魔法先生ネギま! 259時間目 勃発!? 魔法世界頂上バトル!!

ある意味、一般読者向けサービス回と言ったところかな。全般に人気のラカンと女性読者に人気のフェイトのバトル回。・・・と思わせて、ラカンのギャグ的な強さをパンチラと共に楽しむ事ができる等、色々な読者から喜ばれそうな感じ。夕映も赤面しているしね。
確かに、・・・確かに面白いんだけれども、少し「やな」ムードを感じてしまうのは裏の読みすぎなのかなあ。「やなムード」というのは、別に話そのものがやな訳ではなく、物語展望に関する予兆なのだけれども。
一つの予兆はフェイトの「世界の滅亡」の目的について。まだ明確に語っていないけれども、少しだけ推測できる。
「魂を救う」というのは、実はとても広い意味で捉えることができる。つまり、その者を殺したとしても、魂を安息させたと信じれば、それは救った事になるかもしれない。
フェイトは、ただ単に魔法世界の住人を滅亡させる事だけを考えている、狂信者である可能性が出てきてしまうということだ。世界を救うという彼のもう一つの目的から、例えば「魔法世界を一回リセットして新しい魔法世界を作る」とかのポジティブな目的を推測出来たのだが、単に滅亡だけというネガティブ目的も可能性として出てきた。
もし、それが本当にそうなるとすると、フェイトは単純な悪として、ネギの判断や行動は楽になる。物語上の軋轢が少なくなる。つまり早く終る、という事になりかねない。なんか、いやな展開だ。
因みに、フェイトがなぜ魔法世界の住人を滅亡させようとしているのかというと、それはやはり作られた存在だからという理由が考えられる。作られた、人に奉仕することを前提として生まれた人形のようなもの。それらが自我を持ち、自らがその様な作られた存在である事を忘れ、暮らしているとすればどうだろう。それを作った創造主からすれば、その自我が滑稽に映るのかもしれない。魔法世界が人造異界であるとすれば、人造異界は崩壊が必然とされているのに、それを自らの手で意図的に滅亡させようとしている理由はわからないが。その辺りにもう一つの謎が隠されているのかもしれない。
で、もう一つ、気になる展開が、フェイト美少女軍団の活躍。
彼女達は、元々ネギのクラスメイトに対比するように設定されたキャラじゃなかったの?つまり、今回の様に手の内を曝して戦うのは、大活躍するのは、白き翼がそれに対抗できるほどの実力をつけて戦う時なんじゃなかったの?今回、フェイトの周りに陣を布く形で登場した彼女達は、あのナギと戦ったフェイトの従者を髣髴させるけど、それはやはりネギと愉快な仲間達に対してとるポーズであって欲しかった。
ここまで手の内明かして、ラカンに色々されてw、また活躍する機会が彼女達に巡ってくるのだろうか。これによって、白き翼の活躍の場が一つ減ったような気もするので、少し釈然としない気分なのだ。
なんだか、大急ぎで魔法世界編を畳もうとしている様に感じるなあ。魔法世界編が終わることについては、決して異論があるわけではないのだけれども、あんまりストレートに閉じてしまうのは、つまらない。
ネギと超の相克のような、どちらに義があるのかもわからない戦いの方が面白いし、物語の骨格であるネギ自身の成長物語にも繋がるはず。なにより、コミックス数巻程度では終らない問題であれば、それだけネギまも長く続くのだしw。
フェイトの立場をもう少し明かして、フェイト自身にも感情移入出来るような展開を希望したい所だ。まあ、その点、フェイトがネギに係わった事によって、人間味が出てきているという展開は、結構好み。その事実をフェイト自身が認めることによって、彼の使命が解消されるのかな。