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円高だけが問題なのか?|岸博幸のクリエイティブ国富論|ダイヤモンド・オンライン
日経新聞を中心とする最近の新聞の報道には違和感を感じざるを得ません。トーンとしてはだいたい「徐々に景気が回復傾向にあるのに、円高の進行でその足が引っ張られかねない。政府は円高への対応をすべき」という感じですが、これほど偏った見方はないように思えます。
そもそも、円高が進み出す前から景気は悪いのです。東京などの大都市圏や大企業については、中国特需やエコポイントなどの景気対策の恩恵で多少は良くなっているのは事実ですが、地方の景気はかなり深刻です。私は講演で地方に行くことが多いのですが、地元の企業経営者の方々のお話を伺うと、日本の北か南かの区別なく、一様に同じような状況を聞かされます。
よく考えると、昨年は景気低迷の原因としてリーマン・ショックの影響ばかりが喧伝されました。そして今回は円高の影響が騒がれています。このように、どうも景気への懸念の材料としては海外要因ばかりが強調される傾向にありますが、明らかにおかしいと言わざるを得ません。
でも、円高ばかりが景気悪化の原因であるかのように政府が自己正当化し、新聞もそれに迎合してしまうようでは、とても正しい政策対応は望めないと言わざるを得ません。
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そもそも民主主義それ自体が、いわば「未熟な一般市民」が政治参加の経験を重ねることで成長していくことを期待するものである。
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「最近、体調がよくないとは聞いていたが、まさか自殺するとは…。解説委員室は自分のペースで仕事ができるし、周囲などとのあつれきは聞いていない」
「仕事熱心だし、茶目っ気もある。飲んで騒ぐこともある人だったのに、何か、よほどのことで個人的に悩んでいたのか…」
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かたや菅直人首相は、式典では核なき世界への「先頭に立って行動する道義的責任」を表明したのに、続いて行った記者会見では「核抑止力は引き続き必要と考えている」と述べた。日本の首相にとって8月6日は、原爆の惨害を受けた日本国民、また日本国の代表として世界に訴える大事な日だ。核兵器の抑制や禁止の方向へ政治の重点を向けるようひたすら訴えるべきだった。
10日には、日韓併合100年にあたっての首相談話が発表された。最近の日韓関係は、人の往来や文化の交流が目覚ましく、緊密になっている。過去を反省・点検する努力も必要だが、未来志向で両国関係の繁栄、提携とアジア太平洋発展のために協力し合うという方向に重点を置くべきだろう。
そこで提起したいのが、「東アジア協力機構」の結成だ。東アジアの情勢は、欧州連合(EU)などと比べて後れを取っている。まずは、東アジアを主導する日中韓3カ国が提携し、トップ会談を実現して、東アジア協力機構への道筋を早急に話し合うことだ。韓国との提携はその中心軸となる。未来志向の日韓関係の構築が、ひいてはアジア関係や太平洋関係への新しい歴史の流れを作るスタートにもなるだろう。
そして、ねじれの下での本格的な臨時国会が始まる。その際に、政権は日本の長期路線を明確にして、日本政治の本筋を内外に示すことだ。
また、衆参のねじれが原因で政治が遅滞しないよう、各党間の合意で調整する必要がある。その先には政界再編問題も生まれてくるだろう。
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【宝塚】さよなら公演の雪組トップスター・水夏希「惜しまれるうちがちょうどいい」
「お芝居のほうは24年間復讐を誓ってそれだけに生きてきた男、という感覚が最初のころはすごくつかみにくくて、前回の正塚先生の『マリポーサの花』のときのような使命感に燃えてる役のほうが断然やりやすかった。でも、やはりお芝居をしていくうちに、舞台上で緒月遠麻(おづき・とうま)演じるシュミット(ロジェが追い続けていた人物)に出会った時に、グッと鳥肌が立つ感じがあり、また、台本に書かれていないことがどんどんわいて出てくることがたくさんありました。そしてやはり(宝塚大劇場の)千秋楽に向けて、悲しみとか苦しみとか後悔とかやるせない思いとか、いろいろな感情が重なりました。東京に向けては、さらに、悲しみ、苦しみ、逃れられない現実とか、そういう負の部分を、がんばってこらえているがこらえきれない、表情に出てしまう、そんなところまで伝えていきたいです。ショーに関して、最初は与えられたことをみんなでやることに夢中だったんですけど、だんだん中日(なかび)から楽にむけて、お客様とキャッチボールもでき、客席のほうも日々拍手や歓声が大きくなっていきましたのでやはり力をいただきました。(東京でも)舞台上でいかに自由になれるか、どんどん楽しんでいきたいと思います」
−−娘役トップの愛原さんも退団するが、退団に向け一緒に話したりは
「退団だといって甘やかさないよ、みたいなことを100万回くらい言いました(笑)。日々まだまだいろいろなところでダメ出しして、ここはこうだね、ああだね、ここはもっとこうしようと言いながらやってました。やめるからって、『もういいよ、楽しくやろう!』というわけにはいかない、という姿勢で取り組んでいます」
−−愛原さんは先月、お父様(つかこうへいさん)のことで悲しいことがあったが…
「私たちは(訃報を)まったくわからなかったくらい、真摯に舞台に向き合ってました。後から聞いて、本当にえらかったなあと思いました」
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シリーズ痛み 続・私の物語(5)漫画家・さかもと未明さん (下)
「それまでアシスタントのミスを見つけては怒っていた私ですが、今は『だめなお姉さん』。彼らの力がないと何もできなかったと気づきました。謙虚な心を持つべきでした」
仕事への考えも変わった。以前は知名度をあげ、少しでもお金を稼ごうと、影響力の大きさや報酬の多さで仕事を選んでいた。
「上ばかり見ていましたが、病気になり、たくさんの人から励ましてもらいました。同じ病気の方からのメールでは、痛みを分かち合う喜びを知りました。これからは、どん底にいる人に大丈夫だよ、と寄り添う表現を紡いでいきたい」
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新会社の名称は「野村アグリプランニング&アドバイザリー」。資本金1億5千万円で、10月に設立。その下に「野村ファーム」を設立し、付加価値の高い農産物の開発、生産を行う。当面は千葉県で糖度の高いトマトの生産を行う。
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基本給だけで650万円。ボーナスを加えればラクに800万円は超すだろう。
この高額給与にありつけるのは「グローバル型社員(通称、G型社員)」と呼ばれる約40人に限られる。G型社員はインベストバンク、グローバルマーケット、ITオペレーションなど6コースのいずれかに配属されて、世界を相手にビジネスを行う。
「G型社員には、配属された部門で必要とされる専門性と海外とのやりとりを過不足なくできる語学力が求められています。TOEICで800点以上を期待しています」(野村HD広報担当者)
つまり、入社=即戦力じゃないとダメ。高い給与をもらう以上、当然だが、彼らには最初から厳しいハードルが課せられているのだ。仕事ができなければ、もちろん給与はダウンする。残業手当や家賃補助などはなく、勤務地は異動が発令されれば国内外どこでも行かなければならない。犠牲にするものも少なくないのである。