翻訳組版の初校、上がる

先々週に翻訳を仕上げた某欧州ブランド総合カタログの組版初校が一部上がってきた。お願いしている印刷会社DTP部門の仕事ぶりはなかなか良くて、きれいに仕上げてきてくれている。とはいえ、こちらとしては、ここからが次なる勝負どころなのだが。

タイトルの字切りやフォント、文字詰めなんかはすでにデザイナーがチェックを入れてくれているので、それを受け取って文字校正をスタート。同時に自分で翻訳した文章のこなれていない部分なんかを発見すると、そこをリライト。実際にレイアウトされた状態で文章が上がってくると、その段階で気付く部分が多少なりとも出てくる。タイトルもページの目立つところにでっかくボールドの書体で組まれているので、その状態で改めて自分の翻訳文を読み直してみると、書き方によってはタイトルのメッセージが強めに増幅され、ページ全体の意味合いを壊してしまっている場合もあるので、その時は穏やかな表現に変更。箱詰めでレイアウトしていて、数文字はみ出ているところなんかも美しくないので、言い回しを変えて文字数を調整する。まあ、原文の意図を変えない範囲で、ということにはなるが。
あまりやり過ぎるとクライアント担当者さんから「せっかく私がOK出したのに…」とか言われそうなので、ほどほどにとどめるけれど。

総ページ数500ページ超。スタッフで分担して、その中の200ページくらいを自分が担当したが、フィロソフィー、テクノロジー、マテリアルなど冒頭部分を割り振られた上に(面白そうだったので自分で希望した…)、お初にお目にかかるブランドだったのでかなりな難産状態だった。
原文は、スペルミスなんかもちょこちょこあってそこが意味不明だったり、言い回しが英語っぽくないところがあちこちあるというか、なんでこんなめんどくさい書き方をするんだろう、と思っていたら、クライアント担当者さんによると、最初にドイツ語で書かれた原稿を、どうやら別なドイツ人が英語に翻訳したらしい、ということだった。なるほど、そういうことも難産状態の一因なのもしれないが…。

来年か再来年の今頃、このカタログのアップデート版をやることになるはずだけれど、その時、今の自分の翻訳文を見ると、ああ、ここはこういう言い方にすりゃよかった、と感じる部分がきっと出てくるんだろうな、と今からそっと思う。

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