2009-11-30
12 Tender Japanese
昨夜借りてきた「12人の優しい日本人」を観た。
三谷幸喜さんが映画用の脚本を手がけた最初期の作品で、豊川悦司以外は、恐らく当時無名だったと思われる、有名なベテラン俳優さんが多数出演している。
今更言うことでもないだろうが、これは本当に面白い。まさに三谷映画の原点だ。
「12人の怒れる男たち」を下敷きにした、陪審員の議論がテーマの作品なので、かえって今観た方が分かりやすかったかもしれない。
密室の中で、回想シーンなどがインサートされることも一切無く、裁判シーンや事件の関係者についてもほとんど情報のないまま、陪審員達の発言だけで物語は進行する。
見ている側も、最初は話していることがイメージしにくいのでなかなか乗っていけないのだが、話し合いが続くに従い自分なりの被告人像や被害者像が形成され、巻き込まれてゆく。
何よりも、やはり話の展開の素晴らしさ。意外な方へどんどんと流れてゆき、最後には全く予想もしなかった結末が用意されている。
12人の陪審員それぞれがカラーを持っていて、誰一人としてないがしろにされることなく、存在意義をはっきりと持っている。その辺りが最新作「マジック・アワー」まで連綿と繋がっているように感じた。
舞台用に書き下ろした作品を映画化したということだが、ここまで「舞台」然としていると、映画としてどうなのか、という気もしなくも無いが、恐らく監督がそのままやらないと意味が無い、と考えたのだろう。それは大正解ではないか、と思う。
今思ったが、三谷映画に回想シーンは多くない。特にここ最近の作品では顕著である。人は回想することはあっても、その絵を他の誰も見る事が出来ないから、なのだろうか。
全てを出演者の台詞から想像するしかないこの「12人の優しい日本人」に、その後の三谷作品の全てがあるのかもしれない、と思った。
ミック・ジャガーが言うように、「最初の作品にその後の全ての要素がつまっている」のだろうか(もっとも、映画以外にはさらに前のキャリアもあるけれど)。
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