OECDの規制改革に関するレビュー

Risk and Regulatory Policy: Improving the Governance of Risk (OECD Reviews of Regulatory Reform)

Risk and Regulatory Policy: Improving the Governance of Risk (OECD Reviews of Regulatory Reform)

なんだかすごいぞ,コレ。

OECD新刊ニュースNo.43, P.9より>(一部変更)
 私たちは,政府が様々な危機から我々を保護してくれることを期待している。だた,すべての危機を取り除くことは不可能であり,また,必ずしもそうすることが市民にとって最高の利益とはいえない。
 リスクに基づいて規制を立案,実施することは,規制アプローチを効率的で効果的なものとし,また,様々な政策目標間のトレードオフ関係を明らかにするだろう。さらに,リスクに基づいて規制立案と遵守戦略を考えることにより,また,一層の保護とより効率的な政府サービスやコストの軽減を通して,市民の福祉向上が実現できる。しかし,規制を管理するための一貫したリスク管理政策に取り組んでいる政府は世界的にもほとんどない。OECD全体を見てもリスク政策を開発している政府はほとんどなく,リスク政策の運用を改善する余地は大きい。
 本書ではリスクと規制政策に関するOECDの最近の研究と分析を紹介している。各章では,今日の中心的な課題を論じている。また,一貫性のあるリスク管理政策を開発,あるいは改善するための方法を収録している。各章及び各章担当は以下。
1章 リスク管理のための規制政策枠組みを立案するための課題(written by Gregory Bounds)
2章 OECD諸国におけるリスク規制概念の様々な文化的,法的側面(written by Elizabeth Fisher)
3章 不確実な状況における意思決定のための分析モデルと原則(written by Giandomenico Majone)
4章 リスク規制と管理制度の主要素(written by Jonathan B. Wiener
5章 自主的な規制の活用によって,企業のリスク関連の行動を改善する(written by Cary Coglianese)
6章 OECD5カ国(オーストラリア,アイルランド,オランダ,ポルトガル,英国)と4部門(環境,食品安全,金融市場,医療安全)におけるリスクに基づく規制枠組み(written by Julia Black)
7章 リスクの優先順位付け,評価,管理,伝達のための公式ガイドラインの作成(written by D. John Graham

ん?
見た名前が…どこかの誰かたちが考えていたことと似たような文面が…
エグゼクティブサマリーのしょっぱなから,面白い言葉が色々と並んでいる。

Exective summary
There is a gap between the level of risk that is aspired to by policy makers and the level that is achievable through regulation. Not all risks can be reduced to zero and tradeoffs in risk reduction measures are inevitable. This publication aims to identify areas for the improvement of risk governance through an analysis of the legal, procedural and practical challenges for risk regulation. Each chapter provides advice on policy steps that governments can take to improve the efficiency and effectiveness of regulatory management arrangements for reducing risks.

OECDのホームページから,プロテクトされた文章がダウンロードできる。

ただし,Read onlyのようだ。プリントアウトしたい方は,こちらにPDFがアップロードされていた(事実関係はよくわからず)。アップロードサイトに落ちている。
一人で読むと厳しそうなので…勉強会開きたいです。どしどしレスポンスください。


P.S.業務連絡
MeDMARの方々,こんなことしてるくらいなら…と思われず,温かい目で見守っていただければ幸いです。