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■ 2015-03-05(Thu)

 きのう観た二本の映画がどちらも重たくって、昨夜は帰宅しても寝付きが悪かったのだけれども、それよりもやはりFacebook でわたしの知っている人が愚劣なブログへリンクされたTLに「いいね!」していたことがショックで、そのことの方が寝付きの悪い原因になったのかもしれない。
 「ネトウヨ」などといわれるように、ネットなんて普通にみていけば、ほんとうにあきれてしまうような投稿にあふれている。検索サイトのトップページに掲載される最新ニュースへのリンクにしても、わたしの感覚では「この国はどうしてしまったんだろう!」というような記事に誘導されることが多い。今回の川崎の中学生殺人事件にしてもそうなのだけれども、タイトルをみれば「またそんなことを書いているか!」と想像できる記事がほとんどである。そういう記事が「世論」などというものを形成しなければいい。ただそういうことは願うので、知っている人がそういう意見に同調してしまうのをみるのは悲しい。

 進歩的にみせかけているヤツでも「お里が知れている」というようなことを書くヤツもいるわけで、そういうので記憶に残っているのは、やはりFacebook 上でリベラルぶったヤツが「これからは報道をみるのも戦いだ」みたいなことを書いていて、その輩もわたしはFacebook で「友達」登録してあったのでその発言(コメント)を目にしたわけだけれども、書くのもバカバカしいけれども、テレビなどの報道を見ていて、そのことに対して批判的な気分があったとしても、そのことを「戦いだ」などといえるわけがない。わたしなどはテレビの報道を見ながら、「このば〜か!」とか思ってしまえばそれですんでしまうわけだし、「こういう動きがある」と報道されれば賛同するとかいうこともある。しかし、「戦い」というのはそんな次元にあるものではない。あたりまえのことである。今書いていても「ばかばかしい」と思ってしまうのだけれども、そういう文言を、カッコつけていかにも自分が闘争しているかみたいにアピールするヤツは最悪である。わたしはそのときもその人物との「友達」リンクを直ちに切ってしまった。

 もちろん、部屋に閉じこもっていても、「闘い」というものはあり得る。それは自分との「闘い」でしかないだろう。僭越ながら、わたしがそのことをやっているつもりでいるからこそ、「報道をみるのも戦いだ」などという人物に「憎しみ」に近い感情をおぼえてしまうんだろうか。

 今日はそういう意味では「自分との闘い」でもある映画、「2001年宇宙の旅」を実に久しぶりに観た。記憶が失せているので、「なんとなく」しかおぼえていない映画。わたしにはコンピューター「HAL」の反乱と、木星での「スターチャイルド」の誕生、ぐらいしか記憶に残っていなかったのね。


 

[]「2001年宇宙の旅」(1968) スタンリー・キューブリック:監督 「2001年宇宙の旅」(1968)   スタンリー・キューブリック:監督 - ワニ狩り連絡帳 を含むブックマーク

 キューブリック監督の「意欲」を、強烈に感じる演出だった。とにかくは「映像」でこそ牽引して行こうという意志があり、音楽はすべて既成の曲のパワーにまかせる。「ツアラトゥストゥラ」の効果はあまりにも絶大だったし、わたし的にはリゲティの「レクイエム」こそが強烈ではあった。

 セリフなどで進行していく「ドラマ」は極端に抑えられ、とにかくは映像の力でみせていく演出。思ったのだけれども、この作品でいちばんセリフの多かったのはコンピューターのHALなのではないか。すべての登場人物が感情を表に出すこともない中で、人間ではないHALだけが感情的なコトバを吐露するというのも面白い。

 今観ても「映像」のクオリティは驚くほどに高く、これ以降2〜30年につくられたSF大作の映像が今では古くさく感じてしまうのに比しても、これはやはりすばらしいことだと思う。キューブリックはこの作品の上映に関しても当時で最高のクオリティを求めたわけで、そこでの選択肢が「シネラマ」上映という方式だったようだ。このあたり、日本での最初の公開も、おそらくは当時日本でいちばん大きなスクリーンを持っていたはずの「テアトル東京」でのことだった記憶がある。
 これは今の技術であればおそらくは「3D」を目指されたのではないかと思うし、観ていても「これを3Dで観ることができたらどんなに強烈なことだろう」と思う。特に、木星へ突入するあの「トリップ」を映像が3Dだったらどんなだろうと思うと、想像しただけで目まいを起こしてしまいそうである。
 別に3D映画というものを理想視しているわけではないけれども、やはりインパクトは感じてしまうわけではある。モノラル音源を疑似ステレオに変換する技術があるなら、通常映画作品を処理して疑似3D映画にとかできないんだろうか。う〜ん、やっぱり「疑似」では観に行かないかな。

 そう、ディスカバリー号の先端は球体になっていることはわかり切ったことだったけれども、スペースポッドもやはりほとんど球体のデザインで、このあたり、木星の形態、そしてラストに産まれるスターチャイルドを包む球体とも重なることに気づいた。あとは観ていてもやはり、「ゼロ・グラビティ」がこの作品の影響を強く受けていることが、あらためてしっかりと読み取れた。



 

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