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トラックレース&競輪を中心とした自転車競技情報ブログ

 リオオリンピック、自転車競技トラック5日目は男子オムニアムでエリア・ヴィヴィアーニが優勝、窪木一茂はハイレベルな戦いに苦戦し14位でレースを終える。女子オムニアムは前半戦を終え、ローラ・トロットが首位に。塚越さくらは出遅れて18位。女子スプリントはベスト8が出揃う

現地時間8月15日(月)に行われた自転車競技トラック5日目が終了。
この日は女子スプリント1/8決勝・敗者復活戦、男子オムニアム後半3種目(1kmタイムトライアル、フライングラップ、ポイントレース)、女子オムニアム前半3種目(スクラッチ、個人追抜、エリミネーション)が行われました。
日本からは引き続き男子オムニアムに窪木一茂選手、そして女子オムニアムにはこちらもオリンピック初出場となる塚越さくら選手が出場!


まず本日が決勝となった男子オムニアムは、4種目めでトップに立ったエリア・ヴィヴィアーニがリードを守りきって優勝! これまでW杯や世界選手権で何度も惜しいところまでいきながら、なかなか優勝に手が届かなかったヴィヴィアーニですが、ついにオリンピックの舞台で金メダルに輝きました! レース後の大泣きしている姿にはもらい泣きです…。
マーク・カヴェンディッシュラッセノーマン・ハンセン(デンマーク)の熾烈な2位争いとなったポイントレースも見応え十分でした! ハンセンはとにもかくにもエリミネーションの最下位が悔やまれますが、さすがに力のあるところを見せてくれました。カヴェンディッシュは昨シーズン後半のW杯からオムニアムに参戦しはじめたのですが、当初の成績に比べるとタイム系種目が格段に良くなっており、リオの直前にはツールドフランスも走っていましたが、見事に“トラックの脚”を仕上げてきました。
窪木選手は短距離種目でタイムを伸ばせず、暫定16位という苦しい状況で最後のポイントレースに臨むことに。窪木選手にとって得意な種目でもあり、ラップでのジャンプアップを狙っていたとは思うのですが、上位勢が激しくポイントを奪い合うハイスピードな展開に、抜け出せるタイミングがないままレースを終えました。
日本中距離陣のエースであり、後輩たちを引っ張るリーダー的な役割も自負し、「中距離陣みんなの気持ちを胸に、みんなの代表として頑張りたい」と話していた窪木選手。もちろん悔しさはあると思いますが、この大舞台での経験を糧に、また一回りも二回りも大きくなって次に繋げてくれることでしょう!


女子オムニアムは前半戦を終え、ロンドンオリンピックの金メダリスト、ローラ・トロット(イギリス)が安定の強さで首位に立っています。さらに追いかけるライバルのサラ・ハマー(アメリカ)、ジュリアン・ドール(ベルギー)と、早くも三つ巴の様相になってきました。
塚越選手は1種目めのスクラッチで落車に巻き込まれそうになりヒヤリとしましたが、事なきを得て本当にホッとしました。苦手な種目が続く前半戦は苦しい展開となってしまいましたが、後半は塚越選手の真骨頂ともいえる短距離種目が2つあるので、期待したいところです!


女子スプリントは1/8決勝が終わり、実力者ばかりのベスト8が顔を揃えました。翌日はいよいよ決勝となります。


では、トラック5日目の結果です。


★男子オムニアム(後半3種目)
日本からは窪木一茂選手が出場。前日の前半3種目に続いての、後半3種目。ジャスパー・デバイスト(ベルギー)が棄権し、17名での争いに。前半折り返しての暫定首位はトマ・ブダ(フランス)、2位エリア・ヴィヴィアーニ、3位マーク・カヴェンディッシュ


4種目めの1kmタイムトライアルはディラン・ケネット(ニュージーランド)がスプリンターばりの1:00.923をマークし、1位。2位グレン・オシェイ(オーストラリア)1:02.332、3位ヴィヴィアーニ(イタリア)1:02.338と続き、窪木選手はベストタイムの1分4秒台には届かず1:05.498で15位。
4種目終わって暫定総合はヴィヴィアーニが140pで首位に立ち、この種目で11位のブダが順位を落として126pの2位、同点で3位カヴェンディッシュ。窪木選手は前半から一つ順位を落として70pの暫定14位となりました。


5種目めのフライングラップは、1kmタイムトライアルに続き短距離種目に強いところを見せたケネットが12.506で1位、2位ヴィヴィアーニ12.660、3位カヴェンディッシュ12.793。窪木選手はベストに近いタイム13.587を出すも、順位は16位。タイム系種目で苦しい戦いが続きます。
5種目終わっての暫定総合は首位に変わらずヴィヴィアーニ178p、2位にひとつ順位を上げたカヴェンディッシュ162p、そしてエリミネーションで大きく順位を落としてしまったラッセノーマン・ハンセン(デンマーク)が152pで3位まで浮上。ブダは150pで5位まで順位を下げています。窪木選手は2つ順位を落とし暫定16位で最後のポイントレースを迎えることに。


最終種目となるポイントレース。上位陣がポイントを取り合う中、5種目終えて3位のハンセンがラップに成功し、一気に首位のヴィヴィアーニに肉薄すると、表彰台争いはいっそうヒートアップ。上位勢の攻防が激化し、落車に巻き込まれるアクシデントもありながら、果敢に仕掛けていったヴィヴィアーニが着実にポイントを積み上げ、最後のポイント周回を残す時点でほぼ優勝を確実にします。熾烈な2位争いを繰り広げるカヴェンディッシュとハンセンは、最後の最後で得点を加えたカヴェンディッシュが2位を死守、ハンセンが3位となりました。
少しでも順位を上げたかった窪木選手ですが、上位勢のハイスピードなレースに仕掛ける機会を掴めないまま、得点は1点にとどまり、最終的に14位でレースを終えています。


終結
1位 Elia Viviani(イタリア) 207p
2位 Mark Cavendish(イギリス) 194p
3位 Lasse Norman Hansen(デンマーク) 192p
14位 窪木一茂(日本) 81p


★女子オムニアム(前半3種目)
18名が出場。日本からは塚越さくら選手がエントリー。


1種目めのスクラッチはタチアナ・シャラコヴァ(ベラルーシ)が単独でラップを決め、1位。集団スプリントでアタマを取ったローラ・トロット(イギリス)が2位、ジュリアン・ドール(ベルギー)が3位。塚越選手は残り10周を切って起きた落車に巻き込まれそうなり、なんとか避けたものの、スピードが上がる勝負所を前に後方に置かれてしまい、ここから挽回できず17位。


2種目めの個人追抜は、この種目の元世界チャンピオン、サラ・ハマー(アメリカ)を抑えてトロットが3:25.054で1位、2位にハマー3:26.988、3位にドール3:30.202。塚越選手は3:46.842で自己ベストからは遠いタイムとなってしまい、16位。
2種目終えて暫定総合1位はトロット78p、2位ハマー72p、同点で3位ドール72p。塚越選手は18pで暫定17位。


3種目めのエリミネーションは上位勢がさすがの強いレースを見せ、1位トロット、2位ドール、3位ハマー。レース系種目を苦手とする塚越選手は2番めに脱落してしまい、17位。
前半3種目を終えて、暫定総合トップは変わらずトロット118p、2位にひとつ順位を上げたドール110p、僅差で3位にハマー108p。大きな着が続いてしまった塚越選手はここで26pの18位と最下位になっています。


★女子スプリント(1/8決勝・敗者復活戦)
前日から勝ち上がった12名が出走。
レベッカ・ジェームス(イギリス)、ケイティ・マーシャント(イギリス)、リー・ワイジー(ホンコンチャイナ)、エリス・リグトレー(オランダ)、アナスタシア・ヴォイノヴァ(ロシア)、クリスティーナ・フォーゲル(ドイツ)、敗者復活戦からシモナ・クリペシカイテ(リトアニア)、ゾン・テンシ(中国)の計8名が翌日の1/4決勝に駒を進めています。


♦トラック5日目のリザルトはこちらで確認できます。
https://www.rio2016.com/en/cycling-track-schedule-and-results/day-15


トラック種目最終日となる6日目は男子ケイリン1回戦〜決勝、女子スプリント1/4決勝〜決勝、女子オムニアム後半3種目(500mタイムトライアル、フライングラップ、ポイントレース)が行われます。
日本からは前日に引き続き女子オムニアムに塚越さくら選手、そして男子ケイリンに渡邉一成選手と脇本雄太選手が登場です!


♦トラック最終日のスタートリスト&タイムスケジュールはこちら。
https://www.rio2016.com/en/cycling-track-schedule-and-results/day-16


トラック最終日は日本時間16日(火)22:00スタートです。
インターネットでのライブ配信もあります!
NHKサイト→http://sports.nhk.or.jp/index.html
◎民放サイト→http://www.gorin.jp