くろうのだらオタ日記

だらけたオタクのだらけた駄々漏れ感想日記。基本的にネタバレです。

2007-06-11

[]明日菜とあやか、二人の年月 22:30

かなり勘繰った考察をしてみたい。それも相当無粋とも言える考察だ。

177時間目において描かれた明日菜とあやかの対決は色々な意味で興味深い。今まで、対等の喧嘩友達として付き合って来た明日菜とあやかだが、明日菜が受けた地獄の特訓により、あやかは明日菜に対して手も足も出ないほどの実力差をつけられてしまっていた。このシーンがどのような意味を持っているのか、私なりに考えてみた。

まず、いままでの明日菜とあやかは、いつもクラスの中の犬猿の仲、喧嘩友達として、「対等」の関係で対立していた。それが今回の描写では、明日菜が力をつけたことにより、その「対等」の関係が崩れた。言わばパワーバランスが崩れ、明日菜が上位に立ってしまったという事が描かれていると言える。明日菜は元々超人的な体力の持ち主であり、それに付き合ってきたあやかは、かなりの努力の上にその関係が成り立っていたのかもしれない。そう考えると、あやかの置かれた状況はかなり切ない、・・・という風な捉え方が出来るだろう。

しかし、この二人の関係はもう少し複雑なのではないか、と以前から思っていた。二人は「対等」の関係、とされているが、本当にそれだけの関係なのだろうか。

二人の出会いは明日菜があやかのクラスに転校してきた所から始まる。(14時間目)

この頃の明日菜は感情があまり無く、他を拒絶するようなかなり厄介な性格であった。対してあやかはお金持ちのお嬢様として、今と変わらず委員長を務めていたようだ。そしてあやかは、この頃明日菜に対して毎日の様に突っかかっていたらしい。(131時間目)それが単に気に入らないから、と言う訳ない事は、あやかの性格から明らかだろう。この当時の明日菜は結構気軽にあやかの家に出入りもしている。(14時間目)あやかは厄介な性格の明日菜の「面倒を見続けて」いたと考えて良いだろう。そうすると、二人は単純に「対等」とは言えなくなる。あやかは明日菜に対して、長い年月の中、膨大とも言えるエネルギーを注ぎこんでいるからだ。

二人の深い関係が初めて明かされたこの14時間目は、明日菜があやかの事を気遣うエピソードとなっている。これを先に提示された事から、二人が「対等」の関係として、互いに気遣いをしているかの様に感じさせられる。しかし実際には、このエピソードは明日菜があやかとの長年の関係に対して「感謝の気持ちを伝えた」という意味合いが強いのではないだろうか。

二人の関係をもっと明確にしているエピソードもある。明日菜がネギと喧嘩をした際、それをあやかが諌めるシーンだ。(62時間目)明日菜は内心ではすでにあやかの諫言を受け入れているが、それを最後まであやかに伝える事は無い。明日菜はあやかに対して最後まで甘えきっているのだ。この時の明日菜のあやかに対するじと目は印象的だ。子供の頃の無防備とも言える反抗的な目をあやかに対してだけ見せている。

そして、明日菜最大のピンチ、つまり高畑に振られた時もそうだ。その顔をうずめて泣いたのはあやかの胸の中である。(131時間目)こうして明日菜は、実はあやかに対して、常に反発しながらも甘えて育ってきたと言えるのではないだろうか。

明日菜には母親がいない。保護者としていたのは男性として憧れている高畑だけだった。それなのに、あの反抗的で孤独な性格は、時を経て社交性を持った明るい性格に、それはもう劇的とも言えるほどの変化を遂げた。それは、やはりあやかの存在が大きいと思える。言わば、あやかは明日菜にとって、「母親」とも言える存在なのかもしれない。そして、そんな擬似的な母子関係となれば、その両者は、単純に「対等」と言うわけにはいかないだろう。

しかし、もちろん二人は互いのクラスメイトであり、幼馴染であり、親友としての関係も築いている。それは二人がそう望む当たり前の関係なのだろう。しかし、親友であると言う事は、両者が「対等」の立場で成り立つもの。なので、現在の二人の関係はある意味綱渡り的な所にある。

親友と言える関係なのに普段の二人は互いに不干渉の立場をとっている。二人が係わり合いを持つ時は、ぶつかり合う時か、どうしても助けが必要な時くらいのもの。例えば、高畑に振られた時も、助けが必要となって最初はあやかの胸で泣いたのに、そのままではいられない。結局もう一人の親友、木乃香が側に付いていた。それは、明日菜とあやかがそれ以上の関わりを持つと、二人の本来の関係が明確になってしまうからではないだろうか。木乃香は親友として受け入れられても、あやかには受け入れきれない面がある。明日菜も性格的に成長し、既にあやかの世話を受けているだけの存在ではない。言ってみれば、それは反抗期の娘と母の関係に似ている。

明日菜とあやか、二人の関係は、「親友でありながら、母娘にも似た関係もあり、それを明日菜の方が良しとせず、また、その関係が必要ないほどに明日菜も成長していて、今までの年月の積み重ねの前に苛立ち、戸惑っている」そんな風に感じるのだ。

そして、今回の出来事が起こった。あやかは明日菜にこてんぱんにされてしまった。これは、一面あやかが明日菜に置いてきぼりを食らった、という状況だろう。

しかし、あやかが真に驚き、明日菜の事を見つめたシーンは別にある。それは、明日菜がネギの事を語ったシーン。

「面倒な奴だってようやくわかったから」協力する、という明日菜の決意の言葉だ。

これは正にあやかが明日菜に対してやってきたことの引き写しだ。子供を嫌い、他人を拒絶するような性格だった明日菜が、今あやかがやってきた事と同じ事をやろうとしている。そんな覚悟のセリフに、あやかは息を呑む思いで聞き入ったに違いない。

この後のあやかの表情は、明らかではない。彼女は一体何を思っただろうか。

確かに、体力の面で置いて行かれた、という切なさはあるだろう。

しかし同時に、明日菜があやかの所までやっと「追い付いてきた」、とも感じたのではないだろうか。

もちろん、例えそのような感覚があったとしても、あやかがそれを表に出す事は、決して出来ない。それを伝える事は、二人が今現在親友である事の否定になってしまうからだ。

だからその感覚はそのままあやかの中で人知れず消えていく事だろう。

しかし、これによって明日菜とあやか、二人の関係はやっと次の関係に進む事が出来るのではないだろうか。

二人が長い年月営んできた擬似的な母子の関係はここに終り、これ以降、本当の意味での「対等」な親友関係を作っていくのかもしれない。

ハンマーハンマー 2007/06/12 02:10 興味深く拝読させていただきました。
各分析サイトが「明日菜とあやかの関係」について、
ニュアンス的にネガティブな結論を導き出している中にあって、
個人的には側面的にこそ理解していたものの、
いまひとつモヤモヤ感…といいましょうか、
「もう一枚、ウラがあるんじゃないか」
といった思いがあったのです。

それを文章で見事に表現してあったので、感服に至り、
思わずコメントに書き込ませていただきました。

これからも鋭い分析をご期待申し上げます。

くろうくろう 2007/06/12 21:43 コメントありがとうございます。この文は、対等とされる明日菜とあやかの友情に、ある意味水を差す無粋なものなので、そのように言って戴けると嬉しいです。人は今居る立場から人との関係を築かなくてはならない。そこにどうしても上下関係とかの歪みが出来てしまう事がある。ただ、この二人は互いにそんな歪みを跳ね除けたくて反発し合っていた。反発していたからこそ真の親友だったと言える。そんな歪みを見ないで二人の友情は理解できない、という思いで書き綴りました。少し熱くなっていて、乱文の極みですが。ほんと、お恥ずかしい。

mitisihiniikimitisihiniiki 2007/06/12 22:56 私も同じように思いながら、読ませていただきました。
 問題はこれからですよね。ネギを間に挟んで、どういった関係が描かれていくのか。最終的にはある程度落ち着いた結論が出るのでしょうけど(恐らく)、その過程は・・・・・考えれば考えるほど、この3人は一筋縄ではいきそうにありませんねww

くろうくろう 2007/06/14 00:38 実を言うと、今後の二人の関係に急激な変化とかは無い様に思ってます。それほどまでに二人の関係は出来あがっている。また、二人の関係にネギが直接影響を及ぼす事もあまり無いような気がします。二人のネギに対する感情は、実は根本的な所で違っているように思うからです。反発し支え合う関係から共に歩む関係へ、静かにシフトするのではないか、というのが私の予想です。

mitisihiniikimitisihiniiki 2007/06/14 20:40  確かに急激な変化は私もないとは思うのですが、これからのことで、あやかに心境の変化があってもおかしくないと思うのです。単純にあやかが1歩引くといった結論が出てほしくない(予想される一つの結論ですが)。今回のことで、あやかがアスナに対してはっきりと嫉妬を感じるようになり、またネギに近づき、様々な思いを知り、共に行動をすることにより、ネギに対する姿勢が変化し始め、遂には・・・・・で、一悶着あるという展開を希望というわけです。無理ですかww
 そもそもいいんちょは魔法バレするのか・・・・でも、アスナの真相が明かされる時には、いいんちょが側にいてほしかったり・・・・いや、いいんちょはアスナの魔法関係とは別な代表格として・・・・う〜む。すいません、わからなくなりましたorz
 え〜と、ネギをないがしろにして話が進むとややこしいですねwwオチついたのかな・・・・

100siki100siki 2007/11/03 16:55  初めてお邪魔致します、100sikiと申します。
 ただ今、さまよってこの感想を読んでいて感嘆しました。 私があやかについて思ってる事をつらつら書いてみます。 一応、あやかにも魔法バレの方向に(AFは強力らしいし)行って欲しいと思ってはいますが、もしかしてそうならなくても良いのかしら?と思う事があるのです。 明日菜と白き翼が魔法世界にいる現在、明日菜の過去が判明し、記憶が戻る事はあり得ると思うのです。 そうなった時、明日菜にとってあやかとは何でしょう?明日菜の感情の獲得(再獲得か?は不明)はナギ達、赤き翼が発端ですが、明らかにこの過程はあやかが強く関与しています。 私は魔法世界の過去を思い出す明日菜にとって、あやかは「通常世界そのもの」または「楽しい日常生活」で、明日菜が学園に戻る時?いつか重要な核になる事を考えたりします(ネギは全く違う象徴になるかと)・・・これを一言でいえば「母」でもあるんですよね。 まああやかと部分的に重なる高音さんが魔法世界で代理になる事も考えてはいたのですが(ギャグとして)。 ここまで書いて来た事とずれていますが、明日菜が魔法世界から帰らない、戻らない展開になった時、あやかとネギが明日菜を取り返す・・・と言う妄想をした事があります。 唐突な長文を失礼致しました。