日本縦断1

半ば諦めかけていたところ、打ち合わせがなんとかぎりぎりに終わって、急いで上野駅へ。23:30発、特急能登号へ乗り込む。車両一番後ろの席のさらに後ろに自転車を詰め込んだおかげでリクライニングはできないが缶ビールを2本あけるといつのまにか朝に。金沢に6:30着。
金沢周遊に30キロ。そこから新緑の中、同じように茅葺の集落のある五箇山を経て白川郷までが75キロ、標高差約750m。途中タイヤを溝に落としていきなり新品のタイヤに穴をあけるアクシデントも、チューブ交換のスピードがものすごい上がる。
とにかくビールより飯がうまい。

金沢21世紀美術館/SANAA

恥ずかしながら初見。楕円形につくられたランドスケープがよかった。正円であることを意識させない感じがある。建築自体は混んでいたせいなのか聞いていた評判より僕は好きになれなかった。やっぱり形式主義的な気がする。円形と矩形の隙間に積極的な意味を見出せなかった。美術館とか公共性としてはものすごく新しい。敷居が高くない美術館という印象。

金沢

塀がいい。元々大きな屋敷とか寺が多いところなのだろう。塀が多いのだけど、それが町並みに寄与しているという珍しいケースだ。
そろそろ塀についてちゃんと考えてみてもいいかもしれないと思った。
それにしても金沢の品の良さは一体どこから来ているんだろう。京都のようだけど関西的な商売気がないところ。すごく洗練されている。住んでみたい町のひとつだ。

ロン・ミュエク@21世紀美術館

ひとめで心がざわつけるのがすごいところ。ものすごく精巧な作業なんだけどものすごく俯瞰的なんだと思う。本城直城の写真と一緒で見る側を違う領域に放り込む。
でもミュエクがいいのは見る人を神の視点に立たせるだけでなく見られる視点もつくれるところ。2種類しかないんだけど。