くろうのだらオタ日記

だらけたオタクのだらけた駄々漏れ感想日記。基本的にネタバレです。

2012-03-04

[]受け手を信じるということ、侮るということ 〜佐藤竜雄監督と新房昭之監督の違い〜 14:30 受け手を信じるということ、侮るということ 〜佐藤竜雄監督と新房昭之監督の違い〜を含むブックマーク 受け手を信じるということ、侮るということ 〜佐藤竜雄監督と新房昭之監督の違い〜のブックマークコメント

どんな作品につけ、物語とは「受け手との対話」なのだなあ、と改めて思う。

特に、最近のアニメは、その事を充分認識しなければならないだろう。なぜなら、非常にマニアックな世界である事を前提に求められている業界だから。

この事を一気に推し進めたのは、やはり「エヴァンゲリオン」だろう。あのマニアックな作品は、マニアックであるが故に、マニアックなものを求めていた観客に、広く深く受け入れられた。今あるアニメ産業は、その遺産で食べていると言っても良いくらいの、一つの産業の大開拓だった。

それだけに、その産業を担う作り手は、受け手である対象のマニアックさを、常に量らなければならない。マニアックとは、「こだわり」であり、つまりは「通常より上位のもの」と言える。「通常より上位のもの」を求めている受け手に「通常のもの」を与えても、それはすぐに飽きられてしまう。とはいえ「通常より上位のもの」の「上位」は、際限なく「上位」であって良いのかと、それも違う。あまりに「上位」過ぎれば、マニアックすぎて、受け手が受け止め切れなくなってしまう。

「通常の作品」「ただマニアックな作品」と「マニアックで良い作品」には、大きな差がある。その差が生まれる要素こそ、作り手が「作品とは受け手との対話なのだ」という認識を持つかどうかなのだと思う。

「相手との対話」において最も大切な事は、相手を信頼する事だろう。作り手は、受け手が「受け止めてくれる」と信じて、マニアックな作品を送り出す。その両者の信頼関係が上手くいっていると、「マニアックで良い作品」となり、受け手から熱烈な支持を持って受け入れてもらえる。

先の「まどかマギカ」や「化物語」など、非常にマニアックな作品であったにも係わらず、広く深く、熱狂的と言えるほどに受け入れられた。それは、新房監督が、読者の受け入れ許容範囲をしっかりと認識し、「ここまでは大丈夫」と受け手を信じたからこそ、出来たことだったのだと思える。今放送中の「偽物語」の情報量の多さとかをみても、素晴らしいとしか言いようが無い。

対して、どうにも釈然としないのが佐藤竜雄監督作品だ。どちらもロボット、宇宙戦闘とマニアックな作品だというのに、ぜんぜんぱっとしない。なぜなら、目の前で起こっている事だけしか描写せず、マニアックなアプローチがまるで出来ないからだ。この世界は基本的に全ての事象にマニアックな側面があるのだから、そういった部分をクローズアップしてもっと真実味を持たせても良いだろうに、まるでおとぎ話を語るかのような淡白な描写に終始している。それはまるで「深い設定を持ち出しても受け止めてくれないでしょ」と受け手を侮っているかのようだ。

サトタツ監督には「ムリョウ」などの作品もあるので、独自の価値観もあるのかもしれないが、それ以前に「受け手を侮る」気持ちの方が強いような気がしてならない。やはり、作品の質としてマニアックであるべき、というものもあるだろうから。今作っている「ラグりん」にしても「モーパイ」にしても、そういった作品であると思えるし、仮にも「ナデシコ」などのヒット作を作った人に、そういった事を把握するセンスが無いとも思えない。

「受け手を信じた作品」と「受け手を侮った作品」、どちらが受け入れられるかは言うまでも無いだろう。作り手にはもっと受け手と真摯に向き合い、作品を作って欲しいと思っている。それこそが本当の意味での作り手の誠実さだと思う。

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[][]日本工学院卒業公演2012 リーディングミュージカル「星の王子様」 日本工学院専門学校3号館B1片柳記念ホール 22:44 日本工学院卒業公演2012 リーディングミュージカル「星の王子様」 日本工学院専門学校3号館B1片柳記念ホールを含むブックマーク 日本工学院卒業公演2012 リーディングミュージカル「星の王子様」 日本工学院専門学校3号館B1片柳記念ホールのブックマークコメント

久しぶりに蒲田に行ったけれども、驚いた。なんだこれ。日本工学院てこんなに大きな学校だったっけ。滅茶苦茶広くて綺麗になっていて、唖然としてしまった。まるで別世界だよ。

そして、この公演も、とっても綺麗で立派なホールで行っていた。もう、お金取らないと勿体無いくらいだよ、とか会場見ただけで思ってしまう。

今回のお目当ては、もちろん清水愛。またもや彼女のイベントに出遅れて、昨日彼女のツイッターでやった事を知り、二日目に慌てて駆けつけた。

星の王子様」のリーディングミュージカルとのことで、どのようなものかも少し疑問だったが、見てみて納得。基本はリーディング劇なのだけれども、王子様と飛行士だけはリーディング役とミュージカル役との二人で演じ、ミュージカルのパートが時折挟まれるという構成だった。単に朗読劇だけではないので、演出的に動きがあって面白い。やはり、学生の演技だから、演出面でも少し凝ろうという配慮かも。

とは言え、さすがにみんなこれからプロになろうという人たちなのだろうから、なかなか良かったなあ。なんというか、全ての演者がその役にとても上手くはまっていた。一人一人が輝いていた。今すぐにでもプロとしてやっていける人もいるだろうし、もしかしたら既にやっている人とかもいるのかもしれない。

で、清水愛の役は「きつね」。「星の王子様」ではキーパーソンともいえる役で、これはもう、さすがに貫禄の立ち回りだった。とっても可愛らしい役どころで、かつ含蓄のあるセリフを軽くこなしているあたり、流石の演技だった。久しぶりに生で彼女の姿を見て声を聞いて、満足。そういえば、最近大怪我をしたとかで、心配していたのだけれども、もちろんそういった気配も全然無く、安心できた。

この公演について言うべき事はというと「もっと、広報をしっかりして欲しい」ということかな。

折角清水愛を呼ぼうというのだから、一般の人にも見て欲しいという姿勢があったはず。それなのに、清水愛ツイッターからじゃないと知ることが出来なかったのは残念。実際に、観客の大勢は学生の家族とかで、清水愛目当ては結構少数だったように思う。きっと、専門学校ホームページに載せて、それ以上の広報はしなかったのかも。・・・どんなに優れた芸でも、それを見てくれる場を作らなければ、それは存在自体が無かった事も同じ。広報とか営業とかは、何よりも重要な事だと認識する必要がある。

とは言え、非常に良いものを、静かな環境で堪能する事ができて、個人的にはとっても満足。

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