京町家の魅力〜屋外編〜

昨日に引き続き京町家の魅力、面白さについてご紹介していきます。

本日ご紹介するのは、知らなければ見過ごしてしまうような、町家の脇役を担っている部分です。
少し注意して市内を散策してみれば、あちらこちらで見つけられるものばかりですので、街歩き中のちょっとしたエッセンスになるのではないでしょうか。


一つ目はこちら

http://www.kyo-machiya.jp/mametishiki/09.html より

「犬矢来」もしくは「駒寄せ」と呼ばれるものです。
こちらはご存知の方も多いかもしれませんね。
この犬矢来は、町家の壁の防護柵として様々な役割を果たしています。
犬の糞尿や雨の跳ね返りで壁が汚れるのを防ぐだけでなく、竹の滑りやすい性質を利用して壁を登りにくくし、防犯対策にも一役買っています。
ゆるやかな曲線と、使う内に染まる金色が、町家の景色によく馴染みます。

二つ目は

http://www.kyo-machiya.jp/mametishiki/08.html より
「ばったり床机(しょうぎ)」です。
名前が面白くて、京都の人のネーミングセンスがうかがえます。
町家は商用に特化した住宅ですので、商品などを陳列するための棚なのですが、
壁に作り付けになっていて、名前の通りばったりと折りたたんんでしまえるようになっているのです。


最後は
「いけず石」です。
画像はこちら
http://souda-kyoto.jp/tokusyu/early_autumn/2013/con_01.html

道を歩いていて、道の四ツ角などで漬物石のようなものを見ることはありませんか?
これは細い路地が多い京都ならではの発想で、家の角に石を置くことで、車の運転手に警告をする役割を果たしています。
「いけず」は京都弁で、「意地悪」の意味です。これ以上行けない「行けず」ともかけているのかもしれませんね。
京都の人々はこれを置くことで「外壁を傷つけないでください」という無言のメッセージを発しているのでしょう。張り紙なんかでハッキリ主張しないところが、京都らしいですね。


このように、町家の周りには目立たずとも面白い、小さな発見が溢れています。
町家の趣の残る小道は、探しながら歩くだけでも楽しいですよ。


上森 五葉