Korea's Got Talent 2011 Nella Fantasia by Sung-bong Choi



Britain's Got Talentの韓国版。 22歳のSung-bong Choi青年は3歳で孤児院に置き去りにされた。 そこでの殴られる生活から5歳で脱走し、その後10年間路上生活を送ったそうだ。 ガムを売ったりしながら、階段や公衆トイレで寝る日々。 あるナイトクラブでガムを売っていた時、目にしたヴォーカリストがとても誠実なステージを披露しているのを見て、歌を歌いたくなったと語る彼。 レッスンは受けた事がないという彼が、一体何を歌うのかと思ったら、エンニオ・モリコーネの「Nella Fantasia」(ネッラ・ファンタジア)だった。


この曲は数多くのアーティストが歌っている。 私も以前「Nella Fantasia―聴き比べ」としていくつかの動画を紹介したが、彼の歌声ほど感動したものはない。 専門教育を受けたわけでもなく、技術的には完璧ではないだろう。 でもそんなことはどうでもよいと思うほど、感動した。 「僕は上手く歌えないけど、歌っていると別人になったような気分になれる。」、「ただ普通の人みたいになりたい。」という彼の言葉に、今までどんな思いをしてきたのかと胸が痛む。 会場の多くの人が、3人の審査員が涙し、そのうちの1人は「オーディションの結果がどうであれ、あなたがヴォーカルレッスンを受けられるよう支援したい。」と伝えた。 


彼が歌う動画は投稿から約1週間ですでに再生回数が700万になろうとしている。 韓国のポール・ポッツ、第2のスーザン・ボイル等と評されているが、彼にはゆっくりと幸せを噛みしめるような人生を送って欲しい。 もう十分辛い思いをしたのだから、これからは心安らぐ日々を生きてほしい。