ワニ狩り連絡帳 このページをアンテナに追加 RSSフィード

       

■ 2018-12-26(Wed) このエントリーを含むブックマーク

 ニェネントが、リヴィングの窓際に座って、じっと窓を見ていることが多い。ニェネントの位置の窓はすりガラスというか外が透けて見えるようなガラスではないので、外を見ているのではなく、「窓ガラスを見ている」もしくは、「じっと窓に向かっている」でしかない。人間がこんなことやっていると、それは「うつ病」を疑わなくてはいけない。ちょっと心配になって調べてみたのだけれども、たしかにネコにも「うつ病」はあるのだけれども、その症状はどれもニェネントにはあてはまらない。それで、「ネコがじっと壁を見ている」ということを書いたサイトがあって、「これだこれだ」と読んでみたのだけれども、つまり、ネコというのは(意外にも)それほどに眼がいいわけではなく、視力よりもずっとずっと、聴力にたよって生活しているのだ。ネコの耳は人にはまるで聞えない音も聞えてるからね。つまり、そうやって「何も見えない壁」とかに向かってじっとしているというのは、その壁の外の音に注意を払っているのであると。なるほど。それならよく理解できるし(ウチの中でいちばん外の音が聞えるのはたしかに、そのニェネントが座っている場所かもしれない)、あまり心配しなくってもいいみたいだ。‥‥しかし、ニェネントは窓の外のどんな音を聴いて、何を思っているのだろうか。

 注文してあった「ナボコフの文学講義」の下巻が届いた。まったくの美本で、もちろん読んだ形跡もない。新本を三割引きで買えた、というところでうれしい。読みたかった「スティーブンスン」の章をパラパラと読んでみる。

 さて、「夕食は何にしようか」と考え、冷凍庫の中で毎夜、故郷の海のことを思い出して涙を流しているにちがいない「まぐろの血合い肉」を調理することにした。煮物にするわけで、ずいぶん前にやってうまくいったことがあるから、ま、だいじょうぶだろうと思っていた。まずはレンジで解凍してやって、鍋の中に水を張ってその中に入れ、おっぺしてやって血を抜くのだ。しかし、今回はいつまでもいつまでも血が抜けないというか、赤くなった水を捨ててあたらしく水を入れてやっても、まだすぐに水が赤くなる。しかもいつまでも生臭い。そんなことをやっているうちに、水の中でぐしょぐしょにされたまぐろ肉はだんだんに変形、変質しはじめ、まるで深海にたたずむ未知の軟体生物みたいになってきた。よくみると「ここはぜったいに食べられないな」と思えるような白い筋も目立っているし、むむむ、やばそうだ。‥‥とりあえず、もう水を取り替えてもそこまでに赤くはならないな、というところまで持ち込んだのだけれども、その頃には、コレが実はまぐろの肉だったのだとはとても思えない容貌になってしまった。
 ‥‥とにかくは、調理してみようと、しょう油とか酒とか味醂とかといっしょに煮込んでみる。って、そうやって加熱してみても生臭さは消えないというか、よけいに強烈になってしまったように思える。しばらく煮込んで、ちょっと味見してみるが、こ、こ、これは食えない。この味は、モグラでも食べないで跨いで逃げて行くだろう。こんなすごい味の物体を調理したことは、今までに一度もない。なんということだ。コレはゴミ袋へ直行便だ。早く消え去ってほしい。

 ‥‥いったい何が悪かったのかわからないが、そもそもの素材が調理不可能な素材だったようにも思える。ま、25円だったからね〜。とにかく、この悲惨な結果に何ごともやる気が失せてしまい、夕食はもうサバ缶でかんたんにすませ、「今日はもうダメ」と、予定していた作業もすっ飛ばして、昨日「食事のあとに早く寝てしまうのはやめよう」と考えたばかりなのに、7時前にはベッドにもぐりこんで寝てしまうのだった。


 

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/crosstalk/20181226
   3223317