ワニ狩り連絡帳 このページをアンテナに追加 RSSフィード

       

■ 2015-03-03(Tue)

 「ひかりTV」などで放映される映画などを録画しているHDDが、満杯になっている。そもそもが録画してしまえばそのことで安心し、観ないでそのまま放置してしまうことで前に持っていたHDDが壊れてしまい、すべて録画してあった映画などが観られなくなってしまったわけではある。それ以降は録画したものは出来るだけ早い機会に観てしまい、消去してしまおうとしているのだけれども、外出したりして録画が観られなかったり、一日に複数本録画したりしてしまうととても追いつくものでもなく、こうやってまたHDDが満杯になってしまう。「コレが観たい!」という欲求をもっと抑えた方がいいんだろうかね。

 このところ悩まされていた胃炎の方もなんとか治癒の方向に向かっていて、まだ多少気になることはあるけれども、普段の生活リズムを取り戻せるようになった。それであしたはしごとも非番なので今日は映画でも観に行こうかと思ったのだけれども、けっきょくはダラダラしてしまって行かないで終わってしまった。今夜の天気もあまり良くはないみたいだし、あしたはとなり駅の市民病院へ早い時間に行くつもりでいるので、そのついでに東京に出て観たい映画を観ればいいという気分。

 何がきっかけになったのかわからないけれども、このところは「アタマ」の調子が良好というか、ダラダラしつつもあれこれと思索を拡げることが出来るような気分ではいる。この調子でやって行きたい。


 

[]「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」(2008) 若松孝二:監督 「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」(2008)   若松孝二:監督 - ワニ狩り連絡帳 を含むブックマーク

 映像としての基本はあまり観るところもなく、テレビなどでやっている「再現ドラマ」の域を越えてはいないように思うしかない。ここでは照明がベタすぎるのだろうか。意外と照明というしごとは難しいものなのだろう。ただ、吹雪の中での行軍(?)のシーンや、終盤の「山荘」にこもってからの映像には力があったと思う。

 しかし、いくら「再現ドラマ」とはいっても、若松孝二氏の訴えたいところはあるわけで、そのあたりはちゃんと受け止められるような作劇だっただろう。

 個人的な記憶で書けば、実は「あさま山荘」へ機動隊の突入した2月28日は、わたしの二十歳の誕生日だった。あの日のテレビの実況中継はまさに記録的な視聴率をはじき出したわけでもあって、わたしのバカなオヤジも、「ほら、おまえの誕生日をこうやって日本中で祝ってるぞ」とあのときに言ったことを、今でも記憶している。思い出しても救いようのないバカな男だった。

 その「あさま山荘」の攻防戦では新左翼シンパの人たちからのシンパシーがけっこう寄せられ、わたしなどもそういう一人だったのだけれども、あさま山荘陥落後に待っていたのは壮絶な「リンチ殺人」の報道の連続、だった。このときに、たいていの「新左翼シンパ」の人たちも連合赤軍を忌まわしいものと思うようになり、新左翼運動は壊滅して行く。

 この「実録」は時系列にしたがって、まずは60年代の反安保闘争から「三派全学連」、そして「赤軍派」、「京浜安保共闘」の隆盛を追って行く。それから彼らの山岳キャンプへの逃走、軍事訓練の中から「自己批判〜総括」という「死」の行進へとなって行く。このあたりはとにかくはものすごくつらい描写で、観ていても何度か早送りしてしまいたくなってしまった。

 観ていれば、「いったいなぜ、あそこで<こんなのは革命運動ではない>と言えなかったのか!」などと思ってもしまうのだけれども、それは出来ないのだ。‥‥例えば戦時中の翼賛体制に対して、「この戦争はまちがっている!」などということは決して声に出せなかったように、この集団の中で、「これはちがう!」ということは言えなかったのだ。それが、それこそがわたしたち日本人の精神構造なのだろうか。

 ちょうど今は朝のテレビ小説「マッサン」が戦時中の時代にさしかかっていて、ドラマの登場人物はアリバイのように「この戦争はまちがっている」というし、これは前回のテレビ小説「花子とアン」でも同じような展開だった。そうじゃない。翼賛体制というのはそういうことがいえないからこそ「翼賛体制」というのだし、このときの連合赤軍もまた、そのような「翼賛体制」に陥っていたわけだろう。

 このときの赤軍を、例えば「森恒夫が悪い」とか「永田洋子が悪い」とかいうのは簡単だけれども、そうではない。そのときに行動を共にしたメンバーひとりひとりの中に、それぞれが「内なる森恒夫」、「内なる永田洋子」を住まわせているのだ。‥‥そんなことをいっているわたしにしても、状況が変われば、もっこりとわたしの中の「森恒夫」を成長させることにもなるのだ。この若松孝二氏の長大な作品は、そのことをこそ、観るものに「Watch Out!」と呼びかけているのだ。



 

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