ・アスター:脚本・監督 「ヘレディタリー/継承」アリ・アスター:脚本・監督を含むブックマーク

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 「この50年のホラー映画の中の最高傑作」だとか、「21世紀最高のホラー映画」だとかの文句も目にしたし、とにかく怖いのだと評判の映画。わたしはとにかくトニ・コレットが主演を張ってるし、ガブリエル・バーンも出ているっつうので観に来た。トニ・コレットが映画で主役を演じるのって、ひょっとしたら、わたしが彼女のことを知るきっかけになった彼女の(ほぼ)デビュー作「ミリュエルの結婚」以来のことなんじゃないか知らん(テレビではけっこう主役をやっているらしい)。監督のアリ・アスターという人のことは知らなかったが、それもそのはず、この作品が長篇初監督作品なのだという。それでタイミングよく、このアリ・アスター監督の好きな映画監督というのがネットに上がっていたのだけれども、それをみるとまずはベルイマン、そして溝口健二、エドワード・ヤン、そしてハネケ、ポランスキーなどの名が上がっていた。今どきの監督には珍しい(?)すっごい「アート指向」なのではないか。

 さてそれでこの映画本編。これが「ローズマリーの赤ちゃん」だとか「エクソシスト」みたいな、思いっきり「オカルト・ホラー」なのだった(ちょっと、「オーメン」も入ってるか)。これが「ある家族」の物語なわけで、その祖母が亡くなったというところから話は始まる。残された夫婦の夫ピーターがガブリエル・バーンで、妻のアニーがトニ・コレット。ここに高校生の長男と13歳の長女とがいる。話で祖父は分裂症で餓死し、アニーの兄も過去に自殺していたということ。それで残された家族の中でもあれこれと、表に出て来ない確執があるわけだ(一気に吐露されるシーンもあるのだが)。とにかくはパーティーに出て気分の悪くなった長女は、長男の運転する車に乗って帰宅する途中、車の窓から顔を乗り出したところで道路に立つ柱に頭をぶつけ(切断して)死んでしまう。‥‥ま、いろいろあるのだけれども、アニーは近所で開かれている<降霊会>なるものに出席し、祖母の霊を感じるのだが‥‥。ストーリー展開はかなり面白い。

 むむむ、「怖い」というよりも、わたしにはちょっと「えげつない」とか「禍々しい」とかいう感覚だったのだが、もう途中からは「これでもか!」という連続技になるし、トニ・コレットは楳図かずおのマンガの登場人物みたいな顔するし、かなり強烈な映画ではあった。わたしは途中の家族間の確執が浮き彫りになってくるあたりで「あれ? 黒沢清みたいだな」とも思ったのだけれども(「ハネケみたいだ」という展開もあった)、そんなところでは収まらないというか、ラストにはもう笑ってしまったのだった。

 観終わってしまえば、これはもう「やりすぎ」というか「オーバードゥース」というか、トゥーマッチな感覚。シリアスにやろうとしているのか、ハリウッド的にやりたいのか、ちょっと判別がつきかねるところがある。とにかくは、「霊」を表わすつもりだろうが、あのいかにもハリウッド映画的な飛び交う「怪光」というのはよろしくない、とは思うのだった。


 

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