夏魂 新宿FACE

今年でこのライブも三回目。とはいえ、今年からは少し趣が変わっている。
参加者は「ぴちぴちピッチ」という「大傑作」アニメに出演していたキャストの集まり。と言っても主役級は一人もいない。それが、今年はそのピッチの看板をほぼ完全に取って、あくまで素の声優グループライブという事にしたかったようだ。確かに、今までもピッチの看板は公のものではなかったが。
ピッチソングの代わりに取り入れたのが「なつかし系アニソン」で、「キューティーハニー」であったり、「ロマンチックあげるよ」だったり。いや、それってしょこたんじゃん。
・・・三回目ということもあるし、今後につなげて欲しいという事もあるので、今回は少し苦言などを言ってみたい。
いや、イベントとしては決して悪くは無かった。出演者の誰もが魅力的だし、芸を持っているし、明るいし。進行も(マイクや幕など舞台道具に問題があったが)とてもスムーズで、かなり念入りに打ち合わせをしている事が分かった。
しかし、「ピッチ」という要素をはずした後のコンセプトが弱すぎる。やはりここに足を運ぶ人間は「ピッチ」を好きだった人が主なわけで、そんな者達が「一般人対応のオタク大使」であるしょこたんの歌うような、「薄い」アニソンなどを聞いて満足出来るはずは無い。これらは、オリジナル歌手が歌うか、懐メロ系ライブでしか聴きたいとは思えないものだ。もしやるならば、リアルでは再現不可能かもしれない「もってけ!セーラーふく」 に挑戦するなど、新しくて勢いのあるアニソンを持ってきて欲しいところだ。(いや、許可取れないかw)
さらに、曲数が少なめなのも残念。せっかく舞台を広げたのだからもっと沢山の曲を用意して欲しかった。会場を広げれば広げるほど、マニアックさや内輪受けを削り、より一般的な受けを狙わなければならないのだから、トークコーナーや寸劇などは逆に切り詰める必要もあるはずだ。元からのファンにはそれが寂しいと思わせるくらいがちょうど良い。それぞれが新しい仕事で得た新しい歌を披露するなど良いコーナーもあるのだから、いくら曲数があっても足りないほどだろう。生バンドコーナーは、なかなか良かった。あのような挑戦はとても刺激的で、テクニックとかはあまり関係なく楽しめる。これからもがんばって欲しい。
結論としては、全体的にこじんまりしている上に、なにより「ピッチソング」が少なかったので、どうしても残念な気持ちが先にたってしまう。
「ピッチソング」は、現状「ここでしか」生で聞けないのだから、ファンとしてはそれこそが聞きたいはず。その事を忘れずに、大事にしていって欲しい。そうでなければ、このライブの魅力が損なわれてしまう。
来年も構成を練り直して戻ってきて欲しいものだ。