魔法先生ネギま! 223時間目 ネギ・パーティvs.フェイト・パーティ

まだ続く、ネギとフェイトの言葉の駆け引き。と言っても、ネギはフェイトに、手玉に取られっぱなしのようだが。
実際、ここでのネギは少しおかしい。感情に走りすぎている。確かに、頭に血が昇ると自分を抑えられない子供っぽいところもあるが、それと同時に冷静な判断もして、嫌になるほど思考を優先させるのがネギの本質のはずだ。いや、もしかすると、怒りを見せている裏で彼なりに情報を引き出そうとしているのかもしれないが。

  • 見開き

かっこえスなあ。現状ネギ・メンバーがモノトーンチックにきめている。
この絵のかっこよさは、各メンバーが見た目どおりの「本当の力」を具えていることにもあるだろう。この手のイラストは以前からあったけれども、その当時のそれは「こうあったらいいな」、「いつかはこうなりたいな」というものだったはず。けれども、今のメンバーはこのかっこよさに見合う強さを持っている。色々なエピソードを得て、それを身に付けてきている。そう思うと、感慨深いものだ。
ここで、特に目を引くキャラクターは、のどか。とても落ち着いた目をしている。彼女は真面目で慎ましく、自分の力量を偽る事をしないキャラだ。そんな彼女が、この様に落ち着いて構えているという事は、自分の力に自信があるからだろう。先にも一波乱(おぱーい事件)があったが、夕映と離れ、一人で冒険をしてきたのどかがどのような力を、いや「心」を手に入れたのか、この表情を見ただけでも興味をそそられる。

  • 駆け引き

このフェイトの態度には、本当に翻弄されてしまう。一読者としても。
まず、このフェイトの言っている事が、本当の事なのか? 本当ならば、その意図は何か? 更には、フェイト一味の目的とか立ち位置も本当にネギ達が思っているとおりなのか? 何一つ断定出来る事が無い。
まず、フェイトが嘘をついていないとしてみると、どうだろうか。フェイト一味の目的がかなり明確になるといえるだろう。
フェイトはアスナが欲しい。けれども、無くても計画に支障は無い。そして一味の目的は「ある側面から見れば」魔法世界を破滅させる事・・・。アスナの「神代の力」といわれるほど強大な「魔法無効化能力」を手中に収めておきたいとすることから考えて、フェイト一味の目的が「魔法世界の魔法を根絶させる事」ではないか、という推測がかなり強くなる。「ある側面から見ると破滅」とは、決して世界そのものを滅亡させる事が目的ではないと考えて良いだろう。「魔力の対流」を観測したりと、その行動からもその可能性は高い。
しかし、この言葉に嘘が含まれていないとして、それをネギに伝える意図が全く分からない。
ネギ達が鬱陶しいから、手を出さない様に予防線を引くという意図だろうか。しかし、ここまであからさまに情報提供をすれば、逆効果になる可能性が高いのは当然分かるはず。
では、ネギが絡んでくる事を見越し、戦いに巻き込む為の挑発なのか。フェイトの今までの言動からすると、その線は結構強い。しかし、それでも、単に挑発する為に貴重な情報を提供しまくるのも奇妙な話だ。フェイトにとってネギという「唯一の楽しみ」は、今までのところ、あくまで二義的なものでしかないように思える。
結局、一番考えられるのが、フェイトの言葉のどこかに嘘があるという事だろう。
例えば、絶対に受け入れられない明日菜人身御供案に対して、他の案で代替出来るという情報を伝え、「明日菜に執着が無い」と偽っているとか。
または、ネギが最初に断定した「世界を破滅させる敵」という言葉を利用して、自らの目的が「魔法世界の破滅にある」と偽っているとか。フェイト一味が本当に「完全なる世界」の残党であるかも、まだ不明なのだし、それだけに捉われるのも危険だろう。
戦力から見て、フェイトにとってネギ達が係わろうがそうでなかろうが、それほど問題ではないはずだ。問題は、その後ろについている「千の刃」ラカンであり、さらには元紅き翼メンバーなどだろう。となると、やはりフェイトの真の目的は、ネギをメッセンジャーにして嘘の情報を信じ込ませる事である方が自然な感じがする。つまり、「明日菜に執着が無い」のでは無く、何かに必要であり、彼らの目的は「魔法世界の破滅にある」だけではなくて、もっと大きなものなのかも知れない。
いや、そもそも、ネギというファクターが本当にフェイト一味の計画と無関係かどうかも分からない、という事も言えるかも知れない。何しろネギは、この魔法世界の危機を救った英雄の息子にして、実はその出生も謎に包まれている存在なのだから。6年前のあの冬の夜、ネギの街を襲った者たちの目的は、もしかしたらネギだったのかも知れないのだし。
・・・つまり、今の時点では何も分からない、という結論しか出てこないだろう。
つーか、駆け引きの最後のコマが結構気にかかる。ネギを精神的に追い込んで、隙を見て「トスッ」とかのせこい手じゃないよねw。

  • 従者達

ついに実戦に突入するのどかやパル。前のめりの二人に対してブレーキをかける役割の千雨。この千雨の存在があるからこそ、のどか達の、ただ無謀なだけで無い、危険に立ち向かおうという「覚悟」を見て取る事が出来る。いやほんと、健気過ぎて参ってしまいそう(^^)。
のどかとパルの計画「アレ」とは一体なんだろう。おそらくはパルとのどかの複合技であり、身柄を確保とか、思考を根こそぎ略奪とかの、かなり有効な技なのだろう。のどかの読心術はやはり強力だし、パルのゴーレムは汎用性が高い。どのような技なのか想像つかない。
そして、現れる敵。フェイトの従者であろう「調」。瞳を見せず、おそらくは聴覚で全てを感知するのだろう。もしかしたら、その異様な形の角の様な物が感覚器官になっているのかもしれない。
そして、その攻撃も音によるものの様だ。決して力技による敵ではなく、力では心もとないのどか達としては、どうにか撃退できる敵かもしれない。
しかし、この場合千雨の力は何に役立つのだろう。電子の精霊が映像化しているが、幻覚に類する技が使えたりするのかも。

  • お嬢とおっさん

木乃香お嬢は、ここぞという力を発揮。このラカンを動かせるのは、やはり木乃香唯一人だろう。ある意味、黒龍を黙らせる力と同じだ。木乃香の、この懸案に対する筋道の立った要求。そして自分の立場をわきまえた遠慮の無いw態度。旧友の娘という事もあり、ラカンも心を動かざるを得ないだろう。
どうも、ラカンはそれほど金に執着しているとは思えない。実際には、どんなに金を積んでも積極的に動かない存在に思える。請求書云々も、実は自身のスタイルを守ポーズなのでは無いだろうか。
そして、そんなラカンを金で説得に来た「暦」と「環」。
暦は見た目どおり生真面目な性格の様。環も見た目どおり無口無表情系。
環が無口なので、暦は交渉役だろう。しかし、初っ端からどもったりしているし、無敵豪快なラカンの交渉役に抜擢されるなど、どうにも不幸キャラのようだ。実際、ラカンの「無音脱がし術」の餌食になってしまうし。いや、それ以前に、暦が黒パンなのは、初登場回の一コマに「ベタの塗り間違いがあったから」とかではないだろうか。だとしたら、相当不幸だw。
環は、その大きな角の他にとかげチックな大きな尻尾も持っている。ノーパンなのもそのせい?w
もしかしたら、龍族とかなのかも知れない。まだ未熟で、巨大なエネルギーを持つ龍の本性を隠しきれず、額の紋章などもそれを押さえる為だとか。
それにしても、女の子に対する戦闘を嬉々として受け入れるラカンは、さすが大物というか、なんというか・・・w。